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講演会「未来につづく道」
第2回  普川 容子 氏  (特活)アジア太平洋資料センター理事
「世界貧困と債務の関係」
大地、生命、農業と芸術の融合による教育プログラム
(九州大学現代GPの一環として)現代GPホームページ

→テープ起こし  →講演会案内 →講演のコメント →ちらし(表) (裏) 

参加者の感想より
 

参加総数 43名 (うち回答者数14名)

満足

9人

65%

やや満足

4人

28%

普通

0人

0%

やや不満

1人

7% 地域や市民対象にもっと多くの人が聞ける環境で行ってほしい

不満

0人

0%

 

■講演会感想

ODAの一部が貸付であったことを知らなかった。

貸し付け条件としての構造調整が、地産地消を崩していることが驚きだった。(工学府・男性)

世界規模での貧困や債務を考える前に、自国のもっと身近なところでの問題を考えていくことが、世界の問題を解決する道筋だと思いました。(情報設計・女性)

債務返済で問題がある部分は、さかのぼって監査すべきであるし、基本的人権を奪ってまで返済を迫るべきではない。また、利益を受けていないものが、債務を負うべきではないと思う。(一般・70代・男性)

自国の食べるものは自国でまかなう仕組みが必要。「お金」で解決する以外の方法を提案できないものか。(一般・50代・男性)

日本が「ベニスの商人」のシャイロックとして見られないよう背筋を伸ばし直さなければ。(一般・50代・男性)

これほどお金で世界が動いているというのは、実はものすごく異常なことなのかもしれません。「1日1ドル以下」の基準とは関係なく、豊かな生活を営んでいた所まで、世界経済の暴力に巻き込まれていることを思うと、私自身にも決して無関係ではない問題だと思いました。(学生・女性)

経済・食べ物・命・・・世界の循環という見直す必要がある。(芸術工学府・女性)

債務の問題について知らなかったことを聞けてよかった。学校では「貸付」にしているのは「贈与だと相手国のやる気がなくなるから」だと習いましたが、逆に負担となっていると知り、ショックを受けました。(一般・10代・女性)

命を削ってまでの負債は、やはりおかしいと強く思います。あまりに大きな問題で呆然としますが、まずは知ることと、それを伝えていくことが私の出来ることかと思う。(一般・40代・女性)

世界の貧困が債務によるものだということを、今日初めて知りました。中学・高校でこの問題について学びましたが、債務について触れられることは全くありません。ぜひ高校などで講演をしてほしいです。(高校生・女性)

国対国の問題の実態は、潤う特定の企業と、犠牲になる市民という図式になっている。経済・貨幣のあり方に壁の厚さを感じ、自分の出来ることを考えたいと思う。(一般40代・女性)

■アートワークショップについての感想

とても美しくクリスマスの気分になりました。

灯火を置き換えることと、講演のテーマとの結びつきが世界的な視点で面白い。地産地消や自産自消と身の回りのことと合わせて考えたい。

とてもシンプルですが、わかりやすかったです。もう少しゆっくり見ていたかった。

ぱっと見て「かわいいな」と思いましたが、意味を知って、深いなあと感じました。

全員でという感じがあるともっと良かったと思う。

深遠さが内包されています。

面白い伝え方だと思う。

世界の貧困を考えるきっかけになると思う。

10月10日18:30〜

普川 容子(ふかわ ようこ)

一橋大学法学部国際関係課程卒業。London University, School of African and Oriental Studies  (SOAS) ディプロマ課程卒業。University of East Anglia(UEA), School of Development Studies 修士課程修了。エッソ石油財務調査本部勤務、NGO「ヒューメイン・インターナショナル・ネットワーク」事務局長代行、ジュビリー2000債務帳消し日本実行委員会広報担当等を経て、(特活)アジア太平洋資料センター理事。主な著書・論文に「トルコ人女性が向き合う二重の壁」(内藤正典編『トルコ人のヨーロッパ〜共生と排斥の多民族社会〜』明石書店)「米国/EU 遺伝子組み替えをめぐる貿易紛争」(月刊『オルタ』2004年2月号)「インド・ケーララ発 市民力 −IRTCの取り組み」(月刊『オルタ』2004年8/9月号)「GATS サービス貿易の自由化」(月刊『オルタ』2004年12月号)「IMFと世界銀行: 日本のかかわりを知っていますか?」(『NI-Japan』2004年3月号)『徹底検証ニッポンのODA』(共著、コモンズ)

 

九州大学は、地域の人々と関わり風土を慈しむ心を養う学生教育プログラムを始めました。自分が生きる土地のものを食べる「地産地消」は、単に健康のためだけではありません。温暖化や世界貧困などの社会問題に深く関わっているのです。「地産地消」につながる世界的社会問題や文化的背景について学び、未来につづく道を共に探しましょう。

現代GP(Good Practice)とは、優れた大学教育プログラムを支援する制度です。九州大学・現代GP「地域環境、農業活用による大学教育の活性化(大地、生命、農業と芸術の融合による教育プログラム)」の一環として3回の講演会を行うことになりました。次世代のために、心を見失った物質中心の社会システムを改善し持続可能な社会を取り戻さなければなりません。そのためにはまず温暖化や世界貧困を生み出す社会のあり方に目を向け、それらが私たちの「食」や「地産地消の農業生産」に結びついていることに気づく必要があります。受講者自身が問題を主体的に考え、創造性豊かな提案と行動する力を養うことを目標にしています。大学生と、地域の方々が共に学ぶ新しいプログラムです。

→参考:未来につづく道「橘の響き」「命の根」

九州大学大学院芸術工学研究院 知足(ともたり)美加子

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