バリ滞在記   >Buck

The Roots of Asiaインドネシア/バリ島)という展覧会に参加しました。12/20〜1/4(05〜06)

彫刻作業日記12月(2005)/バリ滞在記/1月(2006)/2月/寒立馬取材/3月

"The Roots of Asia" Asian Art Exhibition 1

BIDADARI Art Gallery 27th December 2005 - 16th January 2006

スディアナご夫妻が営まれているビダダリギャラリーです。公的な基金を使わずに3国から作家を集めて展示会をするというお二人の手腕に驚きました。日本は藤原恵洋先生がキューレターでした。先生はバリの調査は13回めだそうです。知事からも深い信頼をよせられていました。

日本から出品した西岡泰心氏(木工家)と私の作品は「触れて鑑賞してもらう」というコンセプトで展示しました。西岡氏の安楽イスは仕事への厳しい眼差しと他者への優しさをあわせもったあたたかいものでした。彼は滞在中にバリの職人の方々とイスをひとつ制作されました。何かを共に作り上げることは、本物の交流です。

ワークショップにおいて「アジアの美術」の今後について出品者が語り合いました。私としては、エゴによるパワーゲームではなく「活かしあう関係」をここから始めていければ、と考えています。

稲穂につく朝露。

目に飛び込む圧倒的な緑と光。稲田の香りが郷愁を誘います。

スディアナご夫妻は木工、木彫の工場も持っていらっしゃいました。チークや紫檀・黒檀がどっさり積んでありました。

展示会の仕事が落ち着いた頃、少しだけバリ木彫を教えていただきました。(ブッダ氏にはお世話になりました)バリ木彫は磨き込んだなめらかな曲面が特徴です。私の作品集を職人さんにみせると、面を強調する日本の木彫に驚き「男性的だ」と話されていたのが新鮮でした。

バナナペーパー(バナナの繊維を利用。力強い風合い)を作っている成瀬潔氏のアトリエを訪問しました。指で繊維を漉いていました。またガラスの端材を鋳込み大型のガラス作品を制作している鳥毛清喜氏のアトリエにもうかがいました。手業が生きている国だと感じました。無から有を生み出したお二人の生命力には脱帽です。

(カースト制の名残もあるのでしょうが)社会的にこまかな分業がされており、障害者差別などがほとんどないという話にも驚きました。

プリルキサン美術館で1930年代の彫刻を興味深く鑑賞しました。メキシコの古代彫刻に通じるものがありました。(面を省略し強固な立体感をだす)

木彫家のWidia氏のアトリエを訪問。木の根の形をそのまま活かした彫刻は、水の流れを感じさせます。彼が「初女さん」の彫刻を最初にみたとき「第3の目があいている」と表現してくれたそうです。こんな風に作品を感じてくれる人がいてくれるのだと、ハッとしました。

ダブルイカットを作る村(ティガナン)を訪問。この布は宗教的な意味があり、血族以外は技法を伝えないとのことです。

私は子供を二人連れての参加(4才と1才)でした。(母と主人も交代で応援にきてくれました)子供をあやしながらの仕事でヘトヘトになる日も。藤原先生ご夫妻や藤原研究室の方々が要所要所で助けて下さいました。スディアナ家の優君・松太君がゲストハウスに毎日遊びにきてくれました。バリでは5才までの子供は神様として扱うらしく、みんな子供を大切にしてくれました。

エレファントサファリというところで象にのることができました。想像以上に揺れました。象の頭をなで、その目の優しさが心に染みました。子供にとっても強烈な体験だったようです。

朝と夕にお供えがされます。土地に直に線香が立てられます。土と自分との繋がりを確認できるすばらしい行いだと思いました。

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