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  • 【レクチャー&ワークショップ実施レポート】「光をつくる/光で考える —— ネオン管加工の技術と美学」 

【レクチャー&ワークショップ実施レポート】「光をつくる/光で考える —— ネオン管加工の技術と美学」 

ネオン管は、効率や安全性の観点からすでに「時代遅れの技術」と見なされることが少なくありません。しかし、その危うさや不便さこそが、今日においては表現の強度となり得ます。
芸術工学部未来構想デザインコースでは、2025年12月19日、レクチャーおよびワークショップ「光をつくる/光で考える —— ネオン管加工の技術と美学」を実施しました。ネオン管加工の専門家である(有)関東ネオン代表の坂口照好氏・坂口恵子氏を講師に迎え、ネオン管加工の実演と設計体験を通して、光をつくる技術と、それを用いる思考の両面に触れました。
当日は、午前にレクチャー、午後にワークショップを行い、1日を通して実施しました。その様子をレポートします。


レクチャー(午前)

[左から坂口照好氏、坂口恵子氏、栗山斉准教授]


レクチャーではまず、ネオン管加工に長く携わってこられた坂口さんからお話を伺いました。ネオン管の発光の基本的な仕組みから、これまでのお仕事、制作現場での具体的なエピソードまで、幅広くお話しいただきました。


屋外看板などの光源として普及していたネオン管が、現在はLEDに置き換わり、制作数が減っていることや、それに伴って技術や制作設備が失われつつあることなども共有されました。参加者からは「ネオン管に寿命はあるんですか?」などといった素朴な疑問も出て、質疑を通してネオン管への理解を深めました。


レクチャーに続き、ネオン管加工の実演を行っていただきました。普段は見ることのない、ネオン管が完成するまでの一連の工程を間近で見学しました。


ネオン管の形をつくる曲げ加工では、バーナーでガラス管の曲げたい部分を温め、適度に柔らかくなったところで、ぐにゃりと曲げていきます。バーナーの燃焼音と、手際よく曲げていく手つきに、思わず見入ってしまいます。


その後、曲げた管に電極を取り付けるなどの工程を経て、星型のネオン管が完成しました。参加者は、実演を通してネオン管の制作工程を初めて知り、理解を深めました。



ワークショップ(午後)

午後はワークショップを行いました。参加者はそれぞれ1本のガラス管からネオン管を制作します。真っ直ぐなガラス管を希望する形に曲げ、光らせるところまでの一連の工程を体験しました。


まず、作りたい形を検討するところから始めました。ガラス管加工の特性上、加工が簡単な形、難しい形があるため、坂口さんにアドバイスをいただきながら、各自で形を決めていきました。


その後、ガラス管の加工を行なっていきました。ガラス管を必要な長さに切断して、バーナーで温めながら曲げていきます。温めつつ息を吹き込みながら曲げる必要があり、二つの作業を同時に行うのは想像以上に難しく、意図しない方向に曲がってしまったり、温めすぎて穴が空いてしまったりと、初めての体験に苦戦していました。


坂口さんにご指導いただき、補助を受けながら少しずつ形を整えていきました。


その後、曲げ加工を終えたガラス管に坂口さんが電極を取り付け、内部を真空引きしたうえでネオンガスを封入するなどの工程を経て、ネオン管が完成しました。


最後に、参加者が制作したネオン管を実際に点灯しました。手作りの光を見て、改めてネオン管の美しさや奥深さ、難しさを実感しました。


最後に


午前はレクチャーを通してネオン管の仕組みや背景について理解を深め、午後はワークショップで実際に手を動かしました。普段、当たり前に目にしている「光」を、自分の手でつくることで、見え方や考え方が変わったり、新たな発想が生まれるきっかけになったように思います。坂口さん、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

【概要】
「光をつくる/光で考える —— ネオン管加工の技術と美学」
日時:2025年12月19日(金)10:00-17:30
会場:九州大学大橋キャンパス内 印刷実験棟 2階 講義室
講師:坂口照好・坂口恵子/(有)関東ネオン 代表
主催:九州大学芸術工学部未来構想デザインコース
協力・助成
九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター 「数理・データサイエンスに関する教育・研究支援プログラム」
九州大学 応用力学研究所「2025 年度 共同利用研究」
令和3年度 九州大学 大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
令和7年度概算要求事業「総合知教育デザインプラットフォーム」

参照リンク