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近況報告を兼ねて昨年の私の様子をまとめて見ました.

今年もよろしくお願い致します.


2015年の初めに2014年の近況御報告

 

高木英行 (九州大学大学院芸術工学研究院,(兼任)応用知覚科学研究センター)
815-8540 福岡市南区塩原4丁目9−1


TEL & FAX <+81>92-553-4555
e-mail   h.takagi.457
URL  http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~takagi/



研究活動

2014年の3,9,12月に4つの国内会議に参加しました.そのうちの3回は現在活動の中心にしています進化計算学会主催の会議です. 7,10,11, 12月には5回の国際会議に参加しました.このうち12月の国際会議はwebセミナーシステムを使って行うon-line上の会議で,私は開催初日の基調講演者として,私の教員室から対話型進化計算の研究方向に関する1時間のkeynote speech をしました.イメージが湧きにくい方は,事前登録した複数の会議参加者とTV会議で講演した,と思って頂くと判りやすいかと思います.

私は統計数学者ではありませんが統計検定を使わなければならないユーザです.大学の授業のような統計検定の数学的側面ではなくユーザとしての実用性を目指した「どのような時にどのような統計検定手法を選び,どのように使うのか」の解説をしたものです.以前に国際会議で3回ほど使った内容を3月に首都大学東京での講習会で解説した他,システム制御情報学会誌2014年8月号10月号12月号に統計検定の解説シリーズを書き,私のwebページからスライドと共にdownloadできるようにしています.ご興味ある方はご利用ください.

10月のSan Diego での国際会議の帰りにCalifornia大学Berkeley校(UC Berkeley)に立ち寄り,Zadeh教授主宰のBISC Roundtable Meeting で話題提供者を務めました.通常の研究室に8名程が参加して丸い小さなテーブルを囲み,参加者と質疑応答をしながら私の現在の研究の取り組み・考え方を話すというサロン風のもので, あっという間に1時間が過ぎてしまいました.

Zadeh教授は,私がUC Berkeleyの客員研究員だった1991-1993年のホスト教授で,現在94歳とUC Berkeleyでは最高齢だそうです.にも関わらず活動は活発で,直前のSan Diego での国際会議では招待講演を行い,日常でもBISC Roundtable Meetingを主宰し,BISCメーリングリストには頻繁にメッセージを流されておられます.San Diegoの会議ではステージから落ちて手を怪我され,皆,真っ青になりました.その日の講演はキャンセルになりましたが翌日昼休みにその講演をされました.年齢を考えるに,脱帽です.

長年考えていながら私の数学能力ではできなかったことが,2014年に目途がつきました.兼担をしています応用知覚科学研究センター主催の講演会で早稲田大学の村田教授の講演があり,その後の参加者との懇親会で,村田先生と九大マス・フォア・インダストリ研究所の西井教授にこの問題を説明したところ,後日数回のメールやり取りを経て解決案を送って頂けました.さすが数学者は早い!この解法を現在取り組んでいる進化計算の最適化探索に導入することで高速化できる可能性が高く,2015年はこの展開を図る方針です.2014年12月の進化計算シンポジウムに4人の連名(早大,九大,会津大)で発表し,なんと幻のBest Poster賞となりました(以前は全発表に対する投票でしたが現在は若手発表対象になりました.しかしその変更を知らずに投票した参加者も多く,我々の発表が第1位になりました.もちろん死票になりました.)

学会活動では,IEEE Systems, Man & Cybernetics Society (SMC) のJapan Chapter Chair (2014-2015),SMC Technical Committee on Soft Computing のChair,IEEE Transactions on CyberneticsのAssociate Editorと,SMC Societyを主とした学会ボランティア活動をしています.11月には沖縄開催の2つの国際会議のGeneral co-Chair として運営に関わった他,7つの国際会議のAdvisory Boardや組織委員として運営に関わりました.


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研究室

2014年3月に学位取得した裴岩君は4月から会津大学で助教としての生活を始めました.これまで私の研究室で学位を取得した6名のうち5名は大学・高専・研究所で活躍しており,残り1名は海外で起業しています.

