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現代GP/大地,生命,農業と芸術の融合による新教育プログラム創出に関する調査・ワークショップ

2008年度計画(案)

九州大学芸術工学研究院 知足美加子

→20年度講演会「未来につづく道/田中優、普川容子、波平恵美子 」

→19年度アートプロジェクト完成図現代GPホームページ

→参考:これまでの農と芸術の協働「橘の響き」「命の根」

 目標

 現代GPプログラム「地域環境・農業活用による大学教育の活性化」の一環として「大地,生命,農業と芸術の融合による新教育プログラム創出」がある。このテーマについて今後3年間調査を行い、全学教育として教育プログラムを構築しなくてはならない。

 授業形態は少人数セミナーを予定している。授業の中心軸は環境問題・世界貧困問題への意識喚起を芸術活動を通じて行い、問題解決の糸口を創造的に構築する力を養うことである。

 このプログラムは意識を深める手段として、芸術活動を用いる点を特色とする。これは個人的表現に特化したものではなく、地域と学生を結びつけることを主眼とした創造活動(アート・プロジェクト)である。受講者自身が問題を主体的に考え行動し大地と生命を尊重する心を養うことを目標にする。

 

 

 概要

 シラバス案

 物質中心の社会システムが温暖化(自然破壊や運輸によるCO2排出)・世界貧困(債務問題)などの深刻な社会問題を生み出している。次世代のために私たちは持続可能な社会を取り戻さなくてはならない。そのためにはまず「地球危機」とよばれる社会的局面を、できるだけ実感を持って把握する必要がある。各専門家の講義によって、問題を多角的に認識する。

 次に受講者は講義内容を咀嚼し視野を広げ、チームごとにアート・プロジェクトを企画する。プロジェクトを実行するためには、地域の人々に働きかけ、コミュニケーションをとる能力が必要とされる。またチームで仕事を成し遂げる困難を乗り越えなければならない。

 20年度の調査では「地球危機」に関する諸問題と自らの意識を結びつける手だてを探る。講義の中で主に以下のような切り口について受講者に問題提起を行う。

「環境破壊・温暖化を引き起こす社会システム(田中優氏)」

「農と命に関する文化人類学的考察(波平恵美子氏)」

「世界貧困と債務の関係  (普川容子氏)」

 (実際の授業ではこれに 

「土とは何か−科学的認識からのアプローチ(金澤晋二郎氏)」

「ポストコロニアル状況と芸術文化の関係(知足美加子)」を加える)

 19年度はアート・プロジェクト「未来につづく道−土を感じて歩こう」をハーブガーデン(前原市)で行った。20年度は、実行可能なプロジェクトのひな形を増やしたい。知足が提案するものだけでなく、学生発案のプロジェクトを行う予定である。