[研究室体制] [研究活動] [教育活動] [学会活動] [プライベート] [2004年版]

 
新年のはじめに,近況報告を兼ねて昨年の私の様子をまとめて見ました.

今年もよろしくお願い致します.

2005年の私の状況

 

高木英行 (九州大学大学院芸術工学研究院)
815-8540 福岡市南区塩原4丁目9-1
TEL & FAX <+81>92-553-4555
e-mail   
URL       http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~takagi/

 


研究室体制

 

2004年度は,卒研生2名,修士生2名,博士生1名の研究室陣容ですが,社会人修士生1名と博士生1名が休学中ですので,実質3名の学生です.
2005年度は,修士生が4名入学し,博士後期課程を目指すスロバキアからの国費留研究生も4月から入学します.卒研生の配属数や現在休学中の学生の今後がまだ未定ですが,最低でも研究室学生7名が活動致します.

これまでの研究室体制と大きく変わったのは,ポストドクの参加です.COE学術研究員として中国科学技術大学講師の王上飛博士(2004年7月~2005年末),日本学術振興会外国人特別研究員のDr. Raffi R. Kamalian(2004年11月~2006年11月),特任助手の岩下志乃博士(2005年3月~2006年3月)の3名が強力に研究活動を支えてくれることでしょう.雇用契約は単年度契約ですが,契約更新できれば2006年度も彼女らの活躍が期待できます.

また,2004年度は,中国から湯匯道講師,スペインからProf. Oswaldo Velez-Langsを訪問研究員として受け入れました.

goto top

 


研究活動

 

私がHumanized Computational Intelligenceと呼んでおります,人間要素と計算知能の融合について注力しております. インタラクティブ進化計算(IEC)は依然この研究方向における私の主要キーワードです. インタラクティブ進化計算の研究解説もどうぞ.


科研の申請メンバー(まだ未採択)と合宿シンポ「人間要素を取り込む計算知能」を2004年1月と8月に開催し,2005年1月にも第3回目の開催を致します.一緒に温泉に宿泊しながらの研究会では質疑応答・議論の時間をたっぷり取ってリラックスした雰囲気で行っています.採択になるとよいのですが.現在,IEC技術を中心に研究をしていますが,IECを越える「人間要素を取り込む計算知能」の方向性が得られればと期待しています.

2004年のIEC研究には次のものがあります.

 

2004年の研究室成果は,book chapterを1編,学術誌論文を3編,国際会議講演論文を5編,COE国際ワークショップ3編(論文は,2005年出版),学会誌のための解説論文1編,国内会議3編でした.


大変光栄なことに,九州大学総長から研究スーパースター支援プログラムに選ばれました.特任助手を付けていただけることになり,より一層研究活動に邁進する所存です.

2005年の目標は以下の通りです.
(1) 拡張IEC生理的フィードバックによってシステム最適化ができることを実験的に示すこと
(2) その応用として,映画や音楽の感動の生理に基づく,感動強調フィルタの設計研究を立ち上げること
(3) MEMSを中心とする回路やデバイス設計にIECを応用する技術をUC Berkeleyと共に普及させること(特許出願を含む)
(4) IECの「心のものさし」の研究について,統合失調者のデータをまとめて投稿すること.認知症者への拡張を開始すること
(5) IECによる医療画像強調フィルタの成果を,実際の医療画像診断者およびその分野の学生を被験者として定量評価すること
(6) IEEE SMC SocietyのTechnical Activityに対する方針を策定しマニュアル化して,組織的な活動が安定できるようにすること.
(7) 「人間要素を取り込む計算知能」に対して,私なりのビジョンとミッションを作成すること


goto top


教育活動


授業では,知能情報学概論,ソフトウェアアーキテクチャ,データ・信号圧縮論,知能情報学特論の学部・大学院講義,情報環境学演習IIの大学院演習科目を担当した他,デザイン基礎II(芸情)と外書購読Bのお世話をしております.


2004年12月16日に,イスタンブール市のBogazici大学で開講されている学部生授業「システム最適化」を使わせていただき,講義をしました.

goto top

 


学会活動

 

2002~2003年にかけて伊庭先生(東大)と共にNew Generation Computing誌のゲストエディタとして,論文特集号 "Interactive Evolutionary Computation"を編集しました.Vol.23, No.2, February 2005に掲載予定です.

 

IEEE SMC SocietyのBoard of Governors(日本の学会の理事会)メンバーとして会員選挙で選ばれました.2004~2006年の任期で2期目です.

IEEE SMC Technical CommitteeのSoft Computing Chairとして,1998年からセッション企画等の活動を行ってきましたが,2004年末で退任しました.後任には,SMC2002, SMC2003, SMC2004でのセッション企画に貢献の大きかったSoft Computing Committeeメンバーの村田先生(関西大)に託しました.私は2004年末から就任したTechnical Committee Cogitatorとして,SMC学会の技術活動全般を担当していきます.また,IEEE Transactions on SMC, Part BのAssociate Editorの仕事は継続していきます.

日本知能情報ファジィ学会(SOFT)関連では,評議委員(2003年6月~2005年6月)の最終年度です.

日本知能情報ファジィ学会誌に2003年発表しました論文に対して論文賞をいただきました(FSS2004の総会会場で).
   高木英行, 印具毅雄, 大西圭「単峰性関数当てはめによるGA収束高速化」
   知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌), vol.15, no.2, pp.219-229 (2003))
内容は,進化計算の探索ランドスケープを二次曲面やガウス曲面のような最も単純な単峰関数で近似し,その峰座標をエリート解として,現世代の最低の親と入れ替えて次世代に残すものです.大局的最適解に近ければ有力な親として次世代以降の収束を加速させますし,探索空間がそのような単純ではなくてそのエリート解が働かなくても多くの個体のうちの1つが働かなかっただけです(しかも入れ替えた最低fitness値よりはよい).つまり「ローリスク,ハイリターン」が期待できる進化計算の加速法です.

その他の学会活動では,GECCO2004でTutorial Talkを行いました.2005年では,WSTST2005(室蘭,5月), SMCia2005 (Helsinki, 6月), KES2005(Melbourne, 9月)でのPlenary Talkを,GECCO2005(Washington DC, 6月)でのTutorial Talkを予定しています.


goto top

 


プライベート

長女は2004年4月から神戸女学院へ,次女は今年高校受験です.2005年夏から10ヶ月,米国へ高校生交換留学の予定です.短期ながら20年ぶりに夫婦二人になりそうです.


goto top