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2023年度開講授業「デザインと日本 C」と「 日本デザインの理解C」について

昨今、キュレーティングとは、展覧会のオーガナイズや発表会、もしくは異文化交流だけではありません。学際的かつトランスカルチュラルな文脈の中で、異なる知のあり方をまとめ、アートと社会の関係、そして美術館などの芸術機関や博物館、アートコレクションが築かれてきた前提に挑戦することにも関係しています。

「デザインと日本C」と「日本デザインの理解C」は、日本のアートとデザインの基礎知識、展覧会の歴史、キュレーターの実務を紹介する芸術工学府のスタジオプロジェクト科目の一つです。
理論と歴史、展覧会へのフィールドトリップ、キュレーターやアート・デザインに関連する他の専門家とのディスカッションにより、理論的な考察と創造的な作業、キュレーションの実践的な方法を学ぶことができます。最終的な成果として、九州大学総合研究博物館での展覧会や講評会のためのコンセプトを共同制作します。この科目は秋学期に行われましたが、履修者は2024年3月3日開催の「Objects Stand Still – Ideas Don’t」という展覧会に向け、九大博物館と協力し作業を続けました。この展覧会はガイドツアー形式で、知の創造とコミュニケーションに対する遊び心に満ちたアプローチで、九州大学のアーティストやデザイナーたちの観点から見た九大博物館とその内幕を探索します。
この授業を通して、学生たちは歴史的な展示物の恩恵に対して問いを投げかけるきっかけとなり、収集されたモノにどのような価値が付与されるか、またモノを集めることがどのようにアイデアの発想に役立つかについて考えました。モノと違って、アイデアは立ち止まることはなく、モノを集めることが将来どれほど貴重なものになるかは、今の私たちにはまだわからないのです。



開講時期
2023年10月5日から11月30日まで

授業内容
グローバルな文脈における日本のアートとデザイン
キュレーション実践のキーコンセプト
エクスカーション:太宰府天満宮境内美術館
エクスカーション:山口情報芸術センターYCAM
九州大学総合研究博物館でのセッション、視察とコレクション見学
九州大学総合研究博物館でのキュレーションコンセプトの発表とディスカッション

単位数
2単位

連絡先
九州大学大学院芸術工学研究院 芸工インターナショナルオフィス
intl-ofc@design.kyushu-u.ac.jp