熊本震災支援「板倉の家ちいさいおうちプロジェクト

―森と暮らしをつなぐ復興住宅

→庭先避難のためのちいさいおうち(板倉小屋)プロジェクト

→2016月西原村・板倉小屋作りデモンストレーション報告

→林政ニュース掲載記事2016月9月

   

熊本震災支援「板倉の家ちいさいおうちプロジェクト―森と暮らしをつなぐ復興住宅」

→ちいさいおうちプロジェクトチラシ

 熊本震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。ちいさいおうちプロジェクトは被災された方の自宅敷地内に、避難用の板倉家屋を建てるという方法を提案しておりました。→プロジェクト概要 2016年6月には、寄付された杉材と大工有志、ボランティアの協働により、熊本県西原村に「西原習合堂(しゅうごうどう)」(西原村商工会主催)を完成させました。また解体材・端材を活かした木製家具や小物作りワークショップを行いました。→プロジェクト報告 

 そして震災から約半年を経た10月1日より、「板倉建築による復興住宅」の提案とその生産体制の整備プロジェクトを進めることとなりました。板倉とは日本古来の神社や穀物倉庫に用いられた木造建築技術です。板倉建築は杉の厚板で屋根、壁、床を構成し、木の香りに包まれた健康的な空間を創り出します。この構造は耐震性と防火性に優れ、地域の木材資源と地域の職人によってつくることができるので、震災復興を地域の振興につなげることができます。

 本プロジェクトのもうひとつの大切な柱は「地域の森林資源を活用」し、「森林と人々の暮らしや文化をつなぎ、活性化する」ことにあります。阿蘇地域は古くから山焼きをし(牧畜と観光の為)戦後の植林政策で里山より高い位置にも杉や桧が植えられています。近年、地域の山々を管理する担い手不足が問題となっています。本プロジェクトの一環として阿蘇地区の里山(宮山)の間伐と手入れを体験するワークショップを行います。間伐した材料は、板倉の家づくりに活用します。人々が散策できる森をつくりながら、森が水を育くむことを伝える取り組みを行います。熊本の杉材を活用する板倉構法の復興住宅が、山と人々の意識を繋ぎ直す契機となることを願っています。

 

 

 

主催;西原村商工会
後援:西原村役場
   九州大学芸術工学研究院
協力:阿蘇森林組合
   日本板倉建築協会 、MMIX.Lab

板倉の家ちいさいおうちプロジェクト世話役:
   安藤邦廣(筑波大学名誉教授)
   藤本誠一(藤本和想建築)
   田上健一(九州大学芸術工学研究院)
   知足美加子(九州大学芸術工学研究院)
   朝廣和夫(九州大学芸術工学研究院)
   杉岡世邦(杉岡製材所)

板倉の家ちいさいおうちプロジェクト事務所
住所 〒861-2403熊本県阿蘇郡西原村布田1964-9 西原習合堂
電話 080-5790-3747(藤本和想建築・高尾) →mail

*ご寄付くださる方は、以下の口座にお振込をお願いします。
【ゆうちょ銀行】店番号17150 口座番号32186991
【他銀行から】ゆうちょ銀行 店番号718 普通預金 口座番号3218699
■世話役(知足)が制作した彫刻作品を西原村商工会議所に寄贈する予定です→作品HP

 

  →ちいさいおうちプロジェクトチラシ →プロジェクト説明PDFダウンロード
→林政ニュース掲載記事2016月9月
 

西原村宮山地区森づくり活動「ヒノキ人工林の間伐および枝おろし体験ワークショップ」

2017年3月26日

2017年3月26日(日)10時〜15時、西原村宮山地区森づくり活動「ヒノキ人工林の間伐および枝おろし体験ワークショップ」を行いました。この木材を、私たちが取り組んでいる熊本地震復興のためのプロジェクトに役立てる予定です。森づくりと震災復興をつなぐ第一歩となります。

 →チラシpdfダウンロード

伐採予定の伸びやかで堂々とした宮山の2本のヒノキです。天に向かって真っ直ぐ立ち、生き延びる力を、ありがたくいただきます。この姿をみて触れることは、製材された木材への「感謝と愛」を何倍も大きなものにしてくれます。 安藤先生(筑波大名誉教授)が、「このイベントが、森と人の暮らしをつなぎ、復興への第一歩になること」について説明してくださいました。西原村商工会青年部の藤本さん、九州大学の朝廣先生などが、今日の作業工程を説明してくださいます。 参加者は46名で、子供の数の方が多いです。河野さんの司会進行で、子供達の気持ちがまとまっていきます。このイベントは「国土緑化推進機構」の助成を受けています。また会場の「よもぎ広場」はMMIX.Labの松岡さんやNPO埼玉ネットの松尾さん達の協力で整備されました。
佐藤木材代表の佐藤さんです。木に関する智慧と技術に精通された方です。学生さんに伐採の一部を体験させながら、着実に行程をすすめていかれます。子供達が固唾をのんで見守ります。

ずしんという音と共に、木が伐採されました。木に含まれている水分や時間の蓄積を感じさせる音でした。プロの山師さんたちが大きな枝を落としてくださいます。

 

子供達がそれぞれにノコギリを持ち、枝落としを行います。ヒノキのよい香りがたちこめます。香りや手触りが木の存在感を確かなものにしてくれます。これは体験して、初めて理解できるものだと感じました。
この後の山賊焼き(食材を枝に巻きつけて焼く)のために、木の皮もむいておきます。みなさん楽しそうにノコギリを使っていました。子供達の意識や関心、喜びが場に広がり、林が以前より生き生きしてみえました。 枝の先に肉やマシュマロをつけて、焚き火で焼いて食べているところです。びっくりするくらい美味しかったです。高尾さんをはじめとする地元の皆様、食材等の準備をありがとうございました。

伐採された木を、重機で運び出しているところです。これを昔は曳き馬で行っていたそうです。杉岡製材所代表の杉岡さんが運搬と製材を請け負ってくださっています。彫刻でも重力に対して「立つ」ことは重要です。この木が、柱として地面に立つ日が待ち遠しいです。(文責:知足)

 

Homealbumexplain・mail)  九州大学芸術工学研究院 知足美加子