紀要「芸術⼯学研究38号」を発⾏しました

半期に⼀度発⾏しております研究紀要について、令和5年3⽉27⽇付けで38号を発⾏しました。
掲載論⽂等は「九州⼤学学術情報リポジトリ」からダウンロードの上、ご参照いただけます。


38号⽬次

1.研究論文
芸術工学のギリシア的起源
ソクラテス、プラトン、アリストテレスにおける有機的技術論
著者:古賀 徹

2.資料
加速手拍子としてのヴァイキング・クラップ
インターネット上の動画を対象としたデータの整理と検討
著者:閻 璐、矢向 正人

表紙作品:
栗山 斉,《symbiosis》(部分),2019年,ネオン灯、アルミニウムなど,H1200×W2800×D150mm ©Hitoshi Kuriyama

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【メディア掲載】 「ピクトグラムとジェンダー」に関する記事が掲載されました(西日本新聞朝刊)

西日本新聞 2023 年3 月27 日(月)朝刊1面に、特集記事『ピクトグラムに残る偏見?トイレ案内の表現、模索続く識者「時代に合った表現を」』が掲載されました。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1072402/

トイレのピクトグラムを通して、「分かりやすさと性の固定観念」について考える特集記事です。
芸術工学研究院 伊原久裕教授、尾方義人教授のコメント、また、芸術工学部の教員や学生が試作したジェンダーニュートラルのピクトグラムも紹介されています。

「ピクトグラムとジェンダー」に関する以下の関連記事と併せて、ぜひご一読ください。



【関連記事】

これまでのジェンダー展の図録
これまで社会包摂デザイン・イニシアティブが展開してきたジェンダー展「ジェンダーとピクトグラム」展、「ひとがたとジェンダー」展、「色とジェンダー」展などの図録を下記リンクからご覧いただけます。
https://www.didi.design.kyushu-u.ac.jp/archive/zuroku/

「ジェンダーバイアスをデザインで取り除く」
芸術工学研究院では、学生が中心となり、2023 年7 月に開催されるFINA世界水泳選手権2023 福岡大会に向けて、ピクトグラムと会場外の誘導サインをデザインしました。例えば、本研究院が提案した「案内所」のピクトグラムは、受付員と利用者の性別を固定化しないジェンダーニュートラル・ピクトグラムとなっています。
https://www.didi.design.kyushu-u.ac.jp/sekaisuiei-pictogram/
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【学生の受賞】第20回『美術教育学』賞奨励賞

 大学院芸術工学府博士後期課程の髙石萌生さん(長津研究室)が美術科教育学会の学会誌『美術教育学』に投稿した研究論文が、第20回『美術教育学』賞奨励賞に選ばれました。

 美術科教育学会は、美術教育に関する研究協議を行い、美術教育の学術振興に資することを目的とした学会です。
『美術教育学』賞奨励賞は、本学会の将来を拓くことが期待される清新で可能性に満ちた研究成果を称揚し、本学会誌の質の向上と本学会の活性化を図ることにより、美術教育学研究の発展に寄与することを目的として設けられたもので、前年度の本学会誌掲載論文を選考対象としています。



受賞論文
「障害者の社会包摂における「差異」と「障害」の認識 -Chickenshed(英国)の舞台芸術活動に関するインタビューを基に- 」
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small storm side(第49回日新工業建築設計競技 佳作)

プールとは人工的な自然 つまり”ささやかな嵐”であり、
ささやかな嵐とダンスを踊る場所がプールサイドなのである。

砂粒が挟まったノート、部屋に垂れた水滴を踏むこと、床に落ちたパン屑、
さまざまな不潔から距離をとろうとした結果 わたしたちの自由は身動きが取れなくなっている。

ここはプールサイド。
床はざらざらとして所々湿っているし水飛沫でノートの文字が滲んだりする。
雨の日は増水にドタバタと騒いで暑い日はシャワーを浴びて濡れた身体のままランチを頬張る。
日光浴しながらの読書で肌は小麦色 ついつい水やりをする植木が増えてジャングルと化す。

ささやかな自然のそばで暮らすわたしたちの毎日は
前よりも少し乱暴で 逞しい。
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社会包摂デザイン・イニシアティブ連載コラム最終回のお知らせとアンケートのお願い

2022年10月に開始し、半年間に渡って連載してきた社会包摂デザイン・イニシアティブ(DIDI)のコラムシリーズ『横からすいません。 ― デザイナーが社会包摂考えます。』が、3月28日で最終回を迎えました。

