「邂逅(かいこう)」とは、思いがけず巡りあう事、偶然の出会いを表します。昔は「わらくば」という読みもあったそうです。出会いが与えるものを振り返ると、「人生で会うべき人には必ず会わされる。それも一瞬たりとも早すぎもせず、遅すぎもせず(森信三)」という言葉に納得します。
この作品は、昨年の「跳躍山犬」と対をなすものです。実家の英彦山で、鹿と犬(狩猟種)の出会いを何度か目にしています。その出会いは命にかかわるものであり、決して前述した色合いのものではありません。それでもなお、彼らの出会いは「邂逅」と呼びたいほど、突き刺さるような瞬間なのです。その一瞬には、永遠に繋がるような深さがあるのです。
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本作品は、2022年1月に九州大学、伊都キャンパス椎木講堂2Fに設置されました(九州大学文学部同窓会からの寄贈)。碑文として以下の文章が刻まれています。
「この作品は、一瞬の出会いの永遠性と尊さを表現しています。邂逅と呼べるほどの深さをもつ出会い(人、出来事、書籍等)によって、学生の皆さんが良い人生へと導かれることを願い本学に設置されます」
この作品と対になる《跳躍山犬》は、2024年1月に九州大学病院別府病院(1F渡り廊下突き当たり)に設置されました。 |