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近況報告を兼ねて昨年の私の様子をまとめて見ました.
今年もよろしくお願い致します.
2012年の初めに2011年の近況御報告
高木英行 (九州大学大学院芸術工学研究院)
815-8540
福岡市南区塩原4丁目9-1
TEL & FAX <+81>92-553-4555
e-mail
URL http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~takagi/
学会活動
国内会議では,昨年設立された進化計算学会の理事を務めていることもあり,3月と9月の進化計算研究会では各々1編を,
12月の進化計算シンポジウムでは3編の研究室成果を発表しました.内容は主に,進化計算および対話型進化計算高速化ですが,
シンポジウムでは他研究室の学生との連名で,対比較ベースの対話型差分進化を触覚振動による感情表現(絵文字に相当する振動版)
設計という応用研究の発表もありました.
進化計算学会のイベントの特徴は「深く議論」です.シンポジウムでは全発表を,研究会でもほとんどをポスターセッションにし,
並行セッションなしで1時間以上議論します.研究会では8編程の口頭発表論文もありますが,これもコメンテータに事前に論文を
渡して十分議論点を洗い出してもらい15分の質疑応答時間を設けますので,あたかも口頭試問のような雰囲気で,深い質疑応答は
他の参加者にも非常に有用です.シンポジウムは全員会場ホテルに宿泊し合宿形式で行い,他大学学生と組み合わせて部屋割りを
してネットワーク作りにも役立たせます.この方式は他学会ではない特長です.
10月には,電子情報通信学会のニューロンコンピューティング研究会が私のキャンパスで開催され,現地係として研究会開催準備を
した他,招待講演者として対話型進化計算の最近の研究状況を1時間講演しました.
国際会議には,以下の会議に参加しました.
- 7月には上海でのICNC2011 & FSKD2011に参加し,中国での進化計算の研究動向調査.
- 8月には台湾金門島でのICGEC2011で2編の発表.
- 10月にはAnchorageで開催のSMC2011に参加し,我々Technical Committee on Soft Computingが企画した5セッションの1つを司会.
- 11月末からは福岡で開催のINCoS2011で1編を発表(2012は,INCoS2011特集号のゲストエディタとして動きます).
- 12月は,MalaccaでのHIS2011に参加し,チュートリアル講演を75分,キーノート講演を1時間した他,1セッションの司会.
- HIS2011終了翌日には,2011に新設されたIEEE SMC Society Malaysia Section
ChapterでDistinguish Lecturer Programによる講演.私は2006~2011までの3期に渡って,このプログラムに登録されたDistinguish
Lecturerでした.
予定外であったのは,台湾金門島での会議中に台風がこの島を襲ったことです.予定の台湾国内便で台北に移動できないと,
別会社の帰国便に接続できないため,金門島を離れる予定前日に飛行場で待機し多くの欠航便の中で台北に飛ぶ便を捕まえ
ようやく戻ることができました.
また,1編はD1生留学生が発表する予定だったのですが,結局査証が発給されず参加できませんでした.
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研究室活動
4月から始まる2011年度の研究室陣容は,D1生2名,M2生2名,M2生1名,B4生3名です.
今年度の学生研究テーマは,進化計算・対話型差分進化の高速化,対話型進化計算の画像処理・その他への応用,
戦略ゲームの進化,多数目的最適化などに分類されます.
並行して,対話型差分進化の人工内耳フィティングと多目的最適化との融合の共同研究も行っています.
前者は,対話型進化計算の人間科学への応用の一環で,フィッティングそのものだけでなく,
フィッティング特性の解析から新しい聴覚系の知見を発見しようと意気込んでいます.
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教育活動
2011年の大きな教育イベントは,世界8か国11名の院生を招いて9月に行った3週間近い「デザイン人間科学サマースクール」です.私は英語能力だけで学位取得が可能な
デザイン人間科学国際コースに関わっているのですが,この国際コースの知名度を上げて世界から優秀な博士後期課程生を集めるためにこの教育イベントを企画しました.提案,招へいのための奨学金応募,プログラム企画,などを行い,国際コース教員多数の協力を得て15回の授業(臨時科目認定をしてもらい2単位を発行),毎日午後は研究室での研究指導,週末は文化行事として福岡ウォーキングツアーや阿蘇バスツアーを行いました.私の研究室には,スロバキアからの2名を受け入れました.非常に評判がよかったのですが,奨学金だけでは来日費用を賄えず,継続には知恵が必要です.2012年も申請をしています.
九州大学と学生交流協定交から修士生1名を昨年10月から受け入れ,この3月まで修士研究を指導しています.卒研生がスタートレックゲームのプレーヤモデルをルールベースで作成し,進化計算でこのモデルがゲームに勝つような戦略を獲得させるよう進化させています.この交換留学生は,このプレーヤモデルも使い,スタートレックゲーム自体とプレーヤモデルを同時に強くさせる共進化をテーマにしています.共進化は,ワクチン開発とそれに耐えるウィルスの進化のようなもので,相手が強くなる(自分が弱くなる)ことで,それに負けまいとするように強く進化させる方法です.
出前授業では,9月に会津大学で人工生命とメディア生成について講義をし,同じく9月に唐津東高校で芸術工学についての授業をしました.上述しました12月のチュートリアルでは進化計算の各種手法についての入門的講義をしましたので,これも教育活動に入れてもよいかもしれません.
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プライベート
2011年5/28~2012年1月20日まで台湾からの交換留学女子高校生をホームステイで受け入れました.2009年~2010年のフィンランドからの交換留学女子高校生受け入れに続く第2弾です.
妻と二人で四国へ2泊3日のドライブをしました.妻はパートの保育士で土日祝しか休みが取れませんので2月の3連休を使い旅行に出ました.この時初めて買ったポータブルナビゲータがフル活動しました.
大学に移動してからの17年間毎年人間ドックを受診して来ています.今年は心臓オプションコースを選択しました.特に異常はありません,というか,いつも通りの小さな問題を抱えたままです.甲状腺癌で甲状腺摘出をして6年経ちましたが,この発見も人間ドックでのPET検診のおかげです.年末(の飲み会続きの後)に頭に痛みが多少ありましたので,近所の脳神経クリニックに行ったところ,頸椎ヘルニアで神経を圧迫していることが判りました.日々のディスプレイを見るときの姿勢を見ると確かに首を上に上げて筋肉が緊張しているので,頸椎下部に負担がかかっていることが自覚できます.これは職業病に近いのかもしれません.理学療法と寝る時の枕の高さを変えることで痛みはなくなりました.が,その時同時に撮像したMRAからは,どうも脳動脈瘤と疑われる箇所が発見されました.近々検査をして,本当に脳動脈瘤であれば,カテーテルを使った手術を早めにしようと思います.甲状腺癌の時も今回も,異常がない段階での早期発見は,ラッキーという感じが強いです.
最後に,今年5月で,私たち夫婦は真珠婚式(30周年)を迎えます.
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