
九州大学芸術工学部音響設計コース音文化学講座では、庭園アーカイヴ・プロジェクトとともに、上映とディスカッション「動いている庭」から「語りかける庭」へ、を実施します。
庭園アーカイヴ・プロジェクトは、芸術工学研究院 城一裕准教授も参画し、刻一刻と変化してゆく日本庭園に対して、種々のテクノロジーを用いて、そのアーカイヴを開発する研究企画です。そこでは単なる技術開発のみならず、日本庭園とは何か、といった本質的な問いを重視してきました。
プロジェクト・メンバーのエマニュエル・マレスと澤崎賢一は、これまで庭師を対象とした映像作品の制作を行ってきました。2016年には、フランスの庭師にして哲学者のジル・クレマン氏の来日を追ったドキュメンタリー映画「動いている庭」を発表しました。クレマン氏の同名の著作『動いている庭』は、日本でも今日ますます盛んに読まれています。
また、近年は日本の庭師・古川三盛氏を対象とした映像作品「語りかける庭」の制作を進めており、かたちを変えながら日本各地で展示・上映を実施してきました。
クレマン氏と古川氏は、奇しくも同じ1943年の生まれです。
フランスと日本の二人の庭の巨匠。彼らの語り、そして庭を捉えた映像を並置させることで、クリシェに満ちた比較論にとどまらず、よりグローバルな広い視野での新たな庭園、自然、エコロジーの思想があらわになります。
今回のイベントでは「動いている庭」と「語りかける庭」を同時上映した上で、当プロジェクトのメンバーでサウンド・アーティスト、音響学者の城一裕准教授、さらにゲストとして美学・芸術学、視覚文化論をフィールドとする芸術工学研究院の増田展大准教授を迎え、庭を出発点にあらゆる分野を横断するディスカッションを行います。
なお、各上映の前後、合間には、会場の21chの立体音響システムにて庭園アーカイヴ・プロジェクトがこれまでにアーカイヴしてきたアンビソニックス(立体録音)音源を「上演」します。ぜひご鑑賞ください。
日時・プログラム|
2026年4月19日(日)
第1部
13:00-14:00 アンビソニックス庭園音源上演
14:00-15:30 映画「動いている庭」上映
15:30-16:00 アンビソニックス庭園音源上演
第2部
16:00-16:50 映像作品「語りかける庭」上映
16:50-17:30 ディスカッション(エマニュエル・マレス、澤崎賢一、城一裕、増田展大、原瑠璃彦)
17:30-18:00 アンビソニックス庭園音源上演
*途中入退場可
ドキュメンタリー映画《動いている庭》
(監督:澤崎賢一、製作:エマニュエル・マレス、85分、2016)
フランスの庭師ジル・クレマンの庭で過ごした、とある一日を記録した映画。
この惑星は、庭とみなすことができる― パリで行われた展覧会「惑星という庭」で30万人を魅了したフランスの庭師ジル・クレマン。彼は、パリのアンドレ・シトロエン公園の庭やケ・ブランリー美術館の庭をつくったことで知られ、同時に、その背景にある思想が注目を浴びてきた。
できるだけあわせて、なるべく逆らわない― これは、クレマンの庭師としての基本的な態度である。この言葉にそってつくられた本作は、日本各地を訪問するクレマンと、彼の自宅の庭をロングショットで記録した民族誌的な映像である。
http://garden-in-movement.com
映像作品《語りかける庭》
(監督:澤崎賢一、製作:エマニュエル・マレス、時間未定、2024)
観音寺(京都府福知山市)の庭の作庭をめぐる住職、庭師、美学者の視点の万華鏡。
京都府福知山の観音寺にある庭の作庭にまつわる3つの物語。作庭を依頼した観音寺の住職・小籔実英、作庭を行った庭師・古川三盛、作庭を行う古川を観察した美学者・山内朋樹、そして、この映像作品を鑑賞する私たち――。この庭が「この庭として」そこに存在するためには、それらすべてが関わり合っている。
本作では、ひとつの「庭」を複数の視点から見つめなおすことを可能にする「映像」の錬金術によって、人間による集団的な意思決定を超えた、目に見えない出来事発生の力学が明らかになるだろう。
プロフィール|
Emmanuel Marès エマニュエル・マレス
