Workshop 種と祈りの形   

知足院(知足)美加子

>Buck

 2007年8月27日。参加者と大地、また参加者同士の関わりを深めてもらうことを目的とした造形ワークショップをNPO法人エスタスカーサで行った。画家・片山雅史氏による「ひまわりプロジェクト(大地を耕す芸術、芸術を耕す大地)」に、エスタスカーサも今年から参加している。その趣旨に賛同し、3才から小学生までの児童対象を対象とした造形活動を行った。

 (活動概略)

 参加者は、まず石膏を用いてひまわりの種を作る。

 石膏を風船に流し込み、参加者がそれを両手で押さえて(祈る形で)凝固させる。石膏は凝固に5分ほどかかり、微かに発熱する。参加者はその熱を感じながら、固まるまでの時間を味わう。固まったら風船をはずし、ヤスリやサンドペーパーで石膏を「ひまわりの種」の形に研磨する。大地にヒマワリの花を模して、制作した種を配置する。花弁部分はトウモロコシの皮を利用する。

 石膏の成分は硫酸カルシウムであり、豆腐の凝固剤に用いられているほど安全な素材である。またトウモロコシを使用するのは、世界の飢餓問題がトウモロコシを肉食用の家畜に食べさせるということがひとつの原因になっていることを、子どもたちに伝えるためである。「大地から得られたものを感謝をこめていただき、大地にかえす」という地球環境への意識を、子どもたちに投げかける。

彫刻作業日記2007年4月・5月/6月/7月/8月/沖縄/9月

 

1)子どもたちにヒマワリの花を観察してもらう。螺旋状に拡がる種の配置、花弁の様子などを説明する。 2)トウモロコシの皮をとる。糸状の部分も別に保存。 3)皮を集める。(おやつ用に、中身はゆでておく)

4)ペットボトルをカッターで半分に切る。ひとつは石膏を溶かす器に、もうひとつは漏斗として使い、風船を口につけておく。

風船は2日前からふくらませて再び空気をぬいたもの。石膏そそぎやすくなる。

5)石膏用の水を配る。補強のために、水に木工ボンドを溶かし込んでおく。さらに色をつけたい参加者は、水に絵の具を溶かす。 6)水と同量の石膏を、スプーンで少しずつ振り込んでいく。
7)30回程度静かに混ぜる。
8)風船をつけたペットボトルに、石膏を流し込む。 9)10分ほどすると、凝固・発熱しはじめる。手と手を合わせた中に風船を入れ、それぞれの祈りを込める。
10)固まったら、風船を切って、中身の石膏を取り出す。アクリル絵の具と、サインペンで着色してみる。 11)色塗りに熱中する子どもたち。 12)オリジナルの種、できあがり
13)エスタスカーサの庭に、トウモロコシの皮を花弁状に並べる。 14)あるだけ全部並べたくなったようだ。 15)真ん中にトウモロコシの糸状の部分を敷き、オリジナルの種を並べる。
16)カラフル。 17)完成! 18)参加者で記念撮影。
19)最後は、トウモロコシの中身をみんなで食べる。「この印象が一番残るかも」と笑った。
>Buck