→「福岡エルフの木」震災支援・野菜寄付箱プロジェクト

水と風 Water and Wind

制作過程

2011年の東日本大地震を経て、私たちの意識は大きく変わった。これからどう生きるのか。幸せとは何か。いのちによりそう社会とは。美しい大地や水、心のつながりが私たちの命を支えてくれていたことに、今更ながら気づく。気づきの代償はあまりに大きい。

この作品は、水と風の循環がテーマである。竜は時々光る魚の形をして泳ぐそうである。そこで水や風の力を鯉(竜)が泳ぐ姿に例えて制作した。暑い中の溶接作業なので、大量の汗によって溶接用眼 鏡が何度も落ちた。鱗を一枚一枚溶接しながら、様々なことを考えた。大地は資源を掘り起こす場所ではなく、食べ物を育む場所ではないか。水と風が循環するエネルギーで生活をまわせるのではないか。

知足という私の名前は、先祖(神仏習合の修験者)が廃仏毀釈を経て守った「足りを知る」という教えが含まれている。祝詞でも「足ることより楽しきはなければ足ることを知らしめ」という言葉がある。幸せの基準を誤り、自然への畏敬の念を失った社会システムが、自らの矛盾に耐えきれなくなっている。私たちの意識と価値観が変われば、よい流れは必ず生まれると信じている。

*この彫刻は、2012年に山古志村に寄贈した。牛の木彫を寄贈した際ご縁があった松田養鯉場である。(錦鯉は山古志村発祥)

松田養鯉場の皆さんと寄贈された彫刻(2012年)

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