【選出】「’23年鑑代表シナリオ集」に未来構想デザインコース港教授が執筆した脚本「正欲」が選ばれました

「年鑑代表シナリオ集」は毎年、日本シナリオ作家協会によって、その年で優れた日本映画のシナリオが選ばれるものです。
「’23年鑑代表シナリオ集」に、芸術工学部未来構想デザインコース 港岳彦教授が担当した映画「正欲」のシナリオが収録されました。
本集には、以下の作品も選出されています。

「Winny」松本優作、岸建太朗
「せかいのおきく」阪本順治
「渇水」及川章太郎
「福田村事件」佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
「ほつれる」加藤拓也
「さよなら ほやマン」庄司輝秋
「正欲」港岳彦
「花腐し」荒井晴彦、中野太
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」吉野弘幸
「ほかげ」塚本晋也
「映画『窓ぎわのトットちゃん』」八鍬新之介、鈴木洋介 
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環境設計部門 ULLAH S M ASIK助教らの論文がWorld Development誌に掲載されました

環境設計部門のULLAH S M Asik助教が東京大学 坂本麻衣子准教授、九州大学 谷正和名誉教授と共著した論文「Impacts of refugee influx on the local economy and environmental degradation in Bangladesh: A spatial multilevel autoregressive analysis」が、World Development誌に掲載されました。World Development誌は、抄録および引用データベースScopusのCiteScore上位2パーセントに常にランクインしている定評のある開発研究誌です。

過去10年間で、強制避難民の数は着実に増加しており、ロヒンギャ難民危機はその顕著な例です。約70万人のロヒンギャ難民がミャンマーから逃れてバングラデシュに避難したことで、受け入れ先のコミュニティは、経済的、社会的、環境的に大きな影響を受けています。

本研究では、ロヒンギャ難民の流入が、バングラデシュのテクナフ・ウパジラ地域の地元住民の生計、収入、環境破壊へどのような影響を及ぼしたか調査しています。難民流入前後の5,769世帯および6,825世帯を対象に調査を行い、リモートセンシング画像を使用して土地被覆図を作成し、包括的な環境評価を行いました。

主な調査結果は以下の通りです。
・ 農業や労働作業に従事している人々を中心に、収入が大幅に減少した。
・ 競争が激化したことで、小規模農家は農業を追われた。
・ 受け入れ先のコミュニティは天然資源に大きく依存しており、その結果環境破壊が悪化した。

地理的・地形的な問題により、救援活動の恩恵を受けられない地域があり、現在の人道的対応とのギャップが浮き彫りになりました。こうした課題に効果的に対処するため、今後の人道支援戦略には持続可能性の高いアプローチの導入が必要であることが、本研究によって示されました。

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「GPEC(施設園芸・植物工場展)」出展・製品デザイン ー 未来構想デザインコースプロダクト研究室

7/25(木)に東京ビッグサイトで開催された「 GPEC(施設園芸・植物工場展)」において、メイワフォーシス株式会社、九大OIP株式会社、農学研究院 と芸術工学部未来構想デザインコースプロダクトデザイン研究室が連携して開発中の「IRLAC赤外線リーフマスター」が発表されました。

「IRLAC赤外線リーフマスター」は、温室や植物工場などの施設農業環境下における葉の最適量を即診断し、葉の茂り具合や葉群密度が高いか( LAI ) を調べ、葉の過密を調整し、葉に当たる光の量やバランスを最適化するための機器です。今後の高品質農作物の育成に重要な役割を果たすと言われています。
未来構想デザインコースプロダクトデザイン研究室は、その筐体デザインなどを行いました。

本研究室では、農業・食料分野の製品デザイン、インターフェースデザイン、サービスデザインなどを積極的に展開しています。
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那珂川市における脱炭素を実現するリジェネラティブデザインスタジオ~現地南畑地区にて最終発表会を行いました!~

近年、国内外において、気候変動による記録的な豪雨、猛暑、台風などこれまで経験したことがない規模の自然災害が多発し、地球環境は深刻な状況になっています。

九州大学大学院芸術工学研究院と連携協力協定を締結した福岡県那珂川市は、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指し、「ゼロカーボンシティ那珂川」を宣言しています。大学院芸術工学府の演習において、那珂川市の南畑地区を対象に、自然・歴史・文化・産業に関して実地調査やデータ分析を行い、脱炭素の実現に向けたリジェネラティブ・ランドスケープデザインの構想を立案してきました。

