これまでの現代GPの活動をまとめ、本年度から少人数ゼミ「命のあり方、尊さと食の連関」として授業化しました。農学部の中司先生・中野先生との分担で、後半は精肉作業を行います。私は前半部分を担当し、「命」の概念を様々な視点からとらえ、豊かにすることを目指しました。
まず、世代を越えた時間と風土に意識をつなげるために「未来につづく道アートワークショップ第2弾」を行いました。学生それぞれの現在、未来、過去、先祖や次世代のイメージを色に置き換えて(抽象化して)木の立方体を彩りました。少し色あせた作品(2007年)が、彼らの色でよみがえりました。
糸島地域の方がメンバーである「福岡交響サクスフォン四重奏団」による演奏会も行われました。美しい4つのサクスフォンの音色は、青空と緑と人の心をひとつにしていきました。ハーブティーや、クッキー、農園のハーブを使った美味しい昼食は、地産地消の心地よさを感じさせました。
その後、ハーブガーデン経営者・小島忠義氏(前原市議会議員)による講演がありました。開発事業に携わってきた小島氏は、52歳から心機一転しスローフード(地域や文化を大切にする食のありかた)をめざしハーブガーデン構想を具現化していきました。「夢はかなう。人生は変えられる」という小島氏の言葉は、五感で農園を感じた学生たちに響きました。
風の薫り、時間のゆるやかさ、自分と向き合って作ること、大地の恩恵を身体で感じ、本当の豊かさの意味を考えた一日でした。(2009年、知足)