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博士後期課程2年生金子千聖さんの研究論文が、日本デザイン学会研究論文集第72巻第1号に掲載されました。

「就学前幼児の日本産業規格JIS案内用図記号の理解度」金子千聖・工藤真生

(要旨) 本稿は,幼児のシンボル機能の獲得段階とピクトグラム理解の関係の解明のため,第一段階として,幼児のピクトグラム理解の現状を明らかにすることを目的とする。そのために,就学前幼児4〜6歳を対象に,国内標準規格である日本産業規格JIS案内用図記号の視認経験と意味内容を問う理解度調査を行い,幼児の理解度と各年齢の傾向,誤答内容を分析した。結果,16項目中12 項目のJIS のピクトグラムの理解度が低いことが明らかとなった。また,4,5歳と比べて6歳で理解度が向上する項目があることがわかった。誤答では,「自動販売機」を「お金」,「立入禁止」を「人がいる」などの回答があり,幼児はグラフィック要素を統合せずに認識していることが示唆された。よって,概念的・抽象的な性質を持つピクトグラムにおいて,幼児が大人と同様に理解することは難しいことが明らかとなり,多様性を包摂したデザインの検討が必要であることを指摘した。

全文は以下よりご高覧ください。

DOI: https://doi.org/10.11247/jssdj.72.1_39