南畑地域の歴史・自然資源や魅力を発掘し、活かすための環境デザインと、脱炭素(再生可能エネルギー・省エネ・炭素固定)の効果検証の融合という難しいテーマでしたが、学生たちは、水系のエネルギー資源と循環のトレイル、観光需要を活かした電動循環バスの提案、太陽光パネルと景観・農泊・芸泊・工泊、竹林を活用した地域・資源循環、バイオ炭を活かしたアグリツーリズム拠点と、それぞれのテーマに取り組み、地域の方々にもアンケートやインタビューなどで多くのご協力をいただきながら、最後まで粘り強く提案を行いました。

地域の皆様からは、農泊を進めていく上での可能性、居住者目線からみた太陽光パネルの景観評価、農業の持続可能性における初期コストの考え方など、多くの重要なご意見をいただき、最終発表会での議論は大変盛り上がりました。また、ぜひ実現したいと仰っていただいた提案も多くあり、とても嬉しいフィードバックをいただきました。
これからも、この取り組みを次の展開に向けて進めていきたいと思います。

那珂川市、南畑地区の皆様、本当にありがとうございました!!
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ラップランド大学から初の訪問

2024年7月16日(火)から26日(金)までの間、フィンランドのラップランド大学 キウォン・ナム博士が九州大学大橋キャンパスを訪問されました。これは、2023年10月にラップランド大学芸術デザイン学部と九州大学大学院芸術工学研究院・芸術工学府・芸術工学部との間で締結された部局間学術・学生交流協定に基づく初の公式訪問となりました。

ナム博士は、ソーシャル・イノベーションのためのサービスデザイン、共感デザイン、デザイン価値の研究を専門としており、滞在中に、芸術工学府ストラテジックデザインコースの授業「SD特別プロジェクトⅡ」に参加されました。また、芸術工学図書館ビジュアル&オーディオラウンジで開催の拡張現実アート展示会「North Meets South 北と南の出会い」(会期:2024年7月23日~2024年8月6日)では、解説サポートも務められました。

7月24日(水)には、大橋キャンパスにてキャンパスツアーおよび教員間ミーティングを実施し、芸術工学研究院から、ストラテジックデザイン部門のメラニー・サラントゥ教授、張彦芳准教授、徳久悟准教授、稲村徳州助教、羽山康之助教、芸工インターナショナルオフィスの下村萌助教が参加しました。両校の教育や研究プログラムの紹介に続き、今後の共同研究の可能性を探るための活発な討議がなされました。

この訪問を契機として、今後両校のさらなる協力関係の発展が期待されます。

【重要】令和7(2025)年度 博士後期課程入試【2025年4月入学(2次募集)】及び 令和7(2025)年度 博士後期課程入試【2025年10月入学(1次募集)】募集要項を 公開しました。

詳細は以下参照リンクからご確認ください。

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芸術工学図書館 サイエンス・プランター Vol.31:多次元デザイン実験棟改修の舞台裏

九州大学芸術工学図書館では、多次元デザイン実験棟の改修をテーマとするセミナーを開催します。

通称「多次元」と呼ばれるこの施設は、芸工生の創造の砦。
1年にわたる改修工事を経て、2024年6月にグランドオープンしました。
このセミナーでは、音響設備の改修を担当された山内勝也准教授を水先案内人として、ツアーも交えてその改修の舞台裏を掘り下げます。

「多次元」を深く知り、そして使い倒そう。

多次元デザイン実験棟改修の舞台裏 ―実験ホールの音響設計を中心に―

日時】2024年8月1日(木) 17:30-19:00
場所】九州大学大橋キャンパス 芸術工学図書館 1F 閲覧ホール
登壇】山内勝也(芸術工学研究院音響設計部門 准教授)

・イベント内で多次元デザイン実験棟の見学ツアーを実施
・申込不要、参加無料
・飲み物はペットボトルや水筒など、蓋の閉まるものをご持参ください。

サイエンス・プランターとは
九州大学芸術工学図書館が開催しているサイエンスカフェ形式の気軽な雰囲気のセミナーです。
芸工の教員や学生が行っている研究を紹介し、新たな興味の「芽」を育むことをコンセプトとしています。
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『天神車椅子トークセッション・街歩きイベント』を開催します!

