深い結びつきを求めて シュタイナー言葉の栞7
Autroposophische Gemeinschftsbidung『人智学的共同体形成』より
(1922年2月27日/シュトゥットガルト)
ルドルフ・シュタイナー・著 高島巌・訳 筑摩書房 2004年
今日の時代には、共同体形成の理想が真剣に求められていますが、 このことは非常に注目に値することです。 多くの人々の魂の奥深くの根元的な感情がこの理想を求め、 人と人との深い結びつきを求めているのです。 ところが、今日の人々に対して合理的、知的な仕方で働きかけてくるものは、 すべて、人と人との結びつきを深めるどころか、人々を孤立させ、 その社会共同体を分解させようとします。 実際、知的、合理的なものを身につけるには、 他の人との深い結びつきがなくても、個人で学習しさえすればいいのです。 私たちは一人きりでも考え、論理を発展させることができます。 それどころか、一人になれば、ますます完全にそうすることができるのです。 思索に没頭するとき、 私たちは世間の人びとからできるだけ離れていたいとさえ思うのです。 しかし人間は そのような孤立の傾向だけを持っていきているわけではありません。 魂の奥底では共同体を求めています。 そしてそのことは、私たちの意識 魂を成熟させて 人生をより意識的に生きようとするときには、 絶対に必要なことなのです。 意識的になるということは、知的になるということではありません。 それは、本能的な体験に留まってはいられない、ということなのです。 意識 魂に関して、特に人智学徒に求められているのは、 素朴な感覚生活、知覚生活のような基本的な生活態度の中で、 明瞭な意識を獲得することなのです。 |