文部科学省所管の国立青少年教育施設は、自然体験活動をはじめ、青少年に体験学習の場を提供するナショナルセンターですが、最も新しい施設で 33年、古い施設では 60 年以上が経年していることもあり、現代にそぐわない、ジェンダーバイアスのあるグラフィックエレ メントで表現されたピクトグラムが存在しました。
更に、学齢期の子ども・障害児・外国人など多様な利用者を受け入れる施設であるにも関わらず、特に理解度においてインクルーシブな視点が盛り込まれていないという課題がありました。
そこで、これらの課題を解決するため、現地調査及び小学生 37 人・障害がある子ども 27 人・外国人 42 人、合計 106 人を対象にピクトグラムの理解度調査を実施し、結果を分析し、国立青少年教育施設において活用するためのピクトグラム を開発しました。

図 最終提案したピクトグラムのデザイン一覧 全 20 項目
Note: 「ゲストハウス」は、理解度調査の結果及び他の項目との調整から JISの「ホテル」を採用しました。そのため、実際の開発は19項目でした。
本研究は、独立行政法人国立青少年振興機構国立阿蘇青少年交流の家との共同研究「国立青少年教育施設における教育機能向上を目的とした設備等の充実-ピクトグラムとサインのインクルーシブデザイン」の研究費によって遂行されました。調査にご協力頂いた皆様に深く謝意を表します。