NEWS

【芸工生のNews&Story】学部卒業研究 展示会・発表会(未来構想デザインコース)

芸術工学部未来構想デザインコースは望ましい未来の社会を展望しながら、これまでになかった出来事やサービス、社会の仕組みなどをデザインする力を養うコースとして2020年に新設されました。デザインの対象がモノからシステム、サービスへと拡大している現状を踏まえ、ハイレベルなデザイナーの育成を目指すコースです。

今年、その第1期生が卒業します。本稿では、2024年2月17日(土)に開催された4年生の卒業研究の展示会について紹介いたします。

このコースの研究は、大まかに、「社会構想」、「生命・情報科学」、「アート・デザイン」に分類されます。「社会構想」を取り扱う研究では、解決策を提示したり、デザイン要件を提案したりするものがあります。「アート・デザイン」の分野の研究では、創作活動に取り組んで個展を開くこともあります。「生命・情報科学」の分野の研究では、シミュレーションから規則性や相関性を示す学生もいました。もちろん、数理モデルと社会問題を組み合わせるなど、複数の分野を扱う研究も多かったです。

以下、学生の研究例です。

自伝的記録の幸福度に関する研究では、自伝的記録ツールの使用に、整理、記録、回顧という3つのプロセスがあることが明らかになりました。3つのプロセスはそれぞれ人々に幸福感をもたらす一方、若者は記録を続けることが苦手という課題もあることがわかりました。記録行為を長く続けてもらうために、シールを使った記録ツールが提案されました。(写真上から3枚目)

食の色のデザイン研究では、食材の本来の色が、どんな要因で決定するのか考えることが目的とされました。例えば、バナナにはかつて赤と黄色がありましたが、現存するのは黄色のバナナだけです。色の選択の背景には、市場、生産者、消費者など様々な要因が考えられます。この研究では、自然本来の食べ物の色の違いや関係性を問うために、個展を開催し、人々に普段購入している食品の色の背景を深く考える機会を与えました。(写真上から4,5枚目)

このコースの卒業研究で扱う分野は人によってさまざまでしたが、共通しているのは「今の当たり前」に疑問を投げかけ、物事の本質を明らかにし、あるべきシステムやサービスを提案することです。これは、今後の高次なデザイナーにとって重要なスキルであるといえます。


<執筆者>
こんにちは。私は未来構想デザインコース4年の佐藤広武です。私の研究室は留学生が大半を占めており、日々、英語でコミュニケーションをとっています。これがきっかけで、海外旅行にチャレンジしました。韓国、シンガポール、タイ、ベトナムなどを旅行し、異文化に触れました。今後も様々な国の人と仲良くなりたいです。