Demonstrations of Auditory Illusions and Tricks

〜聴覚デモンストレーション〜
2nd Edition

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W 連続聴効果


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<15> 定常音の場合

 パターン (a) は、典型的な連続聴効果の例である。この音刺激は、持続時間が 2250 msであり、その時間的中央に 150 ms の無音区間を持つ、周波数が 800 Hz で一定の定常音である。その定常音の無音区間には、400 Hz から 1600 Hz (2オクターブ) の周波数帯域を持つ帯域雑音を挿入してある。この定常音のレベルは、帯域雑音のレベルよりも 5 dB 低く設定してある。このパターンの立ち上がり時間、立ち下がり時間は、パターンの両端部分はともに 200 ms で、その他の部分は全て 3 msである。帯域ノイズの背景には定常音が存在していないにも関わらず、この音刺激は定常音が連続しているように聞こえる。パターン (b) は、パターン (a) と同様であるが、帯域雑音のうち、566 Hz から1131 Hz までの周波数帯域 (1オクターブ) が除かれている。この音刺激を注意深く聞くと、定常音が無音区間によって分割されていることを聞き取ることができる。パターン (c )は、パターン (a), (b) と同じ定常音が単独で呈示される。

Warren, R.M. (1999).
Auditory Perception: A New Analysis and Synthesis.   Cambridge: Cambridge University Press.  

Fig.15-1 Fig.15-2 Fig.15-3

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<16> グライド音の場合

 パターン (a) に、連続聴効果の他の例を示す。この音刺激は、 200 Hz から3200 Hzまで、2550 msかけて上昇するグライド音の時間的中央に存在する 150 ms の無音区間に、400 Hz から1600 Hz (2オクターブ) の帯域幅を持つ帯域雑音を挿入したものである (グライド音の周波数変化速度は、対数周波数軸上で一定である)。このグライド音の無音区間の直前における周波数は約 650 Hzで、直後の周波数は約 985 Hzである。グライド音のレベルは、帯域雑音のレベルよりも 5 dB低くしてある。このパターンの立ち上がり、立ち下がりの時間は、パターン両端部分はともに200 ms で、その他の部分は全て 3 msである。帯域雑音の背景にはグライド音が存在しないにも関わらず、この音刺激はグライド音が連続しているように聞こえる。パターン (b) では、パターン (a) と同様のパターンであるが、帯域雑音のうち、566 Hz から 1131 Hz までの周波数帯域 (1オクターブ )が除かれている。この音刺激を注意深く聞くと、グライド音が無音区間によって分割されていることを聞き取ることができる。パターン (c) は、パターン (a), (b) と同じグライド音が単独で呈示される。

Ciocca, V. & Bregman, A.S. (1987).
Perceived continuity of gliding and steady state tones through interrupting noise.   Perception & Psychophysics, 42, 476-484.

Fig.16-1 Fig.16-2 Fig.16-3

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<17> 周波数に跳躍のあるグライド音の場合

 このデモンストレーションは<16>の変形パターンであり、<16>で用いられたグライド音とは異なる周波数変化をしている。1つ目のグライド音は、200 Hz から 566 Hzまで上昇し、150 ms の無音区間を挿んで、2つ目のグライド音が1131 Hz から 3200 Hz まで上昇する。パターン (b) では、1つ目のグライド音が、帯域雑音の空白部分の下限周波数付近で終わり、2つ目のグライド音は上限周波数付近から始まる。この場合、グライド音の周波数が、無音区間を挿んで跳躍しているにも関わらず、<16b>よりもグライド音が継続して鳴っているように聞こえることが多い。

Fig.17-1 Fig.17-2 Fig.17-3

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<18> 後行性時間伸長錯覚

 パターン (a) と (b) では、800 Hz、200 ms の純音が、2回続けて呈示される。パターン (a) では、その2つの純音のうち最初に呈示される純音の直前に、純音よりレベルが 12 dB 高い 400 Hz 〜 1600 Hz の帯域雑音が挿入されてある。全ての純音の立ち上がり、立ち下がりの時間は 6 ms で、帯域雑音の立ち上がり時間は 200 ms、立ち下がり時間は 3 ms である。パターン (b) では、対照条件として、パターン (a) と同様の純音が帯域雑音無しで呈示される。パターン (a) では、帯域雑音に隣接している純音の持続時間が過大評価される傾向がある。この場合、純音の立ち上がりの部分が、知覚上補完されていると考えられる。

Simons, M. (1995).
Time-swelling: an incomplete heterophonic induction in a non-repetitive design.   Unpublished Master's thesis, Leiden University.

Fig.18-1 Fig.18-2

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<19> 音楽における聴覚的補完

 パターン (a) では、モーツァルトの「トルコ行進曲」のメロディーの音符の1つがピンクノイズで置き換えられている。われわれの聴覚システムには、メロディーの流れに従って失われた音を補完する機能があり、このパターンでは、メロディーと雑音が互いに分凝して知覚され、雑音の位置を判断することが難しくなる。パターン (a) の後半部では、前半部でピンクノイズに置き換えた音符を取り除いてある。パターン (b) では、メロディーの 8 番目、または 7 番目の音符が全てピンクノイズに置き換えられている。複数の音符が置き換えられても、一貫したメロディーを聞くことができる。この傾向は、聴取者が一連の雑音に注意を向けているときにほど、明らかである。

Sasaki, T. (1980).
Sound restoration and temporal localization of noise in speech and music sounds.   Tohoku Psychologica Folia, 39, 79-88.

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