1978年、フランス出身。京都工芸繊維大学博士後期課程修了、博士(学術)。専門は日本建築史・日本庭園史。現在は京都産業大学文化学部准教授、奈良文化財研究所客員研究員。日本庭園史学の研究を通して、日仏の文化の交流に尽力している。主な著書に『縁側から庭へ』(あいり出版)、編著に『庭師と旅人「動いている庭」から「第三風景」へ』(あいり出版)、共編に『森蘊の世界ー奈良・平安の庭を求めて』(奈良文化財研究所)など。
澤崎 賢一 さわざき・けんいち
1978年生。アーティスト・映像作家。総合地球環境学研究所 特任助教。京都市立芸術大学大学院 博士(美術)。主な展示・作品に、展覧会《見えん さかい目》(HIMOTOKUSABI、高《すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー》(金沢21世紀美術館、2024-25)、映画『#まなざしのかたち ヤングムスリムの窓』(43分41秒、2023、マダニ国際映画祭プレミア上映)、映画『#まなざしのかたち』(124分、2021、東京ドキュメンタリー映画祭プレミア上映)など。
城一裕 じょう・かずひろ
1977年福島県生まれ。九州大学大学院芸術工学研究院音文化学講座准教授。博士(芸術工学)。専門はメディア・アート。音響学とインタラクション・デザインを背景とした現在の主なプロジェクトには、音の再生の物質的・歴史的な基盤を実践を通じて再考する「Life in the Groove」、参加型の音楽の実践である「The SINE WAVE ORCHESTRA」、音・文字・グラフィックの関係性を考える「phono/graph」などがある。メディア・テクノロジーから生まれる音の可能性を探るイベントfreqを定期的に開催。
増田展大 ますだ・のぶひろ
1984年京都府生まれ。九州大学大学院芸術工学研究院准教授。博士(文学)。専門は美学・芸術学、写真史・映像メディア論。主な著書に『科学者の網膜──身体をめぐる映像技術論:1880-1910』(青弓社、2017 年、第9回表象文化論学会賞受賞)、『クリティカルワード メディア論』(共編著、フィルムアート社、2021 年)などがある。
原 瑠璃彦 はら・るりひこ
1988年生。静岡大学人文社会科学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は日本の庭園、能・狂言。主な著書に『洲浜論』(作品社)、 『日本庭園をめぐる――デジタル・アーカイヴの可能性』(ハヤカワ新書)など。『洲浜論』にて令和5年度(第74回)芸術選奨文部科学大臣新人賞、第15回表象文化論学会賞奨励賞受賞。
会場|
九州大学大橋キャンパス音響特殊棟録音スタジオ
*キャンパス内は喫煙禁止、会場内は飲食禁止となっておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
入場|
無料(各回50名限定)*リンク先peatixより申し込み。
交通|
西鉄福岡(天神)駅より
・西鉄天神大牟田線大橋駅東口(電車5分、徒歩5分)
JR博多駅より
・バス(47、48、48-1、48-2、60)大橋駅下車(バス20分、徒歩5分)
・市営地下鉄天神駅下車、西鉄天神大牟田線へ乗り換え(地下鉄5分、電車5分)
福岡国際空港より
・市営地下鉄天神駅下車、西鉄天神大牟田線へ乗り換え(地下鉄11分、電車5分)
*来場には公共交通機関ないしは近隣のコインパーキングをご利用ください。
*構内の駐車場は入構許可が必要となっておりますが,特段の事情がある場合は事前にお問い合わせください。
主催|
庭園アーカイヴ・プロジェクト、九州大学芸術工学部音響設計コース音文化学講座
助成|
科学研究費助成事業 基盤研究(B)「日本庭園の開かれた総合的デジタル・アーカイヴ実装のための研究開発」(研究代表者:原瑠璃彦)、挑戦的研究(開拓)「特異な音響空間内における音を知覚する体験の設計とその配信技術の開発」(研究代表者:城一裕)
協力|
宗教法人 常栄寺、山口情報芸術センター[YCAM]
問い合わせ|
ina@niwa-archives.org
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