10章

2節 アスファルト防水工事


10.2  アスファルト防水工事

10.2.1 適用範囲・一般事項
 a.適用範囲
 本節は,溶融アスファルト及びルーフィングを交互に重ねて施工する防水層の工事に適用する。下記以外は特記による。
 b.一般事項
 下地は,亀裂や剥離部分のない堅固なものとする。欠点のある場合は予め補修する。

10.2.2 材料の品質  
 アスファルト防水工事に使用する材料は下記による。
  表 10-1 アスファルトルーフィング類
材   料
規    格
アスファルトルーフィング
JIS A 6005「アスファルトルーフィングフェルト」のアスファルトルーフィング1500
砂付ルーフィング
JIS A 6005「アスファルトルーフィングフェルト」の砂付ルーフィング3500
あなあきルーフィング
JIS A 6023「あなあきアスファルトルーフィング」
網状ルーフィング
JIS A 6012「網状アスファルトルーフィング」による合成繊維又はガラス繊維入りのもの
ストレッチルーフィング
JIS A 6022「ストレッチアスファルトルーフィングフェルト」のストレッチアスファルトルーフィング1000
または砂付ストレッチアスファルトルーフィング800

 a.アスファルトプライマー
 アスファルトを主成分とし,下地と防水層の接着に適したものとする。
 b.アスファルト
 使用するアスファルトは特記なき限り, JIS K 2207「石油アスファルト」による防水工事用アスファルト3種とする。
 c.アスファルトルーフィング類
 使用するアスファルトルーフィング類は,表 10-1による。
 d.アスファルト防水用シール材
 防水層貼りじまいの防水のためのシール材はゴムアスファルトとし,夏期 60℃で垂れず,冬季0℃で柔軟性を失わないものであること。
 e.屋根用断熱材.
 特記のない限り,JIS A 9511「発泡プラスチック保温材」による押出法ポリスティレンフォーム保温板 2種b(圧縮強度18N/cm2)以上とする。
 f.絶縁シート
 断熱材の上に用いる絶縁シートはポリエチレンあるいはポリプロピレンのフラットヤーンクロス,あるいはJIS Z 1503「ターポリンシート」で70kg/m2程度のものとする。
 g.コーナー用成形緩衝材
 屋根防水層立上がり部に使用するコーナー用成形緩衝防水材はルーフィングメーカーの製品による。
 h.押さえコンクリート用成形伸縮目地材
 目地幅は25mm程度,押さえコンクリートの上面に達するように支持できるものとする。
 i.押さえコンクリート
  4章鉄筋コンクリート工事4.4.3無筋コンクリート.による。骨材には軽量骨材を用いてもよい。
 j.押さえブロック
 押さえコンクリートの代わりに用いるブロックは,図示あるいは特記による歩道用ブロック類とする。これらは防水層の上に直接乗せずに,断熱層の上に設置 する。
 k.モルタル
 防水層下地用,防水層保護用,レンガ・ブロック積みのモルタルについては,セメント対砂の比率を 1:3とする。
 l.立上がり貼りじまい用ブロック
 パラペット立上がり貼りじまい部を保護するブロックは,JIS R 1250 「普通レンガ」 2種,あるいは JIS A 5406「建築用コンクリートブロック」とする。
 m.立上がり押さえ用水切り笠木
 パラペット立上がりを押さえる水切り用笠木は特記による。

10.2.3 アスファルト防水層の層構成
 アスファルト防水層の層構成は下記の工程による。屋内の場合は特記なき限り,アスファルトルーフィング 3層密着工法とする。
 下地に亀裂の発生の恐れある場合,またプレキャスト材・ ALC板使用の場合は絶縁工法を採用する。
 ALC板にモルタルを塗らず,じかにアスファルト防水層を貼る場合は,アスファルトプライマー塗布量を0.4kg/m2とする。
 a.アスファルトルーフィング 4層密着工法の場合
 ■アスファルトプライマー塗り 0.2kg/m2
 ■〜■アスファルトルーフィング,溶融アスファルト流し貼り1.0kg/m2, 4層重ね。
 ■溶融アスファルト刷毛塗り1.0kg/m2
   ※アスファルトルーフィング 3層密着工法の場合は■を3層重ねとする
 b.アスファルトルーフィング 4層絶縁工法の場合
 ■アスファルトプライマー塗り 0.2kg/m2  
 ■砂付き穴あきルーフィング又はストレッチルーフィング,溶融アスファルト流し貼り  1.0kg/m2
 ■〜■アスファルトルーフィング,溶融アスファルト流し貼り1.0kg/m2, 4層重ね
 ■溶融アスファルト刷毛塗り1.0kg/m2
   ※アスファルトルーフィング 3層絶縁工法の場合は■を 3層重ねとする
 c.露出アスファルトルーフィング 4層密着工法の場合(屋根用)
 ■アスファルトプライマー塗り 0.2kg/m2    
 ■ストレッチルーフィング,溶融アスファルト流し貼り1.0kg/m2
 ■〜■アスファルトルーフィング,溶融アスファルト流し貼り1.0kg/m2, 2層重ね
 ■砂付きストレッチルーフィング,溶融アスファルト流し貼り1.0kg/m2
 d.断熱層付きの場合
 アスファルトルーフィングの上に断熱層を設ける場合は,aあるいは bの工程の上に,ポリスティレンフォーム保温材を置き並べ,その上に絶縁シートを敷き,保護コンクリートを打設する。保護コンクリートの打設に当たって は,ポリスティレンフォーム保温材を損傷しないように,留意して作業を行う。

