【メディア掲載】NHK「ロクいち!福岡」にて、未来構想デザインコース・尾方教授が福岡市のインクルーシブベンチについて評価・解説しました

5月27日(火)にNHK福岡で放送されたニュース番組「ロクいち!福岡」において、福岡市が市内の公園に導入を始めた、仕切りなどを減らした新タイプのベンチについて、芸術工学部未来構想デザインコースの尾方義人教授が、多様性や包摂性の観点からこの施策を評価し、コメントが紹介されました。
この新しいベンチは、座面の仕切りやひじ掛けを減らし、座面を広く取ることで、さまざまな人が使いやすいように設計されています。

なお、2024年6月にも、同番組で尾方教授の解説が紹介され、『仕切りのあるベンチ』の問題点について指摘していました。

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「スタジオプロジェクト2022~2024年度報告書:聴覚障害と音楽~だれもが楽しめる音楽を目指して~」を発行しました

九州大学大学院芸術工学府では、さまざまなコースの学生が課題解決に向けて集まる科目「スタジオプロジェクト」において、2022年度より「聴覚障害と音楽」をテーマとした授業を開講しています。
このたび、2022年度から2024年度までの3年間の歩みを報告書にまとめました。
これまで本授業で取り組んできたことが、障害の有無を問わず、音楽鑑賞の幅を広げたり、奥行きを深めたり、実施する側の引き出しの数を少しでも増やす方向に役立てていただければと考えています。

報告書は、以下のリンクよりご覧いただけます。

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現代実践フォーラム リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

九州大学大学院芸術工学研究院では、以下のとおりリサーチャー・トークを行います。

リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

日時:2025年5月28日(水)18時30分-20時00分
会場九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F
使用言語:日本語(スライド:英語、Q&A:日・英)
参加費:無料
主催:九州大学大学院芸術工学研究院、令和3年度大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
お問い合わせ先:九州大学大学院芸術工学府 藤墳 fujitsuka.shoko.392@m.kyushu-u.ac.jp


音楽は、文化や時代を超えて人間の芸術的経験を深く形作ってきた。しかし、音楽が実際に心身にどのような影響を及ぼすのかはまだ十分には理解されていない。本講演では、脳の予測処理を通じて、音楽がどのようにして身体感覚や情動を引き起こすのか、その過程に焦点を当てる。特に近年、音楽の不確実性と予測誤差の時間的な「ゆらぎ」が、心臓や腹部に限局した身体感覚や情動を引き起こすこと、さらに、これらの身体感覚が美的評価と関連していることを示した。本公演ではこれらの知見に基づいて、脳の予測処理に基づく、音楽の情動と身体化に関わる認知メカニズムについての新たな仮説を提案する。


大黒達也|
東京大学大学院情報理工学系研究科・次世代知能科学研究センター准教授で、創造性、音楽、言語、神経科学、認知科学、機械学習など多分野を横断する研究を展開する研究者。東京大学にて医学博士号を取得後、オックスフォード大学およびマックス・プランク人間認知・脳科学研究所での研究を経て、現在はケンブリッジ大学で客員研究員、広島大学では客員准教授を務め、2024年より現職に着任。彼の研究は、人間が音楽をどのように知覚し、学習し、創造するのかという問いを出発点とし、音楽の背後にある脳の創造性のメカニズムを神経科学的手法と計算モデルによって領域横断的に探求するものである。東京大学ではCreativity & Music Labを主宰し、感性と創造の神経基盤を探る教育・研究に従事しているほか、一般向けにも積極的に発信しており、『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』(光文社新書)や『音楽する脳』(朝日新書)といった著書を通じて、脳科学と芸術表現の接点について広く論じている。
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カリーナ・ニマーファル≪非同時的なモノたち:帝国と環境≫展

九州大学総合研究博物館の公開展示「博物の森で遊ぼう」内で、芸術工学部特別展示として、「カリーナ・ニマーファル ≪非同時的なモノたち:帝国と環境≫」展を開催中です。

会期:2025年5月17日(土)〜6月15日(日)の土・日曜日(全10日間)10:00〜16:00

会場九州大学箱崎サテライト(旧工学部本館1階146室)

入場料:無料

主催:科学研究費助成事業 基盤研究(C)「大学博物館におけるアート・インターベンションに関する理論調査と展示実践」(課題番号:24K03582 / 研究代表者:結城円 九州大学)

