ジェンダーギャップ指数(2023年)について【社会包摂デザイン・イニシアティブ センター長のメッセージと解説】

世界経済フォーラム(WEF)は、各国のデータをもとに男女格差を評価した「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)の2023年版を6/21に発表し、日本の「ジェンダーギャップ指数」が過去最低の125位と報じられました。

社会包摂デザイン・イニシアティブ デザインシンクタンクでは、「2023 ジェンダーギャップ指数(GGI)」の指標そのもののしくみの解説と分析を行っています。

指数は、男女格差を総合的に評価し、経済参加、教育到達度、健康と生存率、政治参加の4つの分野における14の変数を考慮して算出されます。日本は特に政治的エンパワーメントにおいて低いスコアであり、ジェンダー平等を達成するにはまだ長い時間がかかると予測されてますが、ジェンダーエクイティとジェンダーパリティの概念を示し、包括的な目標を追求する指標として、解説しています。

詳細は、社会包摂デザイン・イニシアティブのウエブサイト【時評:ジェンダーギャップ指数2023について】からご覧ください。

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【学生の受賞】マイクロシネマコンテスト2022-2023で特別賞を受賞

授業「メディアデザイン総合プロジェクトⅡ 」で、学部メディアデザインコース 知足研究室の学生4名が制作した短編映像『後ろ髪を断つ -少女が髪を切るだけの話-』 が「マイクロシネマコンテスト2022-2023」において特別賞を受賞しました。

Micro Cinema Contest(マイクロシネマコンテスト)は、「ふるさと」のエッセンスを作品中に織り込み、ショートよりももっと短い、5分以内の超短編の “Micro Cinema” で表現するコンテストです。
受賞作品はこちらからご覧ください。


制作者:大久保 あすみ、於保 杏咲、宮田 郁、黄安怡(知足研究室)

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障害を有する人との映画制作プロジェクト part02  ーキックオフレポートー       

2022年12月に始まった『障害を有する人との映画制作プロジェクトpart 01』では、福岡で活躍する高村剛志監督(代表作:ショートショートフィルムフェスティバル2023ノミネート『Scabiosa』)と知的障害を有する古川加恵さんのタッグで、古川さんの小さい頃の記憶を題材に映画制作を行いました。この映画は2023年6月に完成予定です。

本プロジェクトのヴィジョンは、映画とその制作プロセスを通して起こったことを社会に向けてメッセージ(映画上映・研究・シンポジウム・ワークショップ)として発信することです。
障害を有する人との映画制作プロジェクトpart 01の振り返りの中で、メンバー全員が「障害とは何か」「知的障害者とは何か」「自己表現とは何か」「映画とは何か」について深く理解をする必要があり、そのためには最低でも1年程度、敢えて明確な期間のゴールは設けず時間をかけて知的障害者と共に体験を共有する必要がある、という結論に至りました。

そのため、第二弾となるpart02では、知的障害者とメンバーでのワークショップを複数回密に行い、その中で得られたことを映画制作のベースにすることにしました。
2023年6月9日(金)・10日(土)の2日間でキックオフミーティングや施設見学を下記のとおり実施しました。
来月は、瀬々敬久監督による知的障害を有する人とのカメラや映写機・フィルムを使ったワークショップを行います。ワークショップの様子は、改めてご報告いたします。

※知的障害を有する方の写真については、本人及び保護者、福祉事業所理事長、施設長の許可を得て掲載しております。



障害を有する人との映画制作プロジェクト part02  ーキックオフレポート詳細ー


障害を有する人との映画制作part02 メンバー(敬称略)
▪映画監督 瀬々 敬久
 代表作:『護られなかった者たちへ』『ラーゲリより愛を込めて』『春に散る』等
▪脚本家 港 岳彦
 代表作:『MOTHER』『あゝ、荒野』『アナログ』『正欲』等
▪映画監督・博士課程大学院生 石田 智哉
 代表作:『へんしんっ!』監督・企画
▪障害歯科学会理事・JOY明日への息吹理事 緒方 克也
▪九州大学グローバルイノベーションセンター准教授 早渕 百合子(環境教育、環境心理)
▪九州大学大学院芸術工学研究院准教授 高取 千佳(都市計画)
▪九州大学大学院芸術工学研究院助教 工藤 真生(ピクトグラム&サイン計画デザイン、障害学)
▪撮影:芸術工学府メディアデザインコース修士2年 星野 純平


