未来デザイン学センターについて

あいさつ

社会のかつてない変化を背景に、質的にも変容を続けるデザインの概念と領域は急速に拡張を続けています。20世紀の経済優先の時代におけるデザインの役割は、その一部である創造プロセスの最終段階での「色や形による造形表現」による価値づけが主でした。

しかし現在、20世紀が積み残してきた社会の多様で複雑な諸課題を解決するためには、諸課題の要因やニーズ、そして解決の糸口を多方面の視野から俯瞰的に探り、具体的な解決の方向を導き、提案・検証する本来のデザインの役割、つまり創造プロセスのすべての段階においてデザインが有効な方法となり得ると認識されてきています。

このようにデザインに対する本来の社会的な役割や期待が高まっている中、デザイン学の教育研究の現場として、その概念と方法論の再構築を行う必要があると考えております。

そこで九州大学未来デザイン学センターは、デザイン学と学内外の多様な研究分野とを結びつけ、デザイン学研究を推進すると共に、国内のデザイン系大学との連携による新たな学術研究領域を創出し、国際的なデザイン学の研究拠点を形成することを目的に,2017年1月に発足しました。デザイン学研究開発により創出された本センターでの成果は、産官民と連携を取って、スピーディな社会実装を推進し、未来社会の創生に積極的に貢献していくことを目指します。

九州大学未来デザイン学センター長
清須美匡洋 Masahiro Kiyosumi

未来デザイン学センターの概要

「デザイン学」のフロントランナー九州大学が、デザイン系分野で実績のある学術機関と​国内外の産業界とをつないで、研究成果の社会実装を加速し、未来社会をデザインする。​

現状

  • 大学等の研究成果が、社会的課題の解決に十分結びついていない。
  • 特定の集団にかかるバイアスを取り払い、新たな発想、新たな価値創造が必要。​
  • 新たな発想や新たな価値創造は、簡単に生まれるものではなく、また、偶然に思いつく​ものでもないため、多くの研究シーズが社会へ還元されずに埋もれてしまっている。
  • 現在、我が国では、研究シーズを共有し、「デザイン学」を用いて、新たな価値を発見し、​創出する場が存在せず、各者をつなぐデザイン人材も稀少である。​​

「デザイン学」の力による、狙いを定めた「新たな価値創出」が必要。​

学術機関が持つ「多くの研究シーズ」について、九大の「デザイン学」により新たな価値を発見し、産業界が有する「実用化する力」により社会へ還元する。​

組織の意義

  1. 「デザイン学」で実績がある九州大学が中心となり、国内のデザイン学系主要大学を中核とする研究ネットワークを構築する。
  2. デザイン学を基盤とした、新たな価値に基づいた研究成果について、産業界と連携して戦略的に社会実装する。​
  3. デザイン学を基盤とした研究成果やイノベーションを、アジアから世界へ創出し、発信する。​
  4. 国連が示す「持続可能な開発目標」(SDGs)など、未来の社会を見据えた人類共通課題に挑戦する、国際研究プロジェクトを立ち上げ、複数の大学間連携によって推進する。

国連が示す「持続可能な開発目標」(SDGs)

九州大学が、人類課題に挑戦し、未来社会をデザインするための国際拠点を整備​

将来的に、デザイン学の全国共同​利用拠点形成を目指し、先ずは、​本拠点で取り組むデザイン学研究を連携して行うため、国内のデザ​イン学系主要大学を中核とした、​研究ネットワーク「国公立デザイン系大学会議」を形成する。​

新たな発想や新たな価値創造は、「容易」に、また「偶然」に生まれてくるものではなく、デザイン学の研究者を交え、産学が連携できる研究プラットフォームを構築し、戦略的に社会実装を行うプロジェクトを推進する。​

戦略Ⅰ「グローバルコア戦略」の強化​

デザイン学の国際拠点形成により、アジア地域の優秀な研究者や学生が集い、アジアトップレベルの大学として維持・発展する。​

  • 研究のレピュテーション向上​
  • 外国人研究者・研究ユニットの招聘、外国人留学生の増加
  • 国際学会・シンポジウム開催等の増加

デザイン学を基盤としたアジアの強力なイノベーション拠点を築き、アジアから世界へ発信することで、独自の価値や文化などをアジアから世界へ向けて新たな潮流を起こす。​

2030年に向けて世界が合意した国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)にみられる人類共通課題に対し、国際研究プロジェクトを立ち上げ、九大を中心として他大学や民間機関との連携を促し強力な国際貢献を促進する。​

戦略Ⅱ「イノベーション創出と牽引」の強化​

人類が直面する課題を克服し、人と地球にやさしい社会を実現する。​

  • 国際共同研究の実施​
  • 共同研究・受託研究の増加
  • 外部資金の獲得の加速​
  • 国際共著論文の増加​