「未来につづく道 ー土を感じて歩こう」ができるまで

2008年3月22日 ハーブガーデン・プティール倶楽部にて

作品コンセプト完成図アンケート新聞記事現代GPホームページ

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前日に農学部実験農場からハーブガーデンへと彫刻を移動。武田さん、内田さんご協力ありがとうございました。 ユニック車のパワーに驚きました。ハーブガーデンの散策路に彫刻を設置。遠方に見えるのは可也(かや)山。
当日、ワークショップ前に既に乗馬する子ども達。作家としては嬉しいです。 ハーブハウス(温室)内で、ワークショップ開始。参加者は3才から70才代の年齢層の幅。(当初「大学生と小学生」という設定で計画していた)思わぬ展開で、世代間交流の場に。
木製のキューブを上面は今の自分、東面は未来の自分、西面は過去の自分、北面は先祖とのつながり、南面は次世代とのつながりをイメージして彩色します。
時間軸をイメージするのは難しいです。予想に反して、みなさん抽象的な模様を描いていました。(べた塗りが少ない)
違う世代の人々との制作を通じての交流は、学生にとってはいい経験。よくサポートしてくれてました。
かなり集中して制作しています。このグループの子ども達は早く仕上がってました。芸工の学生さんの絵はさすが違いますね、というご意見もありました。
技術サポーターの椙山さん。絵の具をドライヤーで乾かしてくれています。

小さな子供のサポートをしてくれた学生たち。お疲れ様。

地球への手紙」を穴に詰め、鉄の棒を差し込みます。 散策路に移動して、手紙をつめた自分の作品を1m間隔で設置していきます。
あいかわらず、彫刻への乗馬は人気。子ども達を抱えてくれているのは、現代GP代表の中司敬教授(農学研究院)です。 散策路への設置を、参加者の方と大工さんがもくもくと手伝ってくれています。

「未来につづく道」

(作品説明プレートの内容)

九州大学は地域の人々と関わり風土を慈しむ心を養う学生教育プログラムを始めました。(現代GP:教育改革のための取組)そのひとつが、芸術活動を通して環境や生命、心について考えるアート・プロジェクトです。

 今回のワークショップは、まず木製のキューブに色を塗ります。上面は今の自分、東面は未来の自分、西面は過去の自分、北面は先祖とのつながり、南面は次世代とのつながりをイメージして彩色しています。また場への思いを手紙にして、キューブに内包します。そして自分が制作した作品を、散策路に設置しました。

 さらに等身大の馬の彫刻を設置し、乗ったり触ったりしながら鑑賞しました。(馬は“ゆっくり歩いていく”というイメージの象徴です)馬の上から自分の思いをこめた作品が、可也山と青空に繋がる光景を眺めました。

 このワークショップは時間の中で、空間の中で、つながりの中で「ここにいる今の自分」を確かめるための第一歩です。私たちは今すべてが共存する「未来につづく道」を踏みだそうとしています。風を感じ、歩く速度で、ゆっくりと。

 作品が設置された場は、かけがえないものに変わります。自分の意識と時間をこめた作品は、たとえ小さくても自己の分身のようなものです。「精神的なつながりが、人とモノ・環境との間に生まれる」− そのことが、環境問題を考える上での第一歩なのではないでしょうか。作品に内包された「地球への手紙」は祈りのような敬虔さをもって書かれていたようです。→アンケート

 人々の心に宿る良心を感じ、私自身とても励まされました。

 かけがえのない場とそれを慈しむ意識が、世界の隅々まで広がってほしいそう祈っています。

知足美加子

ご協力に心から感謝申し上げます

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