NEWS

【芸工生のNews&Story】私たちの共用施設「音響特殊棟」ってなに?

大橋キャンパス 音響特殊棟は、2021年に改装された3号館の近くに位置する建物です。この建物は3つの階層から成り立っており、それぞれ異なる目的で使用されています。特に1階には残響室、2階には録音スタジオ、3階には無響室があります。これらの施設は、主に芸術工学部・芸術工学府の音響設計コースに在籍する学生が、授業や研究のために使用します。また、これらの施設は一般的な利用も可能で、さまざまなイベントや活動に使われています。
各部屋の紹介を芸術工学府音響設計コース修士1年の久住香奈が紹介させていただきます。

無響室(写真上)は音の反射を排除するために設計されています。壁には音を効率的に吸収する素材が用いられています。私自身も授業で録音のためにこの部屋を使用したことがあります。この部屋の特徴は、反射音や周囲のノイズが少ない純粋な音を録音できるほか、スピーカーの指向性や周波数特性を測定するためにも使用されています。

録音スタジオ(写真中)は主に音楽やサウンドアートの制作に適しています。天井が高く、広々とした空間は、制作活動に十分なスペースを確保しています。さらに、この広さにもかかわらず、音の残響時間は短くドライな音を録音できます。室内には柱状拡散体があり、音の反射を操作することができます。この柔軟性により、スタジオではコンサートが催されることもあります。

残響室(写真下)は発せられた音の残響時間を長くするのが特徴です。部屋の形状は平行な面がなく、音をあらゆる方向に反射させるように設計されています。室内の壁は音の吸収を最小限に抑える工夫がされています。この部屋は材料の吸音率を測定するのによく使用され、これはコンサートホールの音響設計や車内材料の吸音特性の評価にとても重要なのです。

音響特殊棟は学生の研究や学習環境の向上に大いに役立っています。特に音響設計コースの学生たちは、これらの施設が大学にあることに誇りを持っています。これほど充実した施設があるのは、日本の大学でも非常に珍しいものなのです。

また、音響設計コースでは、音文化学、音響環境工学、音響情報科学といったさまざまな視点から音を学ぶことができます。これは私が芸工への入学を志願したきっかけの一つでもあります。このような環境が整った大橋キャンパスでの学生生活は、刺激ある毎日でとても楽しいです!


<Writerについて>
久住 香奈
私は九州大学大学院芸術工学府音響設計コース修士一年です。
卒業後のデンマーク留学のため英語とデンマーク語を勉強しています。芸工サポーターになってから、さまざまな留学生たちとの交流を楽しんでいます。もし何か言語の問題でお困りでしたらお声掛けください。わたしが通訳します!

参照リンク