米式住宅研究会 |
|||||
photo tanoue | |||||
しかし、本土復帰以降は、基地の縮小、タワーと呼ばれる高層集合住宅などの基地内住居施設の拡充、円高などの経済的な諸問題から、基地外の米式住宅の需要は激減し、次第に地域住民に賃貸、または中古住宅として分譲されてきた。 その結果として、現在では住宅としての使用みならず、飲食店、物販店舗、オフィス、アトリエなど多種多様に再生され使用されている。このような地域への移行の過程では、日本や沖縄の伝統的な住宅とは全く異なる米式住宅において、居住者が主体となり、より地域の諸条件に適応するような「住みこなし」の工夫など、自主的な増改築を中心とする住宅の再生が見られる。しかし、その再生の過程と実態などに関する実証的な評価は全くなされていないのが現状である。 本研究会は、このような米式住宅を対象として、この米式住宅における再生の実態と居住者による評価に関する分析をもとに、居住者自身による再生・土着化の実態と、その空間の特性、そして社会的ストックとしての住宅の活用について考察することを目的としている。また、こうした居住者の自主的行為による居住環境形成の過程を考察することは、居住者が主体となった住宅計画の一手法を探る上でも示唆を含んでいると考えられる。 |
|||||