第13回 芸術工学部施設公開「デザインのふしぎ体験」を開催しました

2025年6月7日(土)、九州大学大橋キャンパスにて、第13回 芸術工学部施設公開「デザインのふしぎ体験」を開催しました。

当日は、こどもから大人まで幅広い年代の方々、1,012名にご来場いただき、キャンパスは終日、活気と笑顔に包まれました。
大橋キャンパスの研究室が中心となり実施した「芸術工学」の魅力を楽しみながら学べる各種展示・ワークショップ・体験ブースに加え、近隣地域からは飲食の露店も出店され、ご家族連れやお友達同士で楽しむ姿が多く見られました。

ご来場くださった皆さま、そして開催にご協力いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。
芸術工学部では、今後も地域の皆さまに開かれた教育・研究活動を続けてまいります。

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音響設計コースの学生らが2024年度 未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」に認定されました

大学院芸術工学府音響設計コース修士1年の後藤汰誓さんと、芸術工学部メディアデザインコース卒業生の大塚敏郎さんが、2024年度 未踏IT人材発掘・育成事業の「スーパークリエータ」に認定されました。

経済産業省所管である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、突出したIT人材の発掘・育成を目的として、2000年度から未踏事業(未踏IT人材発掘・育成事業)を実施しています。2024年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択され、修了した未踏クリエータの中から、特に卓越した能力をもった19名が2024年度の「スーパークリエータ」に認定されました。

プロジェクト名:「ユーザとモノのネットワーク体験を創作するためのARシステム」(通称:Monokko)

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Loh Ping Yeap助教が日本産業衛生学会にて「優秀査読者賞」を受賞

人間生活デザイン部門のLoh Ping Yeap助教が、日本産業衛生学会の学術誌「Journal of Occupational Health (JOH)」に掲載された多数の論文に対して、迅速かつ的確な査読を行い、2024年の学会誌の刊行に大きく貢献したことが評価され、「優秀査読者賞」を受賞しました。

ナラティブデザイン講座・授業制作の学生作品が「澁谷インディペンデント・フィルム・フェスティバル」でU22部門最優秀賞を受賞

九州大学大学院芸術工学研究院では、寄付講座「ナラティブデザイン講座」を開講しています。
本講座の2024年度後期に開講された臨時開設科目「ストーリーテリングデザインII」の授業課題として、受講生の奥大智さん(芸術工学部メディアデザインコース4年)が制作したCG映像作品『The Collector』が、「第2回 澁谷インディペンデント・フィルム・フェスティバル」において、U22部門 最優秀賞を受賞しました。

澁谷インディペンデント・フィルム・フェスティバルは、澁谷IFF実行委員会が主催する、若手才能の発掘とインディペンデント映画の魅力を伝える映画祭です。今回、優秀作品に選出された『The Collector』を含む14作品が、2025年5月18日に渋谷ユーロライブにて上映され、同日、最優秀賞の授賞式が行われました。

受賞に際し、奥さんからは「授業で制作した作品をいろいろな人に見てもらえてよかったです。」とコメントが寄せられました。



「The Collector」奥大智

人類滅亡後の未来、荒廃した地球に宇宙服姿の男がやってくる。男は地球に残された人類の文化を拾い集める。
作品リンク:https://youtu.be/CvW4nYWM0UY
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【メディア掲載】NHK「ロクいち!福岡」にて、未来構想デザインコース・尾方教授が福岡市のインクルーシブベンチについて評価・解説しました

5月27日(火)にNHK福岡で放送されたニュース番組「ロクいち!福岡」において、福岡市が市内の公園に導入を始めた、仕切りなどを減らした新タイプのベンチについて、芸術工学部未来構想デザインコースの尾方義人教授が、多様性や包摂性の観点からこの施策を評価し、コメントが紹介されました。
この新しいベンチは、座面の仕切りやひじ掛けを減らし、座面を広く取ることで、さまざまな人が使いやすいように設計されています。

