《うたた寝》 Doze
仕事で疲れていると、自宅のこたつでうたた寝をしてしまう。うたた寝したことに気づくのは目覚めた時である。いつ眠ってしまったかは覚えていない。寝入る瞬間を思い出せないものの、それが多幸感に満ちているような気がするのはなぜだろう。これまでの人生の1/3ほどを寝てきたわけだが、その時間、私の魂は幸せな休息をしているようである。この作品を観る方の心が安らぎ、ほっとしてくれることを願う。この作品の素材は、2017年に豪雨災害で被災した樟(くす)である。真ん中に大きな割れが入っていたが、そこを避けながら木取りをすると、ちょうどつむじの部分が年輪の中心となった。ありがたいことに、いつも木が、私に形を教えてくれるのであった。 |
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