10.2.4 施工
 a.貼り下地の調整
 貼り下地は原則として,モルタルこて塗りあるいは防水モルタル塗りとする。コンクリートじか仕上げを下地とする場合で,突出部のある場合は,グライン ダー等で平滑にする。
 ALC板下地とする場合,凹部があれば樹脂入りモルタルで補修する。
 b.立上がり入り隅
 立上がり入り隅は,曲り角度が45°となるようにモルタルで下地を整えるか,入隅用の成形材を固定する。
 c.アスファルトプライマー塗り
 下地の乾燥状態を見計らい,清掃の後,アスファルトプライマー規定量(0.2kg/m2)を均等に塗り付ける。ALC板を下地とする場合は上記規定量を 2度塗りとする。
 d.アスファルトの溶融
 アスファルトの溶融釜は,煙り・臭気などで,入居者の迷惑にならないような屋外の場所に設置する。
 また溶融の際の熱の悪影響を防ぐため既存防水層の上に溶融釜を設置してはならない。やむを得ず防水層の上に溶融釜を設置する場合は,ALC板等を敷いて 断熱に配慮する。
 溶融したアスファルトはメーカーの指定する温度を保ち,長時間加熱を続けないように適量づつ溶解する。加熱溶解は室内では行ってならない。
 やむを得ない場合は,溶融の必要のない溶剤タイプのアスファルトを利用する。
 e.ルーフィング類の貼り付け
 1)下地防護貼り
  出隅,入隅,亀裂のある下地部分,ALC板や PC板の継ぎ目等の上部,立上がり部には,ゼロスパンテンション防止のために幅10cm程度の絶縁テープを貼り付け,
  その上に幅30cmに裁断したストレッチルーフィングを貼り付けておく。
 2)平坦部の貼り付け
  アスファルトルーフィング類は,裏側に空隙を生じたり,しわが寄らぬようにならしながら密着させる。ルーフィング継ぎ目は重ね幅10cm程度とする。
  絶縁工法の場合の穴空きルーフィングは突き付け貼りとする。
 3)立ち上がり部の貼り付け
  立上がり部,貼り終い部は,下層ほど短くして貼り終うようにして,最上層の端部が厚くならないように納める。 
 4)アスファルトルーフィング貼り終い部の固定
  貼り終い部にはアスファルト含浸メッシュを増し貼りして,アルファルトで目潰し塗りを行い,端部はシール材を塗って納める。
  押さえ金物を用いる場合は両端及び中間を30cm程度でステンレスビス止めとする。
  押さえ金物を用いるない場合は,下地に貼り終い納めの溝を設けておきその中でシールを行う。
 f.防水層押さえ保護層の施工
 1)断熱材の施工
  断熱材は最終工程のアスファルトによって敷き並べ固定する。立上がり端部には成形緩衝材を貼り付けておく。
 2)絶縁シート
  フラットヤーンクロス等の絶縁シートは,重ね10cm程度で敷き並べ,断熱材の上に粘着テープで要所を固定する。
 3)保護コンクリート打設
  保護コンクリートは溶接金網を打ち込んで打設し,水下6cm以上の厚みとする。
  伸縮目地は,パラペットや塔屋等の立ち上がり部仕上げから60cm程度の位置及び中間3m間隔程度に設ける。
 4)保護ブロック
  保護コンクリートの代わりにブロックをおく場合は,粗目砂を平らに敷き均し,特記で指定されたブロックを敷き並べる。
 5)立ち上がり押さえ
  レンガの場合は水湿ししたレンガを半枚積み,100mm程度の破れ目地となるように積み上げる。レンガと防水層立上がりの間にはモルタルを充填する。
  空洞コンクリートブロックの場合は鉄筋を約400mm間に入れ,10cm幅で積み上げる。
  鉄筋コンクリート押さえとする場合は,防水層貼り終い上部より鉄筋を出しておき,隙間のないように,貼り終い上部から立上がり部まで一体にコンクリー トを打設する。
 6)貼り終い用成形部品システム利用の場合
  金属・合成樹脂等の貼り終い用成形部品システムを利用する場合は,特記で指定しメーカーの仕様による。


INDEX"
BACK NEXT