全26回のコラムでは、ジェンダー、子育て、障害、外国人など多方面の話題に触れながら、社会包摂とデザインについて考えてきました。

また、毎回掲載しているアンケートは、集計・分析の上、ご報告させていただきます。今からでもぜひご回答下さい。

コラムでは毎回、「リーガル・デザイン・ディクショナリー」として、関連する法律やルール、用語を紹介してきました。ぜひ、関心あるトピックのコラムを今一度ご覧いただき、その分野にどのようなルールが関わっているかも見ていただきたく思います。

私たちの身近なあらゆる場面に、様々なルール(法律や、明文化されていない慣習なども含む)が関わっています。多様な人々が共に生きる包摂的な社会を築こうとする際、これらのルールを避けては通れません。
「困っている人がいて、その困り事を解決したいが、既存のルールが壁となる」という場面は多々あるでしょう。その場合、そうしたルールがいつ、どんな目的で、どのようにつくられたのか、よく知らねばなりません。また、ほかにも複数のルールが関わっているかもしれませんし、逆に「困り事を解決するのに役立つルール」があれば、それを使うことも有効でしょう。ときにはルールを変えたり、既存のルールを廃止する、あるいは新しいルールをつくる必要も出てくると思います。
そのような「社会包摂とリーガル」について、DIDI では2023 年度も引き続き考察を深めていきます。

コラムの連載は完結しましたが、特別号や時評は時々発信していきます。引き続き、よろしくお願いします。
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大野城市庁舎にプロジェクションマッピングを実施します!

芸術工学研究院と大野城市との連携協定に基づき、大野城市市制50 周年記念事業としてプロジェクションマッピングを実施します。

⼤野城市の過去・現在・未来における「想い」を次の世代に繋いでいくを作品のコンセプトに掲げ、シビックプライドの醸成を図り、市内外に⼤野城市の魅⼒を広く発信することを目的とし、メディアデザインコースの学生が中心となって制作しました。

最先端の技術を活用した新たな「驚き」や「感動」を一緒に体感してみませんか?





会場:大野城市役所まどか広場、大野城市役所南駐⾞場

日時:
・令和5年3月31日(金)午後7時30分から午後8時
・令和5年4月1日(土)  午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月2日(日) 午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月8日(土) 午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月9日(日) 午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月15日(土)午後7時30分から午後8時
・令和5年4月16日(日)午後7時30分から午後8時
・令和5年4月22日(土)午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月23日(日)午後7時30分から午後8時(注)
・令和5年4月29日(土)午後7時30分から午後8時
・令和5年4月30日(日)午後7時30分から午後8時

(注)選挙が実施される場合は、選挙に影響する日程でのプロジェクションマッピングとそれに伴う駐車禁止は行いません。中止の場合は、次の⼤野城市ホームページにてお知らせします。
http://www.city.onojo.fukuoka.jp/index.html

通行止め・駐車禁止
プロジェクションマッピング実施に伴い、大野城市役所南駐車場が利用できません。
また、3月31日(金曜日)のみ一部区間で通行止めを行ないます。

制作担当教員
金  大雄(芸術工学研究院メディアデザイン部門 教授)
石井 達郎(芸術工学研究院メディアデザイン部門 准教授)
田上 健一(芸術工学研究院環境設計部門 教授)
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卒業・修了おめでとうございます!

令和5年3月20日(月)椎木講堂での九州大学学位記授与式後に、大橋キャンパスでは芸術工学部・芸術工学府の学位記の授与が行われ、学生表彰式及び卒業・修了祝賀会が挙行されました。
当日は午後から雨模様となりましたが、晴れやかな笑顔が溢れ、同級生や先生方と語らう姿が印象的でした。

この困難な状況の中、学びを修められた卒業生・修了生の皆さん、おめでとうございます!

