「山犬テリー」 

Wild Dog Terry

 英彦山に住む父の家には、テリー(定光射)という名の北海道犬がいる。東日本大震災があった2011年に生まれた犬である。先祖代々大切にされてきた実家の畑や花壇が、近年、鹿や猪による深刻な被害を受けるようになり困っていた。アイヌの方々の狩猟に用いられていた北海道犬は、その匂いがするだけで鹿がよりつかなくなるという。そこで父にテリーを贈った。豊かな自然と美味しい山水に囲まれ、山を駆け回りながら伸び伸びと彼は育っている。私や子供達にもよく懐いてくれて、本当に愛らしい。

 テリーのおかげで、鹿は近寄らなくなった。テリーが単身で鹿を仕留めたこともあり、その鹿肉が自宅に送られてきたことがあった。弾丸のように疾走するテリーは、生命力そのものである。走り抜けるスピード感を表現するために、鉄の素材を用いている。もう一体、テリーの作品を制作する予定である。

Dogrun & school 「うえらんから糸島」 に作品を寄贈しました。 

「うえらんから糸島」(福岡県糸島市志摩小金丸1946-6)の松崎さんご夫妻、MOTHER'S DOGSの前田さんと研修生の方、私の家族で力を合わせ、作品と台座を車から降ろし設置しました。ご協力ありがとうございました。 「うえらんから」という言葉はアイヌ語で「あなたの心にそっとふれる」という意味だそうです。北海道犬をモデルにした作品なので、ご縁を感じました。 ここは犬の総合的なケア(運動や教育)を行っているところです。緑豊かな美しい環境内を、喜びにあふれて走る犬達の姿があります。居心地のよい空間で、犬だけでなく、飼い主もデトックスしているのではないでしょうか?
「うえらんから糸島」のログハウス内で、お茶をごちそうになりました。みなさん、動物福祉に関して高い意識をお持ちで、それを実践されていらっしゃる方々です。 室内には高価なオルゴールがあります(黒田さんという方のご厚意)。人や犬をオルゴール療法で癒すためのものだそうです。CDとは違う、振動としての音を体感しました。 松崎さんが、糸島の無農薬野菜をプレゼントしてくださいました。どれも甘みがあり、とても美味しかったです。
松崎さんご夫妻は保健所から引き取った犬を含め、3匹の犬を飼っていらっしゃいます。そのうちのハーバーという犬に、彫刻が似ていました。設置された彫刻が、素晴らしい環境の中で、のびのびしていると感じました。みなさん、どうもありがとうございました。(2013年7月6日)

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