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藤枝守《焼酎発酵音による現代神楽「甕の音なひ」》  共催:HMEユニット

美術担当:知足美加子  2015年3月28日

*本イベントで美術を担当しました。企画書を添付します。

焼酎発酵音による現代神楽「甕の音なひ」(企画書より)

【公演の概要】

 九州大学大学院芸術工学研究院・藤枝研究室では、日本酒造組合中央会の助成を受けた九州大学「Sho-Chu プロジェクト」の委託研究として、焼酎の生産過程における発酵の音響に着目し、発酵タンク(あるいは甕)の内部に特殊な水中マイクを沈めて発酵音の収録作業を行っています。そして、焼酎の発酵音に内在された美学的な価値をみいだし、あらたな芸術的な表現の創出へ向けての試みを行っています。

 このたび、九州大学芸術工学院ホールマネジメントエンジニアリングユニット(HME)の平成26 年度の実施企画として、この収録された焼酎発酵音に基づく祭儀パフォーマンス「現代神楽:甕の音なひ」を藤枝研究室が中心となって企画制作し、上演することになりました。この実施企画は、「九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プログラム」の支援をもとで実現されます。

 このパフォーマンスでは、芸術工学研究院での音響分野での研究として進められている多チャンネル音響再生システムを最大限に活用して、会場となる九州大学大橋キャンパス・多次元ホールにおいて焼酎発酵音が音響化されます。焼酎発酵音が空間全体に響き合う環境のなかで、数々の焼酎を生み出してきた九州という土地がもつ地域性、歴史性などに喚起されたさまざまな表現が神事としての演目となり、「神楽」という古典芸能のかたちに基づいてあらたなに表現されます。なお、この現代神楽「甕の音なひ」は、藤枝守による作曲のもので創作され、この公演が世界初演になります。

【会場+音響システム】

 今回の公演の会場は、九州大学大橋キャンパス内の音響実験の施設である多次元デザイン実験棟一階にあるホール(多次元ホール、約300 人収容)となります。このホールは、かつては音響の実験場でありましたが、この空間が現代神楽「甕の音なひ」の舞台となります。中央に置かれた「甕」を祭壇に見立て、その周辺でさまざまな祭儀的なパフォーマンスが営まれていきます。また、客席を囲むように反射率可変の音響壁面システム(VRAWS)が設置され、発酵の音響が会場全体を包み込みます。(協力:尾本章研究室) 

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