これからのご活躍を期待しています。

第15回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2023) で学生が4件受賞

2023年3月5日(日) ~ 3月9日(木)に開催された「第15回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2023) 」において、コンテンツ環境デザイン研究室(牛尼研究室)に所属する芸術工学部および芸術工学府の学生4名が受賞しました。


【株式会社リクルート賞】
▪Text2Imageモデルを利用した楽曲歌詞に基づくサムネイル画像生成:
 佐々木 翔一(芸術工学府メディアデザインコース修士1年)、 牛尼 剛聡(芸術工学研究院)


【学生プレゼンテーション賞】
▪プロンプト・プログラミングによる小説挿絵の自動生成:
  久永 龍星 (芸術工学部芸術情報設計学科4年)

▪オンラインレビューに関する自己教師あり学習を利用した説明性を有するPOI推薦手法:
  片山 一 (芸術工学府メディアデザインコース修士1年)

▪ニュースコメントに関する対照学習を用いたニュースの潜在的な関係性の可視化:
  高橋 陸 (芸術工学府メディアデザインコース修士1年)
参照リンク

【研究紹介】九州大学Webサイトに上田和夫准教授の研究紹介が掲載されました

九州大学Webサイトの「芸術工学研究院 研究紹介」ページに、音響設計部門  上田和夫准教授の「劣化音声の知覚的修復:音声の断片をつなぎ合わせて意味のあるまとまりにする聴覚の働きとその限界」が掲載されました。

下記参照リンクよりぜひご覧ください。

参照リンク

長崎県波佐見町にて授業成果展示「波佐見マッププロジェクト」を 3月15(水)~26(日)に開催

大学院芸術工学研究院と長崎県東彼杵郡波佐見町は、創造的・多元的なまちづくりに係わる調査・事業の実施について連携・協力し、先進的なまちづくりモデルを構築することを目的として、2020年11月12日(木)に連携協力協定を締結しました。

2022年夏学期に開講した大学院芸術工学府スタジオプロジェクト科目「波佐見町マッププロジェクト」は、その一環として行った授業です。
今回、波佐見町ご協力のもと、波佐見町歴史文化交流館にて授業の成果展示を行うことになりました。プロジェクトの成果として、地図を用いたリーフレット、案内サイン、特大テーブルマップなどを展示いたします。

是非、ご高覧の程よろしくお願い致します。

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「波佐見マッププロジェクト プロジェクト成果展示」
会期:3月15 (水)~3月26 (日) 9:00-17:00
場所:波佐見町歴史文化交流館 1 階 ワークスペース 
     〒859-3702  長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷1010−1
入場:無料
主催:九州大学大学院芸術工学府 伊原研究室・田上研究室・工藤研究室
後援:波佐見町
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「波佐見町マッププロジェクト」について
この授業は、地図というメディアを介して、波佐見町にある中尾郷と鬼木郷とをつないでゆくことを目的としたプロジェクトです。大学院芸術工学府で2022年夏学期に開講したスタジオ科目として実施しました。
プロジェクトでは、 2022年6 月から7月にかけて、参加学生たちが 二度にわたって現地を訪問しました。電動自転車に乗って現地をめぐり、中尾郷と鬼木郷の地理特徴、歴史、くらしについて調査を行いました。既存の文献や観光マップなども参考にしつつ、現地調査を通して、地理学的視点から両地域の特性を探り、その内容を可視化する方法について検討を行いました。また、将来 両地域を訪問する来訪者が散策にあたって役立つことを念頭においた案内サイ ンやガイドマップなどの情報案内ツールも制作しました。二度目の訪問では、鬼木郷の福田清人邸でこれらの調査と提案について中間報告を行い、地元の方々と意見交換を行いました。
プロジェクトの成果として、地図を用いたリーフレット、案内サイン、特大テーブルマップなどを展示いたします。

[参加学生]
袖岡 真之 西村 息吹 宋 禹萱  土持 圭貴 七條 花恋 徳丸 倖汰 直塚 大成 青木 万由子 兒玉 真太郎 
イム・ドンファン(TA)

[授業担当教員]
伊原 久裕(芸術工学研究院メディアデザイン部門 教授)
田上 健一(芸術工学研究院環境設計部門 教授)
工藤 真生(芸術工学研究院メディアデザイン部門 助教)

添付ファイル
参照リンク

日本アートマネジメント学会九州部会・文化経済学会<日本>九州部会連携企画 研究発表会

日本アートマネジメント学会九州部会と文化経済学会<日本>九州部会では毎年3月に合同研究発表会を実施しています。特にテーマは設けず自由論題とし、会員同士が刺激を与え合い、それぞれの関心領域において新たな視点を得て一層発展する契機になることを願っております。



日本アートマネジメント学会九州部会・文化経済学会<日本>九州部会連携企画 研究発表会
◆日 時:2023年3月12日(日)14:00~17:30
◆会 場:九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F(福岡市南区塩原4-9-1)
◆参加費:無料(非会員の方も参加できます)

