研究室紹介PDFファイル(3年生向け)
概要
本研究室では、人間の生活を豊かにする製品の研究開発をおこなっています。代表的な製品は、育児支援のための揺動型ベビーベッド「スイマ(suima)」です。この製品は、母親の生活を豊かにすることを願って開発したものです。
学生には、「誰か一人にでも、ありがたい、助かる、楽しい、便利だ」と思ってもらえるようなプロダクト創出に関するテーマの研究に取り組んでもらいたいと思っています。
何かの設計をしてみたい、機械が好き、プログラミングに興味がある、何らかのソフトウェアを作りたい、赤ちゃんの実験がしたい、ベビーベッドの開発を手伝いたい、認知症予防に興味がある、災害時に使える人力運搬具を開発したいといった学生を募集しています。
担当教員
藤 智亮(Tomoaki Fuji)
九州大学 大学院芸術工学研究院 人間生活デザイン部門 教授
〒815-8540 福岡市南区塩原4丁目9-1
E-mail: fuji [atmark] design.kyushu-u.ac.jp
1969年生まれ。九州芸術工科大学工業設計学科卒業。博士(芸術工学)。学部卒業後、株式会社日立製作所にエンジニアとして勤務。九州芸術工科大学(現・九州大学)助手、助教を経て2015年より現職。著書には『設計者のための慣性モーメント設計計算』(共著、日刊工業新聞社)、『初めて学ぶ図学と製図』(共著、朝倉書店)などがある。
■趣味:バイクや車の改造(外見や音を変える改造ではないです:->)、ソフトボール、F1観戦
詳細は、九州大学研究者情報(藤 智亮)のページをご参照ください。
学生について
現所属メンバー
■修士2年
成田 玲一
■修士1年
■学部4年
田邉 真
萱野 有紀
卒業論文のタイトル(過去の分)
■2023(令和5)年度
・名字の人口分布に関する研究 / 田邉 真
・育児支援のための揺動型ベビーベッドに関する研究 / 萱野 有紀
■2021(令和3)年度
・レトルト食品用パウチの機能向上に関する研究 / 成田 玲一
・ステアリングホイールの形状が操作性に与える影響 / 棚町 悠暉
・筋トレマシンを用いたトレーニングのためのアプリ提案 / 野村 回
■2020(令和2)年度
・自動車における光学透過型ディスプレイ活用の提案 / 斉藤 廉
・ADHD患者のためのスマートフォン用スケジュール管理アプリの提案 / 椎葉 直也
・サッカー用シンガードの形状の提案 / 阿部 圭吾
■2019(令和元)年度
・つなぎの作業快適性向上に関する研究 / 木村 裕太
・スケジュールアプリの予定入力機能改善に関する研究 / 吉野 結衣
■2018(平成30)年度
・初心者をサポートする筋力トレーニングアプリの提案 / 石塚 裕基
・下肢障害児の遊びを創出するためのスポーツ用車椅子の提案 / 園田 浩貴
・モーションセンサによる3次元オブジェクトのモデリングに関する研究 / 種子田 昌樹
・蒸れやかゆみ軽減のための骨折治療用副木を固定するサポーターの提案 / 東 輝
■2016(平成28)年度
・幼児のひらがな教育に役立つデジタルコンテンツに関する研究 / 那須野 航平
■2015(平成27)年度
・リズミカルなパッティング刺激が児に及ぼす影響 / 見上 誠
■2014(平成26)年度
・タンジブルユーザーインターフェースを用いた音楽教材の提案 / 亀岡 瑠璃
■2013(平成25)年度
・背負いやすいランドセルに関する研究 / 内田 翔
・タッチセンサーを利用した児童の座る姿勢を改善する手置き具の試作 / 立井 孝則
■2012(平成24)年度
・インクルーシブデザインにおける気づきデータベースシステムの構築 / 岩本 卓也
■2011(平成23)年度
・揺動機能に着目した次世代の新生児用コットに関する研究 / 勝田 啓亮
・新生児用コットに関する研究 -聴覚刺激が新生児に及ぼす鎮静効果について- / 坂田 智海
■2010(平成22)年度
・機能要素の信頼性向上に関する研究 -玉軸受の玉運動測定に関する一考察- / 東島 宏樹
・災害避難所における被災者の健康維持に関するデザイン提案 / 松隈 祐紀
■2008(平成20)年度
・育児生活に求められるベビーベッドに関する一考察 -「居場所」としてのベビーベッドの提案-
/ 安達 誠寛
就職先(五十音順)
遠藤照明 | デザイナー志望の学生でした |
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鹿児島テレビ放送 | テレビ・広告業界に興味がある学生でした |
起業 | 自分自身の手で何かを企てるのが好きな学生でした |
小松マテーレ | ファッションに興味がある学生でした |
佐賀県三養基郡基山町 | 公務員志望の学生でした |
