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近況報告を兼ねて昨年の私の様子をまとめて見ました.

今年もよろしくお願い致します.


2014年の初めに2013年の近況御報告

 

高木英行 (九州大学大学院芸術工学研究院,(兼任)応用知覚科学研究センター)
815-8540 福岡市南区塩原4丁目9−1


TEL & FAX <+81>92-553-4555
e-mail   
URL  http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~takagi/



研究活動

2月3月は3つの国内学会に参加しました.

3月から私の所属する芸術工学研究院デザイン人間科学部門の教員に呼びかけて公開教員ゼミを始めました.本研究院の教員は,芸術系から心理,生理,工学分野まで幅広い分野に属しています.協力関係が取れると多様性が他にない強みになりますが,個別活動をしていると弱みにもなります.そこで,1年間で10数名の教員の研究内容を学内外に知らせると共に,相手の分野で議論できるだけの知識を付け学際研究に結び付けようと企画した内容がこのゼミです.各教員の題目と概要はここで公開しています.

4月1日に,芸術工学研究院に応用知覚科学研究センターが設置され,私も兼任することになりました.現在,対話型進化計算を人間特性の解析に用いようとしています.知覚研究にも利用できる技術として提供しようとしています.

4月はシンガポール開催の計算知能の国際会議SSCI2013で,初めて統計検定のtutorialを開催.統計検定の専門家ではないのですが,統計検定を使わないといけない仕事をしているので,ユーザの立場でまとめた内容を2時間講習しました.専門家ではないための不安は多々あったのですが,会場およびインターネットを介しての反響が大きかったので,あちこちで講習してみようという気になりました.我々ユーザにとって,どのような場合にどの統計検定ツールをどのように使うかを知っていることは重要で,誤った使い方をすると「統計でウソをつく方法」になってしまいます.

6月は室蘭工業大学で日本-フィンランド二国間セミナーが開催され,日本側発表者の一人として招待されました.2014年夏には先方Alto大学での開催が予定されており,参加の可能性があります.

7月下旬に中国瀋陽で,国際会議ICNC-FSKD2013に参加し,会議翌日に中国東北大学で学術交流協定の可能性の話し合いをしました.まずは,訪問教授のような形で学術交流の実績作りから始めよう,という話になりました.

9月スロバキアのコシチェでシンポジウムSETINAIR 2013に参加して,計算知能技術を人間の特性解析に使うという取組について報告しました.コシチェ工科大学のProf. P. Sincakとはここ10数年の間に色々人事交流がありました.私は彼を3〜4回訪問して講演等をしていますし,彼の研究室から私の研究室には2年間のポストドク1名,博士後期課程への入学1名,大橋キャンパスで開催の2回のSummer Schoolへ4名参加してくれた他,彼自身も学生と共に福岡を訪れてくれました.

9月インドのMathuraで開催の国際会議CICS2013のキーノート講演者として招待され,対話型進化計算の大きな研究方向について講演しました.開催大学のGLA大学の学生が熱心に参加していました.この大学から有名なTaj Mahalまで1時間の距離で,他の参加者と一緒に初めて訪問しました.

10月は英国Manchesterで開催の国際会議SMC2013に参加し,その帰国途中に上海開催の国際会議IWACIII2013にも参加して帰国しました.IEEE SMC Societyは役員を務めたり,現在もTechnical Committee,ChairやIEEE Trans. on CyberneticsのAssociate Editorを務めたり,2013-2014のSMC日本支部長を務めたりと関わりが深い学会です.

12月13日には進化計算学会と兼任しています応用知覚科学研究センターとの共催イベントを企画し,九大で開催しました.進化計算学会での研究発表テーマが狭い範囲に偏り過ぎていると感じており,進化計算技術が貢献できる学際分野にはどのようなものがあるかを討論する学会将来計画的な内容です.人間科学,色彩・視覚科学,経済学,膜計算,数理生物学,生物発生・形態形成,進化生物学,発想支援・創発,言語教育の分野から話題提供して頂き意見交換をしました.それに先立ち,私が統計検定のユーザ向けの解説講演をしました.

翌14-15日の週末は霧島で合宿形式の進化計算シンポジウムが開催され,公用車を運転して学生と参加して来ました.会員数200〜300人程の小学会で,100人以上が合宿形式で泊まり込み,70件以上の発表がありました.発表は全部ポスターでシングルセッションでああり,「じっくり議論」が特徴の学会です.他学会ではちょっとないと光景だと思います.


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研究室

2013年度の研究室は卒研生2名,修士生2名,博士生1名でした.このうち,芸術工学府デザイン人間科学国際コースの裴岩君は2014年3月に学位を受け取ることになりそうです(1月1日現在,予備審査合格で本審査と公聴会を待つ段階です).本当に毎日研究室に籠って 研究を進めたため,博士後期課程入学後に新規テーマで学位研究を始めたにも関わらず,多くの論文を発表しています.