◆参加申込: 参加を希望される方は、3月10日(金)までにこちらからお申し込みください。
◆お問い合せ先: 日本アートマネジメント学会(JAAM)九州部会事務局 jaam.ksb@gmail.com


<プログラム>
■受付 13:30〜 
総合司会:長津結一郎(九州大学、日本アートマネジメント学会九州部会)

■研究発表会 第1部 14:00~15:35 
座長:岩本洋一(久留米大学、文化経済学会<日本>)
14:00~14:05 開会の挨拶:志村聖子(相愛大学、日本アートマネジメント学会九州部会)

14:05〜14:35 発表1
ドクメンタにおける芸術監督制の形成過程に関する考察
山口祥平(大分県立芸術文化短期大学准教授)

14:35〜15:05 発表2
古楽音楽祭は「古楽」を扱いながら、どう社会とつながれるのか?―ユトレヒト古楽音楽祭にみる革新性と同時代性―
志村聖子(相愛大学音楽学部准教授)

15:05〜15:35 発表3
NFTアートの可能性――美学とアートマネジメントの視点から
荻野哉(大分県立芸術文化短期大学教授)

休憩(15:35〜15:55)

 


■研究発表会 第2部 15:55〜17:30
座長:志村聖子(相愛大学、日本アートマネジメント学会九州部会)

15:55〜16:25 発表4
地域において個人の主体性獲得を促す文化事業のプラットフォーム
佐々木奏(九州大学大学院芸術工学府修士2年)

16:25〜16:55 発表5
「アート」の片思い ~福祉をメインに、国の縦割りを考える。~
稗田猛典(行政職員)

16:55〜17:25 発表6
舞台技術者にとっての社会包摂の意識に関する予備調査 〜文献調査による歴史的整理を通じて
長津結一郎(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)

17:25〜17:30 閉会の挨拶:岩本洋一(久留米大学、文化経済学会<日本>)
参照リンク

社会包摂デザイン研究会・勉強会:脚本家 港岳彦氏講演「社会包摂と創作活動」を3/22に開催

社会包摂デザイン・イニシアティブ シビックデザインラボでは、社会包摂デザイン研究会・勉強会として、脚本家 港岳彦氏に「社会包摂と創作活動」をテーマに講演いただきます。

2022年の国連の審査結果からも、マイノリティや当事者を理解し、寄り添い、意見や意思を汲み取りながら、制作、創作できるデザイナーや技術者が日本に希求されています。
マイノリティに関する映画の脚本制作に数多く携わってこられた港岳彦氏に、どのように執筆をされているのかについてお話いただきます。
現地調査、インタビュー、関連書籍の読み込み、過去の経験の言語化など、シナリオ作成をどのような手段で行なっているのか、また、マイノリティを描く際の手立てや教育現場でどのように社会包摂の実現へ向かう人材を育成するべきかなども伺います。




開催日時:3/22(水) 14:00−15:10 
開催方法:対面+オンライン
会場:九州大学大橋キャンパスデザインコモン2階
参加費:無料
定員:会場参加は定員50名、オンライン参加は定員100名まで
     ※申込み先着順となります
     ※下記リンクより事前にお申し込みください。

聞き手:芸術工学研究院メディアデザイン部門  工藤真生助教
担当:社会包摂デザイン・イニシアティブ シビックデザインラボ 尾方・工藤


脚本家 港岳彦氏の主な作品
『蜜のあわれ』
『夏美のホタル』
『あゝ、荒野 前篇・後編』
『宮本から君へ』
『CHAIN/チェイン』
『MOTHERマザー』
『とんび』

代表作 「とんび」紹介
監督/瀬々敬久 脚本/港岳彦 原作/重松清
出演:阿部寛、北村匠海、薬師丸ひろ子、杏
(2022年製作/139分)
「とんび」が描くのは、母を喪った子どもと父が、単身家庭で懸命に生きていく姿です。学もなく暴れん坊だが、人一倍子煩悩な昭和の父。「とんびが鷹を生んだ」と言われるほど対照的な優等生の息子。そんな父子を支えるのは、子のない夫妻やかつて子を捨てた母、そして凛とした生き方を貫くシングルマザーです。血のつながりではなく、社会の宝である子どもを未来につなぐために奮闘する大人たち。その姿が笑いと涙の中で生き生きと描かれています。

添付ファイル
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