ジーティービー | ビッグデータ、データ処理に興味がある学生でした |
JR九州 | 社会インフラ系の企業への就職を目指して当研究室にきた学生でした |
スズキ | 人間工学を生かした製品開発に興味がある学生でした |
セイコーエプソン | デザイナー志望の学生でした |
デンソー九州 | 工学部から来た学生でした |
日本電産サンキョー | 電気・電子に興味がある学生でした |
福岡県警察 | 公務員志望の学生でした |
プログレス・テクノロジーズ | デジタルソリューションに興味がある学生でした |
三菱重工業 | 機械工学に興味がある学生でした |
ヤフー | ICTやロボットに興味がありそれらに精通した学生でした |
ヤマハ発動機 | バイク大好きな学生でした |
YKK AP | デザイナー志望の学生でした |
主な研究テーマ
被災者に寄り添う災害レジリエンス情報プラットフォームの構築
■令和2年度 ~ 令和5年度、科学研究費補助金 基盤研究(B)、代表
【研究目的】
本研究は、発災後の復興に着目したものであり、防災に着目したものではない。本研究の大目的は、被災者と自治体職員の災害ストレスを軽減させ、二次災害(災害うつや災害関連死)を防ぐとともに復興を加速させることである。そのために、被災者と自治体職員を支援するための、ICTを活用した情報プラットフォームを構築する。このプラットフォームで管理する情報は、避難所の人(被災者)・物(救援物資など)と、避難所に限定しない災害関連情報(復電の見通しなど)とする。具体的には、まず「人」に関して、時々刻々と変わる避難所の被災者人数を自動的に把握できるようにする。また「物」に関しては、避難所のニーズを自動判断し物資を配送できるようにする。災害関連情報に関しては、被災者・自治体職員・支援者にとって必要な情報を、重要度/発災後のフェーズ/対象者ごとに一元管理して容易に検索できるようにする。本研究ではレジリエンスデザインの考え方により、非常時だけでなく、平常時も活用できるプラットフォームを構築する。
子育て支援プロダクト創出のための科学的エビデンスの構築
■平成27年度 ~ 平成30年度、科学研究費補助金 基盤研究(B)、代表
【研究目的】
児がどのような刺激で鎮静するかを客観的に知ることによって育児の負担が軽減できる。本研究では、まず各種刺激(揺動刺激及び音刺激)に対する児の鎮静効果を科学的に明らかにする。ついでその科学的エビデンスを基に、ぐずる児をなだめるために有用なプロダクトを提案する。提案したプロダクトは、主観と生理値により評価しその有用性を検証する。さらに必要に応じて評価結果をフィードバックしてプロダクトを再設計する。最後に、構築した科学的エビデンスが、児の泣きに対応するために普遍的で必要十分であるかを検討・整理し、本研究を総括する。かつて炊飯器や冷蔵庫が主婦の家事負担の軽減に寄与したように、本研究成果は育児イノベーション創出に寄与する。
認知機能のレジリエンスに関する研究
■平成27年度 ~ 平成29年度、株式会社サムライトとの共同研究、代表・分担
【研究内容】
認知症予防トレーニングの情報収集および調査・分析をおこなう。
物理的サポートに基づく生理評価を伴う育児環境デザイン
■平成25年度 ~ 平成27年度、科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究、代表
【研究目的】
平成22年度の国勢調査によれば、子供を産み育てる全世帯に占める核家族世帯の割合は81.8%である。このことは、8割以上の親が、夫婦または片親のみで孤独に子供を育てなければならないことを意味する。このような社会背景において、子育て支援は急務である。そこで本研究では、親子のコミュニケーションおよび育児の精神的・肉体的負担に着目し、育児環境設計に必要十分なデザイン要件をまとめ、具体的なデザイン(モノ・コト・仕組み)を提案し、生理値による有効性を検証して次世代の育児環境をデザインする。それらを通して、育児環境を快適化するために共通する設計方法を構築・体系化するための基礎資料を得る。
災害時のための人力運搬具に関する研究
■富山大学芸術文化学部芸術文化学科 河原研究室との共同研究
【研究目的】
災害初期に頼れるのは人力のみである。本研究では、災害発生時に自力で移動することが困難な人を背負うための背負子を開発する。まずは40~50歳代の女性が人を背負って徒歩で500mを15分で避難できる背負子の開発を目標とする。
アクセス
■大橋キャンパスへのアクセス
部局Webサイト内のアクセス・キャンパスMAPのページでご確認ください。
■研究室へのアクセス
九州大学 大橋キャンパス 1号館5階502室
※1号館は、
部局Webサイト内のアクセス・キャンパスMAPのページでご確認ください。