なお、2024年6月にも、同番組で尾方教授の解説が紹介され、『仕切りのあるベンチ』の問題点について指摘していました。

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「スタジオプロジェクト2022~2024年度報告書:聴覚障害と音楽~だれもが楽しめる音楽を目指して~」を発行しました

九州大学大学院芸術工学府では、さまざまなコースの学生が課題解決に向けて集まる科目「スタジオプロジェクト」において、2022年度より「聴覚障害と音楽」をテーマとした授業を開講しています。
このたび、2022年度から2024年度までの3年間の歩みを報告書にまとめました。
これまで本授業で取り組んできたことが、障害の有無を問わず、音楽鑑賞の幅を広げたり、奥行きを深めたり、実施する側の引き出しの数を少しでも増やす方向に役立てていただければと考えています。

報告書は、以下のリンクよりご覧いただけます。

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現代実践フォーラム リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

九州大学大学院芸術工学研究院では、以下のとおりリサーチャー・トークを行います。

リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

日時:2025年5月28日(水)18時30分-20時00分
会場九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F
使用言語:日本語(スライド:英語、Q&A:日・英)
参加費:無料
主催:九州大学大学院芸術工学研究院、令和3年度大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
お問い合わせ先:九州大学大学院芸術工学府 藤墳 fujitsuka.shoko.392@m.kyushu-u.ac.jp


音楽は、文化や時代を超えて人間の芸術的経験を深く形作ってきた。しかし、音楽が実際に心身にどのような影響を及ぼすのかはまだ十分には理解されていない。本講演では、脳の予測処理を通じて、音楽がどのようにして身体感覚や情動を引き起こすのか、その過程に焦点を当てる。特に近年、音楽の不確実性と予測誤差の時間的な「ゆらぎ」が、心臓や腹部に限局した身体感覚や情動を引き起こすこと、さらに、これらの身体感覚が美的評価と関連していることを示した。本公演ではこれらの知見に基づいて、脳の予測処理に基づく、音楽の情動と身体化に関わる認知メカニズムについての新たな仮説を提案する。


大黒達也|
東京大学大学院情報理工学系研究科・次世代知能科学研究センター准教授で、創造性、音楽、言語、神経科学、認知科学、機械学習など多分野を横断する研究を展開する研究者。東京大学にて医学博士号を取得後、オックスフォード大学およびマックス・プランク人間認知・脳科学研究所での研究を経て、現在はケンブリッジ大学で客員研究員、広島大学では客員准教授を務め、2024年より現職に着任。彼の研究は、人間が音楽をどのように知覚し、学習し、創造するのかという問いを出発点とし、音楽の背後にある脳の創造性のメカニズムを神経科学的手法と計算モデルによって領域横断的に探求するものである。東京大学ではCreativity & Music Labを主宰し、感性と創造の神経基盤を探る教育・研究に従事しているほか、一般向けにも積極的に発信しており、『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』(光文社新書)や『音楽する脳』(朝日新書)といった著書を通じて、脳科学と芸術表現の接点について広く論じている。
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カリーナ・ニマーファル≪非同時的なモノたち:帝国と環境≫展

九州大学総合研究博物館の公開展示「博物の森で遊ぼう」内で、芸術工学部特別展示として、「カリーナ・ニマーファル ≪非同時的なモノたち:帝国と環境≫」展を開催中です。

会期:2025年5月17日(土)〜6月15日(日)の土・日曜日(全10日間)10:00〜16:00

会場九州大学箱崎サテライト(旧工学部本館1階146室)

入場料:無料

主催:科学研究費助成事業 基盤研究(C)「大学博物館におけるアート・インターベンションに関する理論調査と展示実践」(課題番号:24K03582 / 研究代表者:結城円 九州大学)