国立研究開発法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST-RISTEX)でのSDGsシナリオ達成に向けた共創的研究開発プログラム(SOLVE for SDGs)シナリオ創出フェーズで環境設計部門 高取千佳准教授が研究代表者をつとめる「移動困難者の回遊・交流・社会参加を実現する公共空間マネジメントDXプラットフォームのシナリオ創出」のプロジェクトが、学生アプリ開発団体Diversと連携し、天神車椅子トークセッション・街歩きイベントを開催します。

普段、車椅子やベビーカーで外出している時に感じていることや困っていること、通りやすい場所や通りにくい場所などを出し合い、外出が今よりもラクに楽しめるようになるためのバリアフリーアプリを一緒に作ってみませんか?
車椅子やベビーカーの利用者、高齢者が通りやすいルートを目指して、安全・安心に暮らせる世の中を実現します。

どなた様でもご参加大歓迎です!!
ぜひ、みなさまのご参加をお待ちしております。

ご参加登録はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScQSlHm-2nuLZzxL2T1aEMkSbVX7keeLGSIFBeLReFn-Qvcnw/viewform


日時:2024年8月4日(日) 12:45~20:00

場所:株式会社ボーダレス・ジャパン福岡本社(〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神3-1-1 天神フタタビル4F)

参加費:街歩きイベント参加は無料。懇親会費 大人 1人2,200円、小学生 1人1,100円、未就学児 無料(懇親会のご参加は任意です。)

当日の流れ
①12:45-13:00 受付
②13:00-13:30 イベントに関しての説明
③13:30-14:30 天神のまちと移動困難者の回遊行動トークセッション
 司会 高取 千佳(九州大学大学院芸術工学研究院)
④14:30-16:30 DiversMapの必要な機能やルート探索アプリのデザイン性についてのワークショップ
⑤16:30-18:00 グループ別・車椅子まち街歩き(会場から舞鶴公園までグループ別に異なるルートで街歩きを行う)
⑥18:00-20:00 懇親会BBQ
 会場:舞鶴公園BBQ GARDEN(住所:〒810-0043 福岡県福岡市中央区城内2 舞鶴公園 三の丸広場内)

※受付時に名札をお渡しします。
※合間で写真撮影を予定しています。
※街歩きをしますので、動きやすい靴や服装でのご参加をおすすめします。

ハサヌディン大学訪問団が大橋キャンパスを訪問

2024年7月9日(火)、インドネシアのハサヌディン大学から、理学部の准教授アルミン・ラウィ博士と、さまざまな学部に所属する学生35名が九州大学大橋キャンパスを訪問されました。

訪問プログラムは、芸工インターナショナルオフィスによる芸術工学部と大学院芸術工学府の紹介から始まりました。ハサヌディン大学の学生からは、人文社会科学、国際関係学、数学といったさまざまな学問分野を「デザイン」と組み合わせて学びたいという意欲的な感想や、「環境設計コースで学ぶことができる内容は何か」「大学院入試にあたり、希望指導教員へ連絡を取る際に、修士研究の計画をどの程度詳細に決めておく必要があるか」といった具体的な質問も寄せられました。

その後、キャンパスツアーとして、工作工房、芸術工学図書館、多次元デザイン実験棟を見学しました。学生たちは職員からの説明に熱心に耳を傾けながら、大橋キャンパスの充実した施設や美しい景観に関心を示していました。

最後に、芸工のインドネシア出身の留学生2名が、大学院芸術工学府での研究内容を紹介し、奨学金や大橋キャンパスでの生活についても説明しました。

九州大学芸術工学部および大学院芸術工学府は、ハサヌディン大学工学部と複数部局間協定を締結しています。交換留学などを通じて、両校の交流がますます活発になることが期待されます。

Hsin-Ni Ho 准教授が国際学会EuroHaptics 2024にて「Best Paper Award: Honorable Mentions」を受賞

メディアデザイン部門のHsin-Ni Ho准教授が、触覚を通じて情報を伝達する技術・学問分野のトップ学会であるEuroHaptics 2024で「Best Paper Award: Honorable Mentions」を受賞しました。

対象となった発表論文は、フィンランドのアールト大学との共同研究の成果です。

著者:Tim Moesgen (Alto University), Hsin-Ni Ho (Kyushu University), and Yu Xiao (Alto University)
タイトル:Apparent Thermal Motion on the Forearm

本研究では、前腕の異なる場所に温かい刺激を少しずつ時間をずらして与えることで、肌の上を温かさが移動する感覚を作り出せることを示しました。また、この効果の最適なタイミングも特定し、触覚技術の進展に新たな可能性を明らかにしました。
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シリーズ演奏会「音楽と非人間」 第3回 – 笙

九州大学芸術工学部では、このたびシリーズ演奏会「音楽と非人間」の第3回を以下のとおり開催します。
一般の方もご参加いただけますので、みなさまのお越しをお待ちしております。

