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国際木彫シンポジウム(台湾) 
(2008年8月22〜8月31日/苗栗県三義郷西湖)

9ヶ国から14人の作家が集まって、苗栗の自然の風情をテーマに木彫制作に取り組みました。→完成作品

"International Wood Sculpture Symposium 2008"

台湾の苗栗県三義で国際木彫シンポジウムが開かれた。実質1週間で2〜4mの木彫を彫ることがノルマ。ハードな毎日である。

開会式でチェーンソーを入れる係だったが、支えの台が倒れて大変だった。丸太リレーや、短時間でチェーンソー彫刻を作る競技があった。(知足は免除させてもらえた)会場で台湾の女性彫刻家と友達になり、筆談でコミュニケーションする。

台湾の彫刻家・林文海氏がオーガナイザーである。細部まで心配りが行き届いている。彼の学生さんたちも、作業後の掃除ななどを手伝ってくれてありがたい。このように彫刻だけに集中できる生活は、日本では味わえない。(特に子育て中なので)私のスペースに垂れ幕がはってあって驚いた。

西湖(シーフウ)という湖周辺の公園が会場。美しく整備されていて、気持ちのよい風が吹き抜ける。思ったより蚊も少ない。

木とチェーンソー以外は自分で道具を調達する。時間がないので、木取りもギリギリのライン。緊張感がみなぎる。汗だくである。

最初に考えていたイメージ。シンポジウムの意向として「苗栗の自然の風情」をテーマにすることが義務づけられている。会場で手の形を変更した。モデルは私の子供達である。子供を残しての初めての長期出張だったが、制作中はそばにいるような気がしていた。

9:00から18:00まで、ひたすら木槌をふるう。夕方には腕が筋肉痛で棒のようになる。観光客の中には日本語が話せる人が多い。日本統治時代のなごりである。

3日目もノミをふるう一日。観光客たちがびっくりするほど間近にきて見物。周囲の視線を感じながらの制作は、作家としてやりにくいものである。

隣の制作スペースのエミルさん。4mの材料に取り組んでいた。いろんな国の作家の道具類が勉強になる。とはいえ、のんびり観察している暇はなく、ひたすら制作。

午後は三義木彫美術館を訪れる。木彫だけの美術館は世界で一つらしい。戦争時、楠がたくさんとれる三義地方に日本人が木彫産業を興したそうだ

夕食後、三義の作家達のアトリエ訪問。バルラッハのような表現主義の作家や、象形文字を彫刻にする作家。それぞれ作風を持ち、制作が生活と密着している。このシンポジウムは互いの違いを認め合おうという姿勢が随所に感じられ、地域の作家と招待作家たちとの交流はとてもうまくいっていた。

安国(アンクォ)という台湾の作家が、ウーロン茶を入れるのがとても上手で、午後4時頃になるとお茶を入れてくれる。香りが高く、本当においしい。小さなカップに何度もついでくれる。

食事中などに他の国の作家達と話すと勉強になる。地球規模の社会問題、各国の内情や芸術的コンセプトなど、みな意識が高い。3日に分けて各作家のプレゼンがあり(pptなどで)大変興味深かった。知事が私の作品を気に入ったとのことで、会議室に置きたいと言っていたそうである。しかし作品は三義木彫博物館に所有権があり、設置場所は美術館側の判断によるようだ。

ひたすら作業の毎日をへて、8月31日をむかえる

各作家の作品。(場所順)

実質1週間の時間で、みなよく仕上げたと思います。お疲れ様でした。→知足の完成作品

無事、閉幕式!

閉会式後、三義にある山の頂上に遠足。白い雪のような花が咲いていて美しい。

最後の晩餐。ギターの弾き語りがありました。毎食野菜がたくさん入った食事をいただき、元気が回復しました。実りある出会いに感謝がつきません。謝謝。

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