概要

研究院長メッセージ

大学院芸術工学研究院長
大学院芸術工学府長芸術工学部長
尾本 章

芸術工学の世界へようこそ

1968年に九州芸術工科大学が設立される際に、大学設置審議会で取りまとめられた芸術工学部の目的・性質は、以下のようなものです。

「1.一般技術を人間生活に適切に利用するために、技術の基礎である科学と、人間精神の最も自由な発現である芸術とを総合し、その全体的な精神によって技術の進路を計画し、その機能の設計について研究することを目的とする。2.現代社会の組織の複雑化、大学卒業者の活動分野の拡大に伴い、在来の専門家のほかに人文、社会、自然の諸科学にまたがる知識と芸術的感性を基礎とする総合的な設計家が要求されつつあり、この要請にこたえることを目的とする。」

設立当時、主たる技術は重厚長大産業に伴うものだったと思われますが、それを現在の情報通信技術と置き換え、さらに設計という言葉を広義のデザインに、また大学卒業者を大学院修了者にするなど、いくつか置き換えながら読んでみても、全く色褪せない内容です。九州大学と統合してまもなく20年になりますが、これらの目的と「技術の人間化」という理念は,総合大学において唯一の芸術工学部、大学院芸術工学府として、大切にしていきたいと考えています。

同時に、我々を取り巻く社会環境の変化には敏感である必要もあります。改組によって2020年に誕生した新しい芸術工学部の5つのコース、また2022年にスタートする大学院芸術工学府の6つのコースは、これまでの良い伝統を守りつつも、デザインの対象を「モノ」から「コト」、さらに「ビジョン」へと積極的に拡大していくという我々の強い意志の表明です。

芸術工学部・芸術工学府を目指す皆さんへ

芸工には、本当に多種多様な教員が在籍し、それぞれが、自分の専門性を先鋭化させながら研鑽を積んでいます。いわゆる「学際的」と言われる範囲を超えた幅広さでしょう。それに対応して、芸術工学部、芸術工学府では専門性の高い様々な授業科目とともに、幅広い分野を融合させるプロジェクト系の科目も多く設置されています。

さまざまな専門領域を横断的に学び、時には特定の分野を徹底的に深化させ、また時には幅広い視野を原動力として融合させてください。これらのプロセスを通して新しい領域の開拓に挑み、新しい価値を創造する高次のデザイナーを目指すことができるのは、誰よりも学生の皆さんです。その努力に対して、教員は全力でサポートします。

芸術工学の発祥、そして集積の地、狭くとも奥深い大橋キャンパスでお待ちしています。

組織

九州大学では、学生が所属する教育組織である「学部」(School)及び「学府」(Graduate School)と、教員が所属する研究組織である「研究院」(Faculty)を分離し、教員の専門分野の枠を超えて、多様な教育に対応できる体制をとっています。

この制度に基づき、芸術工学部と大学院芸術工学府には、芸術工学研究院に所属する教員を中心に様々な専門分野の教員が配属され、社会の変化をふまえた最新の教育を行います。芸術工学部は2020年から、芸術工学科のみの1学科5コース制となり、学生の興味に基づいて修学可能な柔軟なカリキュラムを提供しています。大学院の教育組織である芸術工学府は2022年から、芸術工学専攻の1専攻とし、6コースを配置して、拡大するデザイン領域をリードする次世代デザイナーを育成します。

