はじめに 序 輪になって座る
第一部 ワークショップとは何か
レジメ Asahiro
序 輪になって座る
・ 1989年 CIIS(カリフォルニア統合学研究所 : 組織開発・組織変革(ODT)学科)
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輪になって座るメリットは、お互いの顔がよく見え、適切な反応をし合える場となる。その場の雰囲気を作るのは一人一人であり、場を作る責任と権利を、皆、等しく持つ。 他:「トーキング・スティック」:沈黙と傾聴の醸成→主体性の芽生
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ワークショップは、参加や体験や相互作用を重視する方法やスタイルである。リーダー(ファシリテーター)がきっかけを作り、参加者同士で多様な「学びあいの場」を作り出していく。
・ 「輪になって座り」
→「(人の意見や声なき自然について)深く聴き」→「主体的に動きたくなる」
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「中つ火」を中心に、皆が等距離で座り、等しく価値を語り合う。輪の内側は共同体の個人をおき、輪の外側には自分としての個人をおく。この輪には、「共同体と個」、「多様性と共生」を解くヒントがある。
第一部 ワークショップとは何か
1 「ワークショップ」の定義
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「広辞苑」:@仕事場、作業場、A所定の課題についての事前研究の結果を持ち寄って、討議を重ねる形の研修会。教員・社会教育指導者の研修や企業教育に採用されることが多い」
・ 「現代用語の基礎知識2000」や「知恵蔵2000」では、現代演劇、現代美術、まちづくりの用語として説明がある。
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本書では「講義など一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学びあったり創り出したりする学びと創造のスタイル」とする。
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「参加体験型グループ学習」と訳されることもあり、双方向性、全体的な「学習」と「創造」の手法でもある。
・ 「社会教育 特集―WORK SHOP体験的参加型学習とワークショップ」、1994.10、により、以下の五つに整理。
@ ワークショップに先生はいない
A 「お客さん」でいることはできない
B 初めから決まった答えなどない
C 頭が動き、身体も動く
D 交流と笑いがある
2.ワークショップの歴史と背景
・ 1946年、アメリカのコネティカット州ニューブリテン市での「人種差別をなくすために働くソーシャルワーカーのワークショップ」は、グループ・ダイナミクス(集団力学)の創始者クルト・レヴィンがリーダーとして現代の社会教育に多大な影響を与えた。
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これは、ロールプレーや自由討論の場での対話学習を行い、日常現場での活用計画を立案するなど、市民意識の啓発と実践的トレーニングを行った。ここでの社会的技法や対話学習法が、後にTグループ、エンカウンター、自己啓発として全世界に広まった。
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「ワークショップの歴史的な見取り図」づくり、高田研、兵庫教育大学大学院修士論文 → 演劇、ドキュメンタリー映像、こども博物館、世田谷の住民運動、都市再開発、ローレンス・ハルプリン、パウロの「参加の方法」・フレイレの識字教育
3.ワークショップの分類
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ワークショップの全体像を、「個人と社会」の軸と「創造と学び」の軸による四つの象限上で以下の七つに分類。
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それぞれのワークショップが上とか下ではなく、役割があり、多様に行われていることに現代的な意味がある。人々の個性や嗜好、人生の時期や興味の変遷、人々の心への響き方の違いなどにより、自由に選択されることが望ましい。
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アート系:演劇、ダンス、美術、音楽、工芸、博物館、自己表現
「やってみたい」を体験する。演劇WS、ダンスWS、博物館・美術館でのWS、ライティング・WS、音楽WS、
A
まちづくり系:住民参加のまちづくり、コミュニティづくり、政策づくり等
「対話による合意形成」。世田谷の「参加のデザイン道具箱」、伊賀のこのみち、どやいしょ?、JCまちづくりファシリテーター養成委員会、
○ まちづくりWSの基本構成
基礎情報の共有化→グループ提案づくり→全体評価
要注意事項として、WSによる市民不満のガス抜きではなく、WS後の道筋と透明性の明示が信頼関係から必要。
いまだ、さまざまな課題を要するが、NPOの興隆と共に市民社会を成熟させるためにも必要である。
B
社会変革系:平和教育、人権教育、開発教育、国際理解教育
地球市民アカデミア、ボランティアとWS(体験から自ら学ぶ仕組みとして共通)、
C
自然・環境系:環境教育、野外教育、自然体験学習等
D
教育・学習系:学校教育、社会教育、企業研修、国際会議等
E
精神世界系:自己成長・自己変容、こころとからだ、人間関係、心理学、癒し等
F
統合系:精神世界と社会変革の統合、個人と社会の癒しと変革など
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