協力:九州大学総合研究博物館/九州大学大学院芸術工学研究院/オーストリア連邦芸術・文化・公務・スポーツ省/遊花遊月


芸術工学研究院の招へいにより、オーストリア人のアーティスト、カリーナ・ニマーファル氏が、能古島のアーティスト・イン・レジデンス「遊花遊月」の協力のもと、2025年2月から3月にかけて約2か月間福岡に滞在し、九州大学総合研究博物館のコレクションを調査しました。その成果が、二部構成のアートプロジェクトとして結実しました。

第1部は、2025年3月に大橋キャンパスで開催された展示です。博物館に収蔵されていた歴史的な木製家具をキャンパス内のギャラリースペースに移設し、デザイン、林業、環境史、帝国主義、物質的な知、超歴史的な展示実践、展示戦略といったテーマを含む資料とともに展示を行いました。

プロジェクトの第2部は、現在、九州大学総合研究博物館にてご覧いただけます。館内に、“カフェのような読書室”を出現させるアート・インターベンション(芸術の介入)を行っており、本作は、林業、生物多様性、そして第二次世界大戦前後の日本の木材貿易の歴史に関する大学コレクションを出発点としています。
本展では、大学コレクションを新たな視点で捉え直すアーティストによる語りのテキストを中心に据え、アーティスト自身の調査や制作プロセス、芸術と科学の関係性についての考察などが織り込まれています。さらに、それらのテーマやモチーフは、展示されている書籍や資料の中にも再発見することができます。ぜひ時間をかけて、ご自身の興味に導かれるままに、多様な資料を手に取ってご覧下さい。

なお、最終日の6月15日(日)13時、14時、15時には、朗読パフォーマンスを行う定です。



アーティスト紹介|カリーナ・ニマーファル(Karina Nimmerfall)

ベルリンとケルン(ドイツ)を拠点とするビジュアルアーティスト・教育者。ドキュメンタリー手法とスペキュラティブなアプローチを融合させ、彫刻インスタレーションや言葉とともに、写真、コンピューター生成画像、映像表現などの形態を織り交ぜた作風をもつ。これまでに、カメラオーストリア(グラーツ、オーストリア)、MAKセンター・フォー・アート・アンド・アーキテクチャー(ロサンゼルス、米国)、BAWAGコンテンポラリー(ウィーン、オーストリア)、ブカレスト・ビエンナーレ3、第8回ハバナ・ビエンナーレ(キューバ)などで国際的に作品を発表。また、2018年のアルフリート・クルップ・フォン・ボーレン・ウント・ハルバッハ財団の「ドイツ現代写真フェローシップ」をはじめ、数々の賞を受賞している。

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九州大学と台湾の大学による先端技術融合国際ワークショップを開催しました

2025年5月7日から9日にかけて、台湾国立成功大学計画デザイン学部建築学科の劉舜仁教授と、国立台湾師範大学芸術学院デザイン学科の長友大輔准教授が学生を引率し、九州大学大橋キャンパスを訪問されました。
今回の訪問は、九州・沖縄地区11の国立大学法人による「九州・沖縄オープンユニバーシティ(KOOU)」と、台湾の大学群学術プラットフォーム「The University Academic Alliance in Taiwan(UAAT)」との国際連携協力プロジェクト『Research on the Sustainable Design Application of Direct Ink Writing 3D Printing Utilizing Circular Materials and Artificial Intelligence Technology』の一環として実施されたものです。

来校期間中、芸術工学研究院の斉藤一哉准教授の主催により、セラミック(建築)3Dプリンタとサステイナビリティ、AI技術をテーマとしたワークショップを開催しました。本ワークショップでは、参加学生たちが、セラミック3Dプリンタと建築3Dプリンタを活用し、サンゴ礁再生支援に焦点を当てた独創的なプロトタイプモデルを制作しました。

来月には、台湾国立成功大学にて、第2回となる共同ワークショップの開催が予定されています。今後も、三校間における学生交流のさらなる発展が期待されます。
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茂田 幸乃

令和7年度 九州大学芸術工学部における出前授業等の実施について

九州大学芸術工学部では、高等学校を対象に、各コースによるテーマで出前授業及びリクエスト授業を実施します。
出前授業等を希望される場合は、以下のとおり申込書を送付くださいますようお願いいたします。


