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「エルフ」制作風景

絵本「かたあしだちょうのエルフ」のイメージを鉄と木で作ろうと思います。まず鉄の素材で。南動物園にデッサンに行きました。 オーシャンカートランドにもダチョウがいるということで取材。とにかく目が大きい。ダチョウは走鳥類で恐竜時代の生き残りらしいです。

チョークで床にデッサンを描いて、鉄棒でアウトラインをとっていきます。一つ一つハンマーで打って曲げます。 制作時の支えを15mmの鉄棒で作ります。最後に取り除きます。
ダチョウの足は爪が2つしかありません。進化の過程で他の鳥類は爪4つになったそうです。 また脚が非常に丈夫で、2時間ぐらいは走れます。脚を太めに作ります。
脳より眼球が大きいダチョウ。一度目を付けましたがどうしても気に入らず、もう一枚上から鉄板を叩きだしたものを溶接します。 お世話になっているアーク溶接機とアセチレン溶接機です。
アークで溶接した部分を、アセチレンと溶接棒でならしていきます。これ以上鉄をつけるとうるさくなりそうなギリギリのところでやめます。 台座を作ります。かなり反りがでている板でしたが、カンナをかけると美しい肌がでて感動でした。オイルステインをかけて仕上げます。
本当は漆が大好きなのですが、かぶれる体質なのでカシューで塗装します。その後トノコをかけます。蝋型鋳造の湯道からヒントを得たマチエールです。 ブロアーで飛ばしてトノコをかけようとしますが、飛びすぎて困りました。技官の笠原さんが鉄製の網を貸して下さり、細部までトノコをかけることに成功しました。

完成作品「エルフ」

どこで完成か、という決定が一番難しいです。英文学教員の「シェークスピアの戯曲は、これ以上付けてもだめ、これ以上とっても駄目という言葉で構成されている。だから完成している」という言葉を思い出します。必要最小限の構成にするために、かなり緊張して仕事をしました。

10.7.15 九州大学 知足美加子

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