9月に留年していた卒研生が卒業し,10月からはタイからの博士生(国際コース学生)1名と中国からの研究生2名を受け入れました.この結果,現在は,卒研生1名,研究室2名,修士生2名,博士生1名の陣容です2015年度は,卒研生が何人になるかはまだ未定ですが,大学院生は,研究生1名,修士生3名,博士生1名の予定です.

9月〜12月の間,ノルウェーからの博士生1名を訪問学生として受け入れました.ハードウェアの進化を行っていて,日本の進化計算学会にこの手の研究発表がほとんどないため,12月の進化計算シンポジウムでの発表を勧めました.


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教育活動

2011年から,芸術工学府のデザイン人間科学国際コース主催でSummer Seminar を開催しています.国際コースは留学生のための英語学位プログラムで,我々の国際コースは博士後期課程のみを設置しています.すなわち,海外から修士号取得者をリクルートして国際コースに受験してもらう必要があるのですが,我々のところに,英語能力と研究能力があれば博士号取得が可能となく国際コースがあることと,そこでどのような教育・研究を行っているかを知ってもらわないと受験生は見つかりません.Summer Seminar はその広報とリクルートを兼ねた招待イベントです.高校生対象に各大学ではオープンキャンパスを行っていますが,その海外版と思って頂いても間違いではありません.2014年Summer School は日本学生支援機構と科学技術振興機構のプログラムから助成を得て,26名の学生を海外から招聘し,15回の授業と研究室配属演習を行いました

予算の関係から多くの学生をSummer School に招聘することはできません.そこで,こちらから講師を現地に派遣してミニSummer School を開催することも考えられます.2014年3月に,国際コース入学やSummer School 参加が盛んなインドネシアのGadjah Mad大学で一日セミナーを開催しました.デザイン人間科学コースは3つの講座からなって教育をしていますので,この3分野の講師を派遣を4つの授業と1つの留学体験講演を行いました.私は計算知能と統計検定の2つの講義をしました.

今やどの大学も高校生向けのリクルート活動を行っており,九州大学もその例外ではありません.芸術工学部では高校向けの70以上の出前講義メニューを用意し,高校からの要請に応じて教員を派遣します.私は茨木,鹿児島,宮崎,熊本の4つの高校で出前授業をしてきました.高校から要望があった私のテーマは,「人間の感性+計算知能=芸術工学」と「高校物理で判る蓄音機からディジタルオーディオまで」です.


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管理運営業務

九州大学がスーパーグローバル大学創成支援事業に採択になり,特に「国際化」のキーワードで教育の大きな改革が進行中です.それに連動して現在芸術工学部の改組が進行中で, 私も参加する関連会議が増えています.また,2014-2015年度は芸術情報設計学科長を拝命しているため,出席しなければならない会議が増えました.それやこれらで,2014年の印象は,学内管理運営業務が非常に増えたと実感しています.年末の会議の多い日の例ですと,この種の会議が4件と上述の教育改革に関連したFaculty Development (FD) 研究会1件で5時間強の時間を使い,その合間に研究室ゼミ,という状況でした.


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プライベート

上述のUC Berkeley訪問に合わせて,本多夫妻と今泉夫妻が東京からBerkeleyに来られ,20年ぶりの現地での再会をしました.といいますのも,私の客員研究員時代に,本多先生は電通大から単身で客員研究に来られ時々奥様も来られておられ,今泉夫妻は共に客員研究員として滞在されて一緒に過ごした仲なのです.当時ソニーからの客員研究員だった西尾さんを含めて,私が東京へ宿泊出張して時間がある時にBerkeley同窓会をしています.昨年3月のその機会に,Zadeh先生のお歳も考えて,一度懐かしいBerkeleyをもう一度一緒に行こう,と話が盛り上がった成果でした.時々の出張で訪れているとはいえ,20数年ぶりというのははやり思い出深いものがあります.

この3月で次女が修士課程を修了し4月から社会人になります.ようやく,家のローン,学費負担を終え,定年までの数年間を夫婦の老後の生活設計に焦点を当てる時期になりました.

3月に日帰りの手術をした他は大きな健康上の問題はありません.ここ2〜3年,人間ドックの血液検査では引っかかって再検査要請が来ますが,病院によって適正範囲が違うようで,掛かり付け医での血液検査のついでに再検査をしてもらうと,正常範囲に入ります.そのため,気にしていません.


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