熊本震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。度重なる余震の中、やむなく避難所やテント生活、車中泊をお続けの方も少なからずいらっしゃいます。このような状況をうけて、自宅敷地内に避難のための小屋を建設するプロジェクトを企画いたしました。自宅の敷地内に六畳程度の木造家屋を建て、そこに避難するという方法を提案いたします。
余震が怖くて自宅で寝ることが不安な方も、庭先の自分の居場所で睡眠をとることができれば、心身が休まります。復興に向けて歩き出すことができます。また庭先避難は、倒壊家屋備品の盗難防止にもなるでしょう。→企画書PDFダウンロード
東日本大震災の仮設住宅建設で活躍された安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授)のご指導のもと、九州大学芸術工学院・田上健一教授の協力を仰ぎながら、熊本震災支援・庭先避難のための「ちいさいおうち(板倉小屋)」プロジェクトを 行いたいと考えています。板倉とは日本古来の神社や穀物倉庫に用いられた木造建築技術です。板倉建築は杉の厚板で屋根、壁、床を構成し、木の香りに包まれた健康的な空間を創り出します。この構造は地震の揺れにも強いと言われています。設備にもよりますが、費用が約150 〜 300 万程度に収まることも魅力のひとつです。安藤先生は、既に南阿蘇地区の古民家の補修方法に関する指導にあたられています(6/2 〜)。
安藤先生が提案されている避難用家屋は、バージニア・リー・リートンの絵本『ちいさいおうち』に登場する家に似ています。熊本震災後、漠然とした建物への不安を感じている子供達が多いとききます。できれば「秘密基地」のような感覚で子供たちやボランティアの方々も一緒に板倉小屋づくりをし、安心できる「自分の家」を造り出してもらいたいと願っています。まずは阿蘇地区で庭先避難小屋を建築されたい方を募ることから始めます。ご協力の程、よろしくお願いいたします 。
「ちいさいおうちプロジェクト 板倉小屋建築交流会 − 地域の森林資源で震災復興−」(→チラシ)阿蘇郡の西原村商工会主催、日本板倉建築協会共催)が行われます。参加希望の方は、下記問い合わせ先にご連絡ください。
日時:6月26日(日)〜27日(月)8時半〜17時
場所:熊本県阿蘇郡西原村布田1964-9
*阿蘇にしはらウインドファーム(風力発電)事務所の横 →PDF
問い合わせ先: 西原村商工会 藤本 090-9795-8170
日本板倉建築協会 安藤 029-893-3346
当日、解体材や端材などで木製の小物を作るワークショップを行いたいと思います(→チラシ)。九州で唯一板倉建築を専門に取り扱っている「杉岡製材所」、九州大学芸術工学研究院も本プロジェクトを後援してくれています。プロジェクトのメンバーも参加する予定です。
2016.6 知足美加子 →mail
*東日本大震災以降、福島の妊産婦さんや子供達への震災支援「福岡エルフの木」を続けてきましたが、熊本地震以降(福島の方々のお気持ちもあり)熊本の震災支援に注力しています。
(西原村商工会議所、藤本さんより)
お世話になります。「ちいさいおうちプロジェクト」のご提案有り難うございます。このプロジェクトぜひ成功させたいです。
今回の熊本地震の震災で大半の子どもや子を持つ親もダメージを負っています。自然災害に対しての恐怖や建物内で被災した子供が多いため建物に対する恐怖。そのため簡単に家、土地、地域を手放す方が少なくありません。
阿蘇地域は古くから山焼きをし(牧畜と観光の為)戦後の国の植林政策で里山より高い位置にも杉が植えられております。その山も管理できる地主も少なく、野放し状態や次の代に迷惑かけまいと、二束三文で売却という話も多々聞きます。
地域の山に対して、こどもたちの関心を持ってこれたら、と試案していたところでした。なので今回の板倉プロジェクトは楽しみにしております。
ちいさいおうちプロジェクトの小さい家から阿蘇の地域環境をみんなで考えていけるすごいチャンス、きっかけであると考えます。
森林組合、商工会、山林の地主のみんなで西原村オリジナルの板倉住宅を作れる日の為、精進してまいります。有り難うございました。
藤本和想建築 代表者 藤本 誠一
〒861-2402熊本県阿蘇郡西原村大字小森809-20
電話096-279-1023 |
→2016年6月西原村・板倉小屋作りデモンストレーション報告
*7月23日(土 )16時より、早川倉庫(熊本市中央区万町2-4)にて「ちいさいおうちの小さなシンポジウム」が行われます。杉岡さん(杉岡製材所)の進行のもと、プロジェクト担当者(安藤、田上、知足)、宮野さん(くまもと新町古街復興PJ)がプロジェクトの報告を行います。