協力:九州大学総合研究博物館/九州大学大学院芸術工学研究院/オーストリア連邦芸術・文化・公務・スポーツ省/遊花遊月


芸術工学研究院の招へいにより、オーストリア人のアーティスト、カリーナ・ニマーファル氏が、能古島のアーティスト・イン・レジデンス「遊花遊月」の協力のもと、2025年2月から3月にかけて約2か月間福岡に滞在し、九州大学総合研究博物館のコレクションを調査しました。その成果が、二部構成のアートプロジェクトとして結実しました。

第1部は、2025年3月に大橋キャンパスで開催された展示です。博物館に収蔵されていた歴史的な木製家具をキャンパス内のギャラリースペースに移設し、デザイン、林業、環境史、帝国主義、物質的な知、超歴史的な展示実践、展示戦略といったテーマを含む資料とともに展示を行いました。

プロジェクトの第2部は、現在、九州大学総合研究博物館にてご覧いただけます。館内に、“カフェのような読書室”を出現させるアート・インターベンション(芸術の介入)を行っており、本作は、林業、生物多様性、そして第二次世界大戦前後の日本の木材貿易の歴史に関する大学コレクションを出発点としています。
本展では、大学コレクションを新たな視点で捉え直すアーティストによる語りのテキストを中心に据え、アーティスト自身の調査や制作プロセス、芸術と科学の関係性についての考察などが織り込まれています。さらに、それらのテーマやモチーフは、展示されている書籍や資料の中にも再発見することができます。ぜひ時間をかけて、ご自身の興味に導かれるままに、多様な資料を手に取ってご覧下さい。

最終日・6月15日(日)に予定されている、九大博物館展示室内でのカリーナ氏による朗読パフォーマンスイベントにつきまして、実施時間が以下のとおり変更となりました。
【変更前】13時、14時、15時の3回実施予定
【変更後】11時〜、14時〜の2回実施



アーティスト紹介|カリーナ・ニマーファル(Karina Nimmerfall)

ベルリンとケルン(ドイツ)を拠点とするビジュアルアーティスト・教育者。ドキュメンタリー手法とスペキュラティブなアプローチを融合させ、彫刻インスタレーションや言葉とともに、写真、コンピューター生成画像、映像表現などの形態を織り交ぜた作風をもつ。これまでに、カメラオーストリア(グラーツ、オーストリア)、MAKセンター・フォー・アート・アンド・アーキテクチャー(ロサンゼルス、米国)、BAWAGコンテンポラリー(ウィーン、オーストリア)、ブカレスト・ビエンナーレ3、第8回ハバナ・ビエンナーレ(キューバ)などで国際的に作品を発表。また、2018年のアルフリート・クルップ・フォン・ボーレン・ウント・ハルバッハ財団の「ドイツ現代写真フェローシップ」をはじめ、数々の賞を受賞している。

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九州大学と台湾の大学による先端技術融合国際ワークショップを開催しました

2025年5月7日から9日にかけて、台湾国立成功大学計画デザイン学部建築学科の劉舜仁教授と、国立台湾師範大学芸術学院デザイン学科の長友大輔准教授が学生を引率し、九州大学大橋キャンパスを訪問されました。
今回の訪問は、九州・沖縄地区11の国立大学法人による「九州・沖縄オープンユニバーシティ(KOOU)」と、台湾の大学群学術プラットフォーム「The University Academic Alliance in Taiwan(UAAT)」との国際連携協力プロジェクト『Research on the Sustainable Design Application of Direct Ink Writing 3D Printing Utilizing Circular Materials and Artificial Intelligence Technology』の一環として実施されたものです。

来校期間中、芸術工学研究院の斉藤一哉准教授の主催により、セラミック(建築)3Dプリンタとサステイナビリティ、AI技術をテーマとしたワークショップを開催しました。本ワークショップでは、参加学生たちが、セラミック3Dプリンタと建築3Dプリンタを活用し、サンゴ礁再生支援に焦点を当てた独創的なプロトタイプモデルを制作しました。

来月には、台湾国立成功大学にて、第2回となる共同ワークショップの開催が予定されています。今後も、三校間における学生交流のさらなる発展が期待されます。
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茂田 幸乃