4月、僕たちは5年生に進級した

でも3学期途中で授業が終わり、心はまだ4年生のまま

突然転校していく　たくさんの友達

放射能の影響で草や土がさわれない　　花見もできない

そして　何と言っても　外で遊べないたいくつな毎日

5月、運動会が延期になった

毎日、帽子にマスク　暑い日はつらかった

6月、学校のプール開きが中止になった

プールに入れない　夏

7月、5年生の米作りもできなかった

楽しみにしていたのに

8月、他の県に避難した

福島では、どんなに暑くてもプールには入れなかった

9月、ガラスバッチ＊をつける生活がはじまった　＊行政が配布する放射能線量計

ぼくたちは何も悪いことはしていないのに...

福島に生まれて　自然豊かな福島に育ってきただけなのに...

あの日から　時間がとまってしまった

福島にはたくさんの良さがある

御山の山は　信夫山の山

信夫山を　いっぱい走り回った

満開の桜の下で　お花見

広い松川グランドでのマラソン大会　　苦しくてもがんばった

松川の花火大会　　花火と笑顔が広がった

吾妻山の雪うさぎ

五色沼　猪苗代湖

相馬の海で海水浴　キャンプ

どろだらけになっての潮干狩り

おいしい魚

おいしい野菜やくだもの　　桃　なし　リンゴ

福島には自然があふれている

ほんとうの空もある

わたしたちのほこり　福島

わたしたちが生まれた　福島

ぼくたちが育ちゆく　福島

わたしたちのふるさとは花も実もある　すばらしいところ

震災前のように　外で自由に遊びたい

芝生の上をかけまわりたい

土遊びもしたい

そして　おいしい福島の野菜や魚を食べたい

このふるさとを取り戻したい

どんな困難も　一人一人が力を合わせれば　必ず乗り越えることができる

何があってもくじけず　困難を乗り切ろう

一人一人が信じ合い　助け合おう

未来の福島は

震災に負けない　福島

笑顔あふれる　福島

世界に誇れる　平和な福島

こんな福島に　わたしたちはしたい

友達がいるから　がんばれる

助け合える仲間がいる

励ましてくれる　仲間がいる

何があっても　負けないで　前を向いて歩こう

前を向いて歩こう

涙がでるほど　つらいときも

きっと立ち直れる

きっと立ち直れる

きっと笑えるときがくる

未来がある

未来がある