実施方法
(1)出前授業:       本学部教員を高等学校に派遣する(受講予定者15名以上)
(2)リクエスト授業: 大橋キャンパスでの授業(受講予定者5名以上、平日のみ)

 【申込及び実施期間
申込期間:令和7年5月19日(月)~ 12月12日(金)
派遣期間:令和7年6月下旬 ~ 令和8年3月6日(金)

費用について
(1) 出前授業:    本学部から派遣する教員の旅費(交通費等)をご負担ください。
(2) リクエスト授業: 来学に係る経費は自己負担とさせていただきます。
出前授業・リクエスト授業ともに本学及び派遣教員に対する謝金は不要です。

出前授業等の申込み方法
本学部ホームページから、「九州大学芸術工学部出前授業等申込書」(PDF又はWordファイル)をダウンロードいただき、希望する出前授業のテーマ等の必要事項をご記入のうえ、申込期間内にメールにてお申し込みください。

※テーマによって、対象学年や参加人数、実施方法等に制限のある場合があります。詳細は各テーマ内容をご確認ください。


お申込み・お問い合わせ
九州大学芸術工学部学務課教務係
住所:〒815-8540 福岡市南区塩原4丁目9番1号
電話:092-553-4631 FAX:092-553-4597
E-mail:gkgextension@jimu.kyushu-u.ac.jp
URL:https://www.design.kyushu-u.ac.jp/

その他
申込多数の場合や教員の日程が合わない場合等には、ご希望に添えないことがあります。あらかじめご了承ください。


<令和7年度 出前授業等テーマ一覧>
各コースにおける出前授業のテーマは次のとおりです。
申込書に希望の日時及びテーマを第1希望から第3希望までご記入ください。
なお、テーマは希望ごとにコースが異なっても構いません。

〇共通テーマ「大学で学ぶこと」 
(主な内容、高校と大学の違い、勉強と研究・卒業研究、授業の構成と内容、卒業後の進路、課外活動と大学生活等)
 
1.環境設計コース
2.インダストリアルデザインコース 
3.未来構想デザインコース 
4.メディアデザインコース 
5.音響設計コース

環境設計コース(12テーマ) 
1.環境設計の世界
2.歴史的建造物を調査研究する-西洋建築史入門
3.建築家の仕事
4.環境設計とVR、AR、DX
5.ちからとかたち-建築構造入門-
6.環境の多重構造-地球環境・都市環境・建築環境-
7.材料のみかた-建築材料入門-
8.平時の緑地環境の保全による災害への備え、そして復興へ
9.文化財の保存
10.光のデザイン ~建築照明とライトアップ~
11.住まいの文化
12.環境汚染物質やテロ関連物質の分析


インダストリアルデザインコース(27テーマ)
●人を知る ←科学的アプローチ
1.人にやさしいデザインとは? 
2.人間工学に基づく製品開発のご紹介 
3.筆記用具の工夫で成績アップ:受験勉強のための人間工学活用法 
4.快適性を科学する 
5.体内時計(朝型・夜型)を考えた勉強とライフスタイル 
6.感性・脳科学とその応用 
7.睡眠負債とは 
8.座り心地のいいイス-人間工学の視点-
9.ヒトの多様性とデザイン

●美しさを知る ←感性的アプローチ
10.オリンピックとデザイン
11.日常品のデザイン ~家具・雑貨のデザイン入門~
12.あなたの日常を変えるSDGsとデザイン思考入門
13.ユニバーサルデザインと私たちのくらし
14.問題を発見し解決するデザイン方法入門
15.デザインをマーケティングの観点から考えてみよう
16.「モノ」のデザインと「コト」のデザイン
17.デザインエンジニアリングとは?
18.製品開発ストーリー(揺動型ベビーベッドの開発)
19.公共交通機関とデザイン
20.受験勉強のやる気がアップするデザイナーの考え方
21.高校生が高校生のための文房具をデザインして商品になるまでのお話
22.ルールで創る。行動のデザイン、社会のデザイン
23.最先端折紙入門
24.身近な昆虫から学ぶ生物模倣工学入門
25.   サービスデザインって何?学校生活の『困った』や『いいね』から始める体験
26.   地域の宝を探せ!ローカルから始めるデザイン発想法
27.   未来のまちを物語る:ストーリーテリング×デザイン