プログラム
▪2023年6月9日(金)
 14:30-16:30 障害者生活就労支援施設 社会法人野の花学園 なのみ学園 見学
▪2023年6月10日(土)
 10:00-12:30 障害福祉サービス 就労継続支援B型事業
        社会福祉法人 JOY明日への息吹 アトリエブラボォ(絵画)見学
        古川加恵さんと瀬々監督、港先生の対談
 13:30-15:30 キックオフミーティング(九州大学大橋キャンパス×オンライン ハイブリッド開催)


詳細レポート
2023年6月9日(金)
◉社会福祉法人野の花学園 なのみ学園 見学
なのみ学園では、知的障害を有する人がどのような内容を『仕事』としているのか、その様子を見学しました。
本学園には、就労継続支援B型42名、自立訓練(生活)12名、就労移行支援6名の実施事業があります(人数は定員)。障害福祉サービス体系による、従事内容の違い、利用者の障害の程度、年齢の違いなどを見学しました。見学中は、ご案内頂いたなのみ学園施設長永島千恵様はじめ職員の方へ、たくさんの質問が飛び交いました。

2023年6月10日(土)
◉JOY明日への息吹 アトリエブラボォ(絵画)見学
JOY明日への息吹 アトリエブラボォでは,知的障害・自閉スペクトラム症を有する人が、絵画制作を『仕事』としています。1人ひとりの絵を見ながら、対話をしました。

◉古川さんとの対談
『障害を有する人との映画制作プロジェクトpart 01』で初めて映画制作に取り組んだ古川加恵さんと、瀬々監督、港先生の対談。映画制作はどうだったか、何が一番大変だったのかなど質問の後、急に古川さんに「好きに撮ってみて」とスマホを渡す瀬々監督。古川さんは窓の外の葉っぱを1分ほど撮影しました。撮影後、瀬々監督から古川さんに「何をズームしたの?」「どうだった?」などの質問攻め。瀬々監督も、自分でスマホで撮影した映像を古川さんに見せて感想を聞いたりしながら、対話を重ねました。

◉キックオフミーティング
キックオフミーティングでは、オンラインで石田監督も参加しました。
このプロジェクトのミッションとヴィジョンを共有すると共に、以下3点をテーマにフリートークを行い、それぞれのメンバーの思いを共有しました。
 ① 障害者施設見学の印象
 ② 本プロジェクト参画のモチベーションは何か? 興味の対象は?
 ③ 知的障害・障害について、幼少期、小学校、中学校、高校、大学、社会に出てからどのように考えていたか

「言葉だけでないところでどのような表現ができるか」
「知的障害者の心理を紐解いていきたい」
「価値観が変えさせられる気がする」
「知的障害者は劇映画をどのように楽しんでいるのか」
など、意見やこのプロジェクトへの思い、疑問が多く挙げられました。

③ ”障害をどのように考えていたか”については、石田監督より「移動」と「障害」の関係について話題が挙がりました。石田監督自身、中学1年生の頃に電動車椅子で自分が行きたいところに行けるようになったことが自身の障害を捉える変化として大きかったこと、移動ができることでやりたいことが出てきた、やりたいことへの関わり方も変わっていったとのことでした。主体性、意思決定が個人史におけるアイデンティティ形成に重大な役割を与えることを感じました。
昨年9月、国連の『障害者の権利に関する条約』の審査結果の1つでも指摘があった通り、父権主義的なアプローチ(障害を有する人に代わって意思決定する)ではなく、このプロジェクトも、あくまで障害を有する人が主体であるということ、また、障害を有する人の自律性、意思、好みを尊重するプロセスと人的環境づくりを大事にしていこうと改めて思ったところでした。

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K-Nets未来システムデザイン研究部門 社会実装デザインプロジェクト

芸術工学研究院未来共生デザイン部門の尾方義人教授が主要メンバーとして参画する九州大学ネガティブエミッションテクノロジー研究センター(K-NETs)では、「DAC技術(membrane-based Direct Air Capture)」の社会実装に向けて、産学連携しさまざまな研究開発に取り組んでいます。
DAC技術は、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の藤川茂紀主幹教授(K-NETsセンター長)が開発中の、大気中の二酸化炭素の直接回収を可能とする革新的な技術です。

