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新 聞 記 事 


 北海道新聞(夕刊)1999年8月14日(土曜日)
              【平取】福岡の彫刻家知足院(ともたり)美加子さん(33)が、日高管内平取町のニ風谷ダムに疑問を投げかける彫刻を制作し、同ダムを望む場所に設置した。「アイヌ民族の問題や公共事業のあり方を多面的に考えるきっかけになれば」と話してる。
 九州芸術工科大(福岡)の助手でもある知足院さんは二年前、アイヌ民族の先住性が認められたニ風谷ダム訴訟に関心を持った。現地を訪れたり,書物を読む中で「声高に批判するのではなく,ダムを取り巻く問題を表現したい」と考えるようになった。約1年かけて黒大理石を刻み,高さ1・6bの石像「回想ーニ風谷ダム」を完成させた。「地を流れる水の視線を表した」(知足院さん)という空を見上げる少女の立像。全国のボランティア約20人の手を借りて,ダムから4百b下流に,同訴訟の原告の一人だった貝澤耕一さん(53)の土地に据えた。知足院さんは「この土地の記憶やアイヌ民族の歴史が立ちあがってくるような作品にしたかった。」。貝澤さんも「ダムは完成し,裁判は終わったが,それで問題が解決したわけではない。石像をダムについて問い続ける素材にしたい」と話している。



東京新聞(夕刊)1999年9月9日(木曜日)

  「ふるさと新聞」の紙面において,北海道新聞から上記の記事(写真は縮小されていた)が掲載されていました。