『音楽と非人間』第3回では、笙による演奏をお届けします。この楽器は古代中国の神話の女神が鳳凰の鳴き声と形を模したものが原形と言われています。日本には8世紀ごろに伝来し、現在に至るまでその形を保ってきました。演奏者のファビオ・ランベッリ氏はカリフォルニア大学・サンタバーバラ校で教鞭をとり、現在は雅楽の思想史に焦点を当てて研究を行っています。
プログラムの前半では《越殿楽》や《陪臚》など雅楽の古典曲が、後半はダリル・ゼミソン《デスカント (1)》より〈申の刻〉、ジョン・ケージの《One9》などの現代曲、さらにアフロ・ブラジルの伝統的な歌である《オグンデ》も演奏されます。笙が持つ音色とその幅広さを、間近で体験できるまたとない機会になるでしょう。


開催日時:2024年7月21日 (日) 16:00 – 19:00

会場:九州大学大橋キャンパス 音響特殊棟録音スタジオ

参加費:無料

定員:先着40名

お申込み:下記Peatixイベントページより、事前にお申込み下さい。
https://nonhumnmusic3.peatix.com/

プログラム
第1部:雅楽の古典曲
《平調調子》
《陪臚》
《太食調入調》
《越殿楽》
第2部:現代曲
ゼミソン・ダリル:《デスカント 1》より〈申の刻〉(2020)
リッカルド・ヴァリィニ:《母への手紙》(1991)
ジョン・ケージ:《One9》(1991)
アフロ・ブラジル民謡(ジョン・コルトレーン編):《オグンデ》(1967)

演奏者
ファビオ・ランベッリ(笙)
カリフォルニア大学・サンタバーバラ校 教授(日本の宗教・文化史)。氏は、密教と神道の記号論、物質性、儀礼体系について、特に日本の宗教史における超人間的な次元に焦点を当て幅広く刊行してきた。現在は雅楽の思想史について研究を行う。氏は笙と竽(う)を演奏し、豊英秋(ぶんのひであき)と真鍋尚之(まなべなおゆき)の両氏に師事。CDには、 彼のデュオであるNeo Archē(笙・雅楽琵琶)による『Pearls』(2023年)、『New Heritage』(龍笛・篳篥・笙、2023年)、フリージャズにおける笙の可能性を追求した『The Turning Point』(笙・ドラム、2024年)などがある(いずれもEdgetone Recordsからリリース)。

シリーズ・コンセプト
今年度の「音楽と非人間」というコンサートシリーズは、3年間の研究プロジェクトの一環で、前近代的で非西洋的な存在論に根差した日本の哲学と美学を基にして、人間の音と非人間の音の関係を新たな視点から解釈します。
作曲家たちは自然や精神的な要素との関わりを探求し、前近代の哲学や能楽の作品からインスピレーションを得ています。自然からのインスピレーションやフィールドレコーディング、伝統楽器を用いた現代音楽が交差し、不安定な時代において音楽を創り、聴き、共有する、(そして議論する)意味のある方法を定めていきます。

お問い合わせ先
九州大学大学院芸術工学研究 ゼミソンダリル
Mail:jamieson★design.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

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【メディア掲載】長津結一郎准教授が企画監修を務める「新しい演劇鑑賞教室」の紹介が放送されました

久留米シティプラザで2022年度から行っている「知る/みる/考える 私たちの劇場シリーズ」は、アーティスト独自の視点で時代をとらえ、表現方法をも模索し応答する意欲的な作品を紹介しています。このシリーズに合わせて、若者が作品を鑑賞するための入り口づくりを目指し、作品の鑑賞に参加者同士の対話の時間などを組み合わせたのが、ユースプログラム「新しい演劇鑑賞教室」です。
本教室は、久留米市の受託研究として、芸術工学研究院の長津結一郎准教授が企画監修・進行を務めています。

本教室の2024年度前期のプログラムとして、2024年5月26日(日)と6月15日(土)の2日間に渡り、沖縄を舞台にした演劇作品「ライカムで待っとく」を取り上げ、プレレクチャー、上演作品の鑑賞、対話を行いました。芸術工学部の臨時開設科目「身体表現演習特講」「アーツマネジメント特論」の一環として、受講生もまた、この「新しい演劇鑑賞教室」に参加しています。

その時の様子や受講生へのインタビューが、7月9日(火)にNHK「ロクいち!福岡」で特集として放映されました。7月16日(火)まで「NHKプラス」でアーカイブ視聴できますので、ご覧いただければ幸いです。
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