研究方向は「人間要素を取り込み計算知能」で,その方向に向かってサブテーマに取り組んでいます.私自身は,対話型進化計算を人間の特性解析に用いることに主力を置いています.福岡大学医学部,九州大学医学部と共に対話型進化計算を用いた人工内耳フィッティングの共同研究を行っていますが,真の目的は,最適化されたフィッティング特性から新しい聴覚系の知見を獲得することです.部局内でも聴覚特性の解明にこの技術の利用を始めています.その他では,進化計算の高度化,並列対話型進化計算,対話型差分進化の探索可視化,対話型進化計算の心理学への応用,対話型進化計算による動物・人のポーズの発想支援が2013年度の学生テーマです.


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教育活動

2012年末と2013年に香港市城大学の学位論文2編の外部審査委員を引き受けました.進化計算の研究で,結構時間をかけて詳細にチェックしました.口頭試問では,Skypeと国際電話を使って香港での質疑応答に参加しました.

芸術工学府には国際コースがあり,私もここで教えています.このコースは,英語能力さえあれば教育・研究指導を英語で提供することで日本語修得なしに学位取得を可能にする「英語による学位プログラム」のことです.私が教えている芸術工学府には2010年から博士後期課程の国際コースが設置され2013年現在5名の国際コース生が学位研究をしています.基本的に日本人は入学できませんので,海外から受験者を集めてこなければならず,まだ国際コースの名前が全世界に知れ渡っているわけではないので,学生確保のためには海外での広報活動・リクルート活動が必要です.

そのような活動の1つが2011年から毎年行っているSummer Schoolです.海外の主に修士生を中心とする10名程度を旅費・滞在費を支給して参加させる内容です.90分授業×15回を実施してデザイン人間科学国際コースの環境生理・知覚心理・生体情報数理系の教育と研究実習をします.学生交流協定校からの学生には単位認定もする内容です.費用負担なしで参加できるSummer Schoolへの関心は年々高まり,国際コースのよい広報になっています.実際Summer School参加者から受験に至った学生は4名にのぼります.

中でもインドネシアのGadjah Mada大学からのSummer School参加者・芸術工学府入学者は他大学を抜きんでています.我々の費用の関係でSummer Schoolにできる学生は限られるので,2014年3月にはこの大学に私を含む3名の講師を派遣し,多くの現地学生に我々のコースの教育内容(環境生理・知覚心理・生体情報数理系)を知って頂くための1日セミナーを行う予定です.

7月はマラヤ大学で対話型進化計算と統計検定の2つの講演(合計5時間講演)を行ってきました.Prof.s Loo Chu KiongとChiew Thiamにアレンジをして頂き,色々お世話になりました.

8月にはチェコのOstrava工科大学で開催されました5日間のSummer Schoolのトップバッター講師を引き受け3時間の講義をしてきました.昨年も講師を引き受け計算知能の講義を,今年は統計検定の講義と簡単な演習を行いました.芸術工学府の修士課程の入試に間に合うよう,初日の9時〜12時の講義後慌ただしく13時半の電車に乗ってPrahaに向かい,急いで帰国せねばなりませんでした.全部参加できなかったことが残念でした.

教育活動ではないのですが,研究室の修了生が福岡に来て顔を出してくれました.2007年度修士課程修了の永井さん(旧姓長崎),2008年度修士課程修了の中野夫妻(中野+旧姓忰山)は9月にそれぞれのお子さんを連れて一緒に来てくれました.年末には2002年度博士後期課程修了の九工大の大西君と2001年度修士課程修了のパナソニックの藤井君がやってきてくれました.教職の恩恵です.


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プライベート

10年物の中古車を買ってこの10年乗ってきましたが,7月の車検を通すには修理に18万円かかることが判りました.製造後20年で部品入手も困難になってきたこともあり,車検を前に廃車しました.徒歩圏にはカーシェアリングもあり,大橋駅まで徒歩6分,ここから天神まで電車で5分,博多駅までバスで23分と便利な所に住んでいるので,今後はカーシェアリングもよいのでは,と会員になって使い始めました.しかし,欲しい時間帯に車がないとか時間にあおられることもあり,結局1ヶ月程で,中古車を買ってしましました.

大垣市に住む父親の88歳を記念して9月に米寿を計画していましたが,大げさにしたくないとの父の意向で,妻と二人で羽島,彦根,名古屋の観光に行き,夜実家で皆と一緒に食事をする形式にしました.父は耳が少し遠くなりましたが音楽と楽器演奏を楽しんでいます.母はアルツハイマーですが進行を遅らせるための兄の健康食品への配慮のせいかかなり進行がゆっくりです.二人とも健康上の大きな問題はありません.

妻は保育士のパートをしています.現在は徒歩圏の保育所に移るか過度期で,来年3月までは2か所で働いています.太極拳とタティング・レースを趣味にしています.

東京のソフトウェア会社で働いている長女は製薬系会社に派遣されてデータ分析をしていますが,2014年1月からは製薬系会社に転職します.

静岡県立大学で国際関係学の修士研究をしている次女の円が,9月から11月まで学生交流協定校のモスクワ国際関係大学に短期留学しました.東欧をテーマにしているとのことで,ルーマニアとウクライナに立ち寄って国際会議参加と観光をしてからモスクワ入りです.幼児期に2年間滞在と高校時代に米国での1年間の交換留学生を経験しているので海外生活が初めてではありませんが,色々得るものがあったであろうことを期待しています.


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