尾方教授はK-NETs未来システムデザイン研究部門長として、技術をどのように使うか、どのように社会に適応させていくか、そのためにはどのようなコミュニケーションが必要かを、総合知としてのデザインの立場から、プロダクトデザイン、グラフィックデザイン、サービスデザインだけでなく、社会づくり・未来づくりのデザインとして進めています。

本研究開発においては、九州大学と共同開発を行う双日株式会社が2023年5月に新会社「Carbon Xtract(カーボンエクストラクト)株式会社」を設立するなど、九州大学発の革新的なDAC技術を社会実装へ結びつけ、カーボンニュートラル実現への取り組みを加速推進しています。

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【学生の受賞】「桧原桜公園モニュメントデザイン画募集」で最優秀賞

大学院メディアデザインコース修士1年の永江春紀さん(知足研究室)が「桧原桜公園モニュメントデザイン画募集」で最優秀賞を受賞しました。

福岡市南区にある桧原桜公園は「桧原桜物語」のエピソードを持つ特色ある公園です。
桧原桜公園の拡張整備を行うにあたり、さらに魅力的な公園となるよう、「桧原桜」をテーマとしたモニュメントを設置します。

最優秀賞を受賞した永江さんのデザイン画は、2023年度(令和5年度)以降 にモニュメントとして製作・設置予定です。
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【8/5開催】第11回九州大学芸術工学部大公開!~デザインの未来へようこそ~

九州大学芸術工学部では、2023年8月5日(土)に施設公開「第11回九州大学芸術工学部大公開!~デザインの未来へようこそ~」を開催します。

今年度も昨年に引き続きみなさまをお招きして、子どもから大人までを対象に、「芸術工学」の魅力を楽しみながら学べる企画をたくさんご準備しております。
体験型の企画も多数用意しており、自由研究にもご活用いただけます。
ぜひこの機会に芸工生と一緒に新しいデザインの未来を切り開いてみませんか?

みなさまのお越しをお待ちしております!

各企画の詳細や最新の情報は、施設公開特設ページ施設公開Facebookページでご確認ください。



「第11回九州大学芸術工学部大公開!~デザインの未来へようこそ~」

日時】2023年8月5日(土)10:00~16:00
場所】九州大学大橋キャンパス
料金】無料
対象】子どもから大人までどなたでも。高校生・受験生の参加も大歓迎です!
お問合せ】九州大学芸術工学部事務部総務課 企画・広報係
      TEL:092-553- 4442
      メールアドレス:gkskoho@jimu.kyushu-u.ac.jp

※企画内容など詳細は随時更新していきます。
※企画によって、事前に申し込みが必要、受付人数の制限を設けているものがあります。

【展示 6/23~7/3】妄想するファッションデザイン  -計算と呪文とスケッチと

大橋キャンパス1号館2Fギャラリーにて、「妄想するファッションデザイン  -計算と呪文とスケッチと」と題し、ファッションの表現に関して、モデリング、CG、AI、手書きスケッチなどの作品展示を行います。

未来構想デザインコース尾方義人教授が主宰する「プロダクトデザイン研究室」の陳 子洋さん、趙 健超さんほかの作品を展示します。

具体的な様々な表現を自然に行き来し、混乱するなかから生まれたデザインをぜひご覧ください。


■会期:6/23(金)~7/3(月) 9:00~1800(土日休み)
■会場:九州大学大橋キャンパス1号館2Fギャラリー
■入場:無料

国際化の取り組み:ウェルカムパーティーを開催しました!

4月から新しく大橋キャンパスに通う留学生に向けて、芸工サポーター主催のウェルカムパーティーを大橋キャンパス デザインコモンにて開催しました。
当日の様子を、芸術工学府音響設計コース修士1年の久住  香奈がお伝えします。

ウェルカムパーティーには、私たち芸工サポーター8名、留学生26名、日本人学生8名の合計42名の学生が参加しました。
まずはじめに、一人ずつ自己紹介を行いました。参加者それぞれに配られた飴の色ごとに自己紹介の内容が指定される形式で、趣味や好きな映画・音楽、将来の夢などさまざまな共通点を見つけられたと思います。
その後、寿司とピザを食べながらのフリートークで交流を深めました。学生のみなさんは自由に歩き回り、普段話したことがない方にも積極的に話しかけているのが印象的でした。
そして最後に、絵でお題を表現し相手に伝える「お絵描き伝言ゲーム」で、言語の壁を超えたゲームを楽しむことで全員がひとつにまとまることができました。
九州大学に来る留学生の出身国はアジア圏やヨーロッパ圏などさまざまなので、このパーティーに参加した学生のみなさんは交友関係の幅が広がる経験をされたことでしょう。ウェルカムパーティーは大盛況で、事後のアンケートでは参加者全員が楽しかったと回答してくれました。

