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講演会「未来につづく道」
第1回 田中 優 氏  未来バンク事業組合理事長
「環境破壊・温暖化を引き起こす社会システム」
大地、生命、農業と芸術の融合による教育プログラム
(九州大学現代GPの一環として)現代GPホームページ

→テープ起こし →講演会案内 →講演のコメント →ちらし(表) (裏)

参加者の感想より
 

参加総数 52名 (うち回答者数32名)

満足

25人

78%

やや満足

5人

16%

普通

2人

6%

やや不満

0人

0%

不満

0人

0%

 

 ・    講演内容に関する全ての認識が変化し、新たな気付きを全ての人に知ってもらいたいと思った。今後の自分のアウトプットの方法を探し、自分を表現していきたい。(芸術情報設計4年)

・    地球温暖化に問題に対する危機感の無さよりも、危機感を持っていなくても生活に何の支障をきたしていない状況に恐怖します。(芸術情報設計4年)

・    今まで環境問題を経済の視点で捉えたことがありませんでした。違った視点で物事を捉えることにより、解決策を導き出せるのではないかと感じました。今回は環境問題がテーマでしたが、どんな問題に対しても『ナナメの発想』いわゆる今までに無い発想というものが不可欠だと思います。(芸術工学部)

・    1対1の合理が全体の不合理となっていることに気づいた。これまでは利権によってかなりバイヤスのかかった情報を得ていた。ヨーロッパでは利権を崩して新しいシステムが動こうとしているが、まぜ日本は利権を崩せないのだろうか。(生物資源環境科学府)

・    個人の努力では乗り越えられない社会システムがあることに憤りを感じました。しかし同時にその社会システムを変えることができるのは個人の力であることにも気づきました。小さな一歩が大きなムーブメントを起こすことを頭において、日々の生活を送りたいと思います(デザインストラテジー専攻)

・    緑に恵まれた日本ではまだまだ危機感が薄く、どこか楽観的、他人事に感じているように思った。私たちのお金が知らずに軍事に貢献していることがかなりショックだった。平和と環境保全は切り離せないことを知り、エコ活動とともに平和を訴えていくことも大切だと感じた。(環境設計学科)

・    CO2削減の過程で、戦争をなくすことができるとは到底考え付かない発想でした。視点を変えることがいかに大切か感じました。(環境設計)

・    CO2は出してから100年間は大気中に残るというのは驚きました。新しい発想やアイデアを宣伝すれば省エネに取り組む人は多くなると思う。(環境設計)

・    この10年がポイントだということ、つまり私たちの世代にかかっているのだと思います。これから10年は何が起こるのか、その後はどんな世界になるのか、イメージが先行して危機感が薄いような気がします。自分ではそういう現状にどうアプローチしていくべきか考えてみたいです。(芸術工学部)

・    田中さんの本も読みましたが、それよりはるかにインパクトを受けました。知らなかったこと、気づいたことばかりです。漠然と考えていたこれからの仕組みのつくり方が、タテ・ヨコ・ナナメで示されていたのが最も衝撃的でした。本当にありがとうございました。(文学部)

・    世の中は数字のトリックやうそが多いようで気をつけたいです。世界は多様に関わり合いぐるぐる回っている。お金という身近なものから説明されると具体的でわかりやすかったです。(画像設計)

・    働けば働くだけ生産消費が増え、環境を悪化させる社会でない生き方が求められると思います。私は、自分を主体として生きるために専門性を学習しているのだと思います。信頼できるデータをどこから集めるのか、信頼できる内容かどうかどう判断するかが大切だと思います。(画像設計)

・    家庭で節電しなくては!と強く思っていましたが、社会の仕組み、軍事費用や原子力発電の問題などを聞いて目からウロコでした。まずは問題に対して、その原因を明らかにすることの大切さを感じました。今日聞いたことを、学校や家で話したいと思います。(一般・20代)

・    環境問題は知っていることが多かったのに、目をつぶっていたことばかりです。省エネのための融資などアイデアの実践の必要を感じました。とにかく忘れないうちに人に伝えようと思います。(一般・40代)

・    希望を持てる内容で元気になりました。生まれて初めて「(エコ的な発想の)家を持ちたい」と思いました。(一般・40代)

・    「戦争反対をしない環境保護はありえない」という信念を持つ田中氏が講師の講演会。マスコミが伝える家庭でのエコ対策よりも、企業の節電対策が重要だと話題にされたときから、会場がぐいぐいと惹きつけられていくのを感じました。たまに飛び出すユーモアにも気付かないくらい、真剣に話に聞き入っていました。学生へ、「どんなことをアウトプットできるかを見つけて表現していくことが、生きた証になる」というメッセージを残してくれました。学生からもたくさんの質問があり、田中氏の生き方が現代の若者にとって刺激的に映ったようでした。日常生活を通じたエコへの取り組み方法もわかりやすく解説していただき、実践しやすい内容でした。(大学職員)

5月30日18:30〜

田中 優(たなか ゆう)

1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在「未来バンク事業組合」 理事長、「日本国際ボランティアセンター」 「足温ネット」理事、「ap bank」監事、「中間法人 天然住宅」副代表を務める。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。  著書(共著含む)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『どうして郵貯がいけないの』(以上、北斗出版)、『非戦』(幻冬社)、『Eco・エコ省エネゲーム』『戦争をやめさせ環境破壊をくいとめる新しい社会のつくり方』『戦争をしなくてすむ30の方法』『世界の貧しさをなくす30の方法』(以上、合同出版)、『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』(岩波書店)『地球温暖化/人類滅亡のシナリオは回避できるか』(扶桑社新書)『おカネで世界を変える30の方法』(合同出版)『今すぐ考えよう地球温暖化!1〜3』(岩崎書店、子ども向け)

 

九州大学は、地域の人々と関わり風土を慈しむ心を養う学生教育プログラムを始めました。自分が生きる土地のものを食べる「地産地消」は、単に健康のためだけではありません。温暖化や世界貧困などの社会問題に深く関わっているのです。「地産地消」につながる世界的社会問題や文化的背景について学び、未来につづく道を共に探しましょう。

現代GP(Good Practice)とは、優れた大学教育プログラムを支援する制度です。九州大学・現代GP「地域環境、農業活用による大学教育の活性化(大地、生命、農業と芸術の融合による教育プログラム)」の一環として3回の講演会を行うことになりました。次世代のために、心を見失った物質中心の社会システムを改善し持続可能な社会を取り戻さなければなりません。そのためにはまず温暖化や世界貧困を生み出す社会のあり方に目を向け、それらが私たちの「食」や「地産地消の農業生産」に結びついていることに気づく必要があります。受講者自身が問題を主体的に考え、創造性豊かな提案と行動する力を養うことを目標にしています。大学生と、地域の方々が共に学ぶ新しいプログラムです。

→参考:未来につづく道「橘の響き」「命の根」

九州大学大学院芸術工学研究院 知足(ともたり)美加子

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