《植物の一年時計》 Seasonal Flowering Clock

 

 
2022年5月 2023年4月(1年にわたる移植終了)

→植物一年時計の趣旨等PDF

→GYA学会HPの作品紹介ページ

映像《植物の一年時計》2023ver.

 

 

 これは、植物が1年にわたり順に開花するようデザインされたアートガーデンです。2022年6月に開催されるGYA(グローバルヤングアカデミー学会)「感性と理性のリバランス、包括性と持続性に向けた科学の再生」のために九州大学(伊都キャンパスビックオレンジ前)に制作されました。 九州北部豪雨災害(2017年)の復興支援として「黒川復興ガーデン」を制作したことから発想を得ています。

 このアートガーデンは、九州大学にある「生物多様性保全ゾーン」に自生する在来種を中心に植栽されています。また、方角を明記し、日の出入り、北極星の位置など、星々と自分のつながりを感じるように設計されています。このガーデンは、修験道の曼荼羅のオマージュです。曼荼羅は、大いなる関係性の中で私たちが生かされていることを表現しています。人々の心の中に、自然の循環や時間への想像力を喚起し、現在の植生を将来世代に伝えるものです。

 春分、秋分の日は、真西に沈む夕陽をこのガーデンに立って眺めてほしいです。

 

The plants of this art garden are designed to bloom in sequence over the course of a year.The garden was created at Kyushu University (in front of Big Orange, Ito Campus) for the GYA (Global Young Academy Conference) "Rebalancing Sensitivity and Reason, Revitalizing Science for Inclusivity and Sustainability" to be held in June 2022. It was inspired by the creation of the "Kurokawa Recovery Garden" to support the recovery from the torrential rain disaster in northern Kyushu (2017).They are intended to evoke our imagination about the cycles of nature and time, and to pass on the vegetation of the present to future generations.The plants are native species to the biodiversity reserve of Kyushu University. The garden is also marked with north, east, west, and south, and is designed to help visitors feel a connection to the stars, the sunrise and sunset, and the position of Polaris.This garden is a homage to the Shugendo mandala that expresses that we are all connected and this great relationship keeps us alive. This art garden will evoke in people's minds an image of the cycles of nature and time, and is a way to pass on the vegetation of the present to future generations. On the vernal and autumnal equinoxes, I hope you will stand in this garden and watch the sun set in the true west.

 

 

  花の名前 花の画像 作業風景
1月 January ホトケノザ
2月 February オドリコソウ
3月 March

コスミレ

ヤマヘビイチゴ

カキドオシ

ムラサキケマン

4月 April

ノアザミ

クサイチゴ

5月 May

キンミズヒキ

オヘビイチゴ

6月 June

ツユクサ

トウバナ

ドクダミ

7月 July

ヒメオウジスイセン

ヤブジラミ

ダイコンソウ

8月 August ヤブラン
9月 September ヒガンバナ
10月 October ヨメナ
11月 November ツワブキ
12月 December

シマカンギク

イヌタデ

 

 


			            


【作品制作】
知足美加子

【実行委員】
安田仁奈
岸村顕広

【植物監修】
矢原徹一

【造園】
宗像緑地建設株式会社

【英語監修】
Duncan Butland

【動画制作】
九州大学知足研究室
渡邉慧大、田輝、内藤真星
依田拓海、於保杏咲、伊藤連胆

【協力】
Global Young Academy
公益財団法人日本学術協力財団 原田弘二基金
九州大学
英彦山神宮
曹洞宗万歳山 龍国寺

 

*この作品に以下のような感想を送ってくださった演劇関係の方がいます。心に深く響きました。ありがとうございました。

「植物の一年時計。時を刻む植物は、人間が作った時計より正確かもれない。あらゆるものがつながり、その全体性の中で花が開き、実と結び、葉を落とす。もし開花の時期が遅れたり、実を結ぶを飛び越したりしたら、それは植物時計が故障したのではなく、ますます正確に時を告げている。地球が確実に傷んでいる時を告げているのだと。

僕も毎朝、森に出かけて靴を放り出し靴下を脱いで裸足で地面と会話している。アーシング、地面から見えない何かが伝わってくる。大きな樹の根元で寝転がってぼんやり眺める時間がここちよい。静まり返って止まった茶と緑の織り成す森の時間は開いている。超スピードで羽ばたきしているホバーリングの翅虫、じっと留まっていた位置から瞬間移動のウルトラC、そよ風に崩れるのように落ちていきながら目的の花を外さない蝶のぎこちなく可憐な身のこなし、森の住人達が繰り広げる離れ技の数々、それぞれに固有の時間はそれぞれに拡散しながら収束を繰り返し、決して一定には流れない。
あるがままのリズミカルな脈動は、地面から木々を超えて青空の奥深くまで、夜が来るまで見えない無限の星々につながっている」

 

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