大橋キャンパスには、日本のことをもっと知りたい留学生、また留学生とお話ししたい日本人学生がたくさんいます。
芸工サポーターは留学生と日本人学生をつなぐ架け橋になります!日本語もしくは英語に自信がない方でも大丈夫。芸工サポーターが全力でサポートさせていただきます!
芸工サポーター主催の国際交流イベントにご興味のある方は、SNSや学生ポータルサイト、Geiko GlobalのWebサイトなどで、イベント情報をぜひチェックしてみてくださいね


<Writerについて>
久住 香奈
私は九州大学大学院芸術工学府音響設計コース修士1年です。
卒業後のデンマーク留学のため、英語とデンマーク語を勉強しています。芸工サポーターになってから、さまざまな留学生たちとの交流を楽しんでいます。もし何か言語の問題でお困りでしたらお声掛けください。わたしが通訳します!

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公開講座「アクティブライフのための運動教室(シニア向け)」開催100回達成!

 芸術工学研究院村木研究室が中心となり、2017年4月から始めたシニア向け公開講座「アクティブライフのための運動教室」が、2023年5月25日(木)に開催100回目の節目を迎えました。

 本講座は参加者(地域の高齢者)、芸術工学部・芸術工学府の学生、教員、NPO法人の皆で協力して運営してきました。参加者の高齢者は健康づくりや外出の機会として、高齢者の生活や製品の研究に携わる大学教員は研究のアイデア創出や検証の場として、また、学生にとっては実践的な学びの場となり、皆がWin-Winのとても珍しい大学公開講座です。

 毎年、春夏期と秋冬期にそれぞれ8~10回のコースを開催し、企画・運営は大学教員、参加者への運動指導はNPO法人ココフルのインストラクター、体力測定・運動記録ノートのチェック・ミニ講義(生活に役立つお話など)等は学生が担当します。昨年度からは授業の一環として実施し、単位として認定しています。現在の参加者19名は、講座での運動に加え、歩数と筋トレ回数を記録する宿題もあり、運動習慣が自然と身についています。また、教室は笑顔や笑い声で溢れ、出席率も毎回ほぼ100%と、アクティブライフを楽しんでおられます。

 社会に開かれた大学として、大学の教育・研究成果を広く社会に還元・共有することを使命の一つとして掲げ、今後も本講座を継続していきます。



公開講座「アクティブライフのための運動教室」

  • 開講時期:春・夏季、秋・冬季
  • 対象:一般市民(65歳以上)  20名程度
  • 受講料:5,000円
  • 会場:九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F
  • 講師:村木里志(芸術工学研究院 教授)ほか

 講座の詳細は、「公開講座」ページをご覧ください。

村木教授からひとこと

新型コロナウイルスに伴う行動制限などにより、開催ができない時期がありました。しかし、教室にて運動習慣(自主トレやウォーキング)が身についており、体力が低下した参加者はほとんどいませんでした。対面教室が再開し、たくさんの参加者より、宿題ノートのおかげで体力の低下が防げたとのお言葉を頂きました。

お問い合わせ
九州大学大学院芸術工学研究院 教授 村木里志
Mail: muraki★design.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

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【重要】令和6(2024)年度以降の入学者選抜方法の変更について(予告)

九州大学芸術工学部芸術工学科インダストリアルデザインコースでは、令和6(2024)年度以降、総合型選抜Ⅱ第2次選抜の「実技」を変更します。
詳細は添付ファイルでご確認ください。

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【重要】令和7(2025)年度以降の入学者選抜方法の変更について(予告)

九州大学芸術工学部芸術工学科では、令和7(2025)年度以降、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜Ⅱにおける入学者選抜方法を変更します。
詳細は添付ファイルでご確認ください。

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【重要】令和7(2025)年度以降の編入学試験における変更について(予告)

九州大学芸術工学部芸術工学科未来構想デザインコースでは、令和7(2025)年度以降、編入学試験における入学者選抜方法を変更します。
詳細は添付ファイルでご確認ください。

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