未来構想デザインコース(13テーマ)
アートとデザイン
1.アートについて考える
2.色覚の進化と多様性
3.デザイン思考を活用した「探究」
4.   アートの価値
5.   観察とリサーチ、そして記録すること

 ●社会と環境
6.樹木や動物、存在しないものとともに、よく生きること
7.持続可能な環境のデザインと人間行動のデザイン
8.Design Education for Solving Real-World Problems
9.生活を支える技術・素材と環境のつながり
10.障害はどこにある? ~多様性と社会デザインを考える~

情報と生命
11.リズムは何故シンクロするのか? ~メトロノーム、ホタル、体内時計の数学~
12.深層学習による生命データからの知識発見
13.伝染病・学校の怪談・文化~「流行」の数学


メディアデザインコース(12テーマ) 
1.色って何?
2.錯視はどうして起こるのか
3.画像処理の中の数学 ※理科系志望2年生以上対象
4.映画における表現技法 ~フィルムからデジタルへ~
5.プロジェクションマッピング、立体映像、~「拡張映像」の世界~
6.シリアスゲームデザイン
7.ベクションとは何だ!?
8.意識の科学は可能か?
9.モノのインターネット(IoT)による未来の生活のデザイン ※36名まで
10.生成AIとメディアデザイン
11.あまり知られていないかもしれないCGの話
12.今までのピクトグラム、これからのピクトグラム


音響設計コース(10テーマ) 
1.オーケストラと映画音楽
2.自動車の音デザイン ~次世代自動車のデザイン課題~
3.音色の不思議な世界
4.音楽と音環境 ~音環境の未来をデザインする視点~
5.サイン音の科学
6.物理モデル音源でメロディを奏でよう ~楽器の発音メカニズムを探る~
7.劇場・ホールにおける音響と現代の工学技術
8.音と振動の可視化と可聴化
9.話しことばの科学
10.オーディオエンジニアの耳に挑戦 ~聴感トレーニング(聴能形成)体験~

添付ファイル

「CAADRIA2025」でベストペーパーアワードを受賞

芸術工学研究院 環境設計部門 岩元真明 准教授とニューサウスウェールズ大学 Nicole Gardner上級講師らの研究グループによる論文「From Digital Turns to Digital Transformation: Lessons from the proto-parametric design of the Glass Station project by Shoei Yoh」がコンピュテーショナル・デザインの国際会議「CAADRIA2025」にて、ベストペーパーアワードを受賞しました。

論文の詳細については、下記参照リンクよりぜひご覧ください。


写真:九州大学葉祥栄アーカイブ所蔵
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デザインの基礎概念「システミックデザイン」を執筆しました

デザイン基礎学研究センターでは、デザインの思考に関する基本的概念をわかりやすく解説する「デザインの基礎概念」シリーズを展開しています。

複雑な社会問題に総合的にアプローチする手法である「システミックデザイン」について、京都工芸繊維大学の水内智英 准教授に執筆していただきました。1960年代のシステム思考からはじまるシステミックデザインの流れと現況について概観するのにわかりやすい記事となっています。

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「カムアクロス 傘デザイン・コンペティション’24-25」でインダストリアルデザインコースの学生がグランプリを受賞

東大阪の傘・レイングッズメーカー、株式会社カムアクロスが主催する「カムアクロス 傘デザイン・コンペティション’24-25」が開催されました。今回のテーマは「大切な人に贈る傘」。264作品の応募の中から、芸術工学部インダストリアルデザインコースの学生3名によるグループがグランプリを受賞しました。
受賞作品のコンセプトや選考コメントは、以下のリンクよりご覧いただけます。

【 グランプリ】
作者:北坂拓也、網野舜太、大久保優太(芸術工学部 インダストリアルデザインコース3年)
グループ名:「ひよっこ」
作品名:「ichirin」

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三井譲助教らの論文がPhysical Review Letters誌に掲載されました

芸術工学研究院 未来共生デザイン部門 三井譲 助教(研究当時:東京大学大学院新領域創成科学研究科 博士課程/日本学術振興会特別研究員)と、東京大学 郡宏教授らの研究グループによる論文「Waveform Proportionality and Taylor’s Law Induced by Synchronization of Periodic and Chaotic Oscillators」がPhysical Review Letters誌に掲載されました。

論文の詳細および研究成果「べき乗則の背後に同期現象の存在―ある普遍的現象が別の普遍的現象を誘発―」については、下記参照リンクよりぜひご覧ください。

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