沿革

年月日 出来事
1963年(昭和38年) 2月27日 国立九州芸術大学設置期成会創立
1966年(昭和41年) 10月18日 国立産業芸術大学(仮称)設立準備会創立
1967年(昭和42年) 6月1日 九州芸術工科大学創設準備室設置
1968年(昭和43年) 4月1日 九州芸術工科大学(芸術工学部)開設
環境設計学科、工業設計学科、画像設計学科および音響設計学科の4学科設置
1972年(昭和47年) 4月1日 芸術工学専攻科設置
1977年(昭和52年) 4月1日 芸術工学専攻科廃止
5月2日 大学院芸術工学研究科(修士課程)設置
生活環境専攻および情報伝達専攻の2専攻設置
1980年(昭和55年) 4月1日 保健管理センター設置
1986年(昭和61年) 4月1日 環境設計学科及び画像設計学科の2学科を改組(大講座制導入)
1988年(昭和63年) 4月1日 工業設計学科および音響設計学科の2学科を改組(大講座制導入)
1993年(平成5年) 4月1日 大学院芸術工学研究科(博士課程)設置
生活環境専攻および情報伝達専攻の2専攻設置
1997年(平成9年) 4月1日 環境設計学科、工業設計学科、画像設計学科および音響設計学科の4学科を環境設計学科、工業設計学科、画像設計学科、音響設計学科および芸術情報設計学科に改組(3大講座制導入)
地域共同研究センター設置
2001年(平成13年) 4月1日 大学院芸術工学研究科を芸術工学専攻の1専攻に改組
2003年(平成15年) 10月1日 九州大学と統合
九州大学大学院芸術工学研究院・大学院芸術工学府・芸術工学部設置
2006年(平成18年) 4月1日 大学院芸術工学府にデザインストラテジー専攻設置
2008年(平成20年) 4月1日 大学院芸術工学府にデザインストラテジー専攻(博士後期課程)設置
大学院芸術工学府芸術工学専攻を再編(コース制の導入)【デザイン人間科学コース、コミュニケーションデザイン科学コース、環境・遺産デザインコース、コンテンツ・クリエーティブデザインコース】
2009年(平成21年) 7月1日 大学院芸術工学研究院を改組
【環境計画部門、人間生活システム部門、視覚情報部門、音響部門、芸術情報部門、応用情報部門を、デザイン人間科学部門、コミュニケーションデザイン科学部門、環境・遺産デザイン部門、コンテンツ・クリエーティブデザイン部門、デザインストラテジー部門の5部門へ改組】
2010年(平成22年) 4月1日 大学院芸術工学府芸術工学専攻にデザイン人間科学国際コースを設置
2013年(平成25年) 4月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、応用知覚科学研究センターを設置
10月1日 大学院芸術工学研究院を改組(講座制の導入)
環境・遺産デザイン部門を環境デザイン部門に改組し、計17講座を設置
2014年(平成26年) 8月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、応用生理人類学研究センターを設置
2015年(平成27年) 4月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、ソーシャルアートラボを設置
2017年(平成29年) 4月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、環境設計グローバル・ハブを設置
2018年(平成30年) 4月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、SDGsデザインユニットを設置
6月1日 芸術工学50周年
2020年(令和2年) 4月1日 芸術工学部を芸術工学科の1学科に改組
【環境設計コース、インダストリアルデザインコース、未来構想デザインコース、メディアデザインコース、音響設計コースの5コースを設置】
2021年(令和3年) 4月1日 ソーシャルアートラボを廃止して、大学院芸術工学研究院の内部組織として、社会包摂デザイン・イニシアティブを設置
2022年(令和4年) 4月1日 大学院芸術工学府を芸術工学専攻の1専攻に改組
【ストラテジックデザインコース、環境設計コース、人間生活デザインコース、未来共生デザインコース、メディアデザインコース、音響設計コースの6コースを設置】 
4月1日 大学院芸術工学研究院を改組
【ストラテジックデザイン部門、環境設計部門、人間生活デザイン部門、未来共生デザイン部門、メディアデザイン部門、音響設計部門の6部門へ改組】 
4月1日 大学院芸術工学研究院の内部組織として、デザイン基礎学研究センターを設置

歴代学長・研究院長

氏名 役職 任期
小池 新二 学長 昭和43年〜昭和49年
太田 博太郎 学長 昭和49年〜昭和53年
吉武 泰水 学長 昭和53年〜昭和61年
安藤 由典 学長 昭和61年〜平成6年
吉田 将 学長 平成6年〜平成14年
瀧山 龍三 学長 平成14年〜平成15年
佐藤 陽彦 研究院長 平成15年〜平成17年
安河内 朗 研究院長 平成17年〜平成21年
石村 真一 研究院長 平成21年〜平成25年
安河内 朗 研究院長 平成25年〜平成29年
谷 正和 研究院長 平成29年〜令和3年
尾本 章 研究院長 令和 3年~

教育研究施設 / 附属組織・関連組織

キャンパス案内・紀要

芸術工学部 / 大学院芸術工学府 / 大学院芸術工学研究院

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紀要「芸術工学研究」は九州大学学術情報リポジトリからダウンロード可能です。