Home  知足美加子
九州大学全学教育/少人数ゼミナール
第4,5回 命のあり方、尊さと食の連関
木村浩子氏講演「命の尊さと土」(沖縄「土の宿」経営)

受講生調査発表

大地、生命、農業と芸術の融合による教育プログラム
→授業感想  →第2,3回授業風景 (九州大学現代GPの一環として)現代GPホームページ
木村浩子氏(72才)は脳性麻痺をもつ画家です。沖縄とオーストラリアに民宿「土の宿」を経営し、平和と福祉の実現をめざしています。

土はすべてを受け入れ、つなげていく。土の宿は、障がいをもつ人もそうでない人も、共にすごすことを大切にしています。「ほんとうの福祉とは、心と心のつながりから始まる」と、一言一言、絞り出すように全力で語りかける木村氏。受講者は驚くほどの集中力で、木村氏にむきあっていました。障がい者としての戦争体験など、数々の困難を越えた言葉はリアルに心に届くのです。それだけでなく、言いようのないあたたかさを彼女から感じている受講者は多かったです。市民大学受講生(地域の方々)からの質疑応答も活発でした。様々な経験を持つ人々が共に学ぶことで、想像の幅は広がり分かち合えることを改めて実感しました。

木村浩子講演会

受講者感想

→第2,3回授業風景

木村 浩子(きむら ひろこ)

1937年生まれ。2歳の時、脳性麻痺と診断される。僅かに動く左足で短歌、編み物、水彩画などに挑戦し、絵画に生きる道を見い出した。活動は国内だけに止まらず海外でも活発。戦争に異を唱え、1983年より沖縄で「土の宿」を主宰している。障害者と健常者が共に暮らし、助け合うことによって互いの生活を高める 居住空間を世界中に普及させ、「心と心の通い合い」を重視した「介助」を実現する事を目指している。

著書に「おきなわ土の宿物語」(小学館)、誌画集「わらべ その詩」(障害芸術家協会他)

「私にとって絵を描くことは、私の存在そのものです。一人で歩くことも座ることも出来ない私は、唯一動かせるのは左足先だけです。そのため、風景などのスケッチは出来ません。でも、内面にある「私の世界」は描けます。人間はすばらしい可能性を持っています。その内の一人の私が、今ここに生きているのです。
 そして、私はこよなく平和を愛しています。平和でないところに、すべてのことは考えられず成り立たないからです。芸術も福祉も、また私の存在すらも無になるからです。今を生きている私に出来ることは、それは平和を愛し創造する「私の世界」を描き続けることです。

(口と足で描く芸術家連合HPより)


命の概念を「つながり」という感覚でとらえなおし、命によりそう社会とは何かを学生たちは思索しました。風土や時間をテーマにした作品制作や、農園コンサート。スロー・フードの実践者、障がいをもつ当事者との出会い。目を背けたくなる社会問題に、学生達は心を開き、調査・発表を行いました。感じることから始まるリアルな「知」が、彼らに根を生やしていくにつれ、私の中の「未来」が鮮やかになっていくように感じました。(知足美加子)

受講生調査発表

(世界貧困、環境問題、障がい者問題、先住民と文化、動物福祉)

受講者感想

→第2,3回授業風景

すばらしい受講生の方々でした。出会いに感謝です(知足)

Home