
九州大学大学院芸術工学研究院では、アーティストのアニカ・カース氏をお迎えし、アーティストトークを開催いたします。
▪日時:2024年11月21日(木)18:30-20:00
▪参加費:無料
▪言語:英語
▪定員:50名
▪お申し込み:以下のフォームより、事前にお申し込みください。
<申し込みフォーム>https://forms.office.com/r/PaRZgEC3BY
▪主催:九州大学大学院芸術工学研究院
令和4年度大学改革活性化制度「日本デザインを創造し国際発信できる人材育成のための教育プログラムの構築」
令和3年度大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
科研費研究(C)「大学博物館におけるアート・インターベンションに関する理論調査と展示実践」(課題番号:24K03582)
アーティストのアニカ・カースはパフォーマンス、映像作品、映像・サウンド・インスタレーション作品を通して、「音楽」と呼ばれるものの境界、そして、音楽の文化的・社会的機能、コミュニケーション的側面、形式性について探求してきました。彼女のパフォーマンス、映像、サウンド・インスタレーションは、さまざまな社会的、文化的、政治的な共存構造において、音楽や音といった音響情報がどのような意味を持つかを多様な方法で提示しています。今回のアーティストトークでは、初期から現在までの作品の中から以下3作品を映像と共に解説します。
Completely Invalid, Just A Try (2024)
アントン・ブルックナーの番外扱いの交響曲第0番(ドイツ語で「ヌルテ(NULLTE、無効)」)を題材に、日常的および芸術的な脱構築や再構築、生産と消去といった「有効性」という概念そのものに焦点を当てています。5人の音楽家がコンサートホールでブルックナーの交響曲第0番を演奏する。演奏される楽譜の原譜は、事前に音楽を聴く場や制作する場において若者たちによって手書きで変更され、部分的に消され、上書きされ、追加された内容によって変化が生じている。古典的な解釈と現代的な音楽形式の探求が交錯することで、新たな音楽が生み出される。
Gravity’s Tune (2023)
ロサンゼルスのVilla Auroraのフェローの際に制作された映像作品。この作品は、カースが作曲家のルイ・ドゥディエール、ロサンゼルス在住の音楽家達、物理学者のキース・ソーン博士と協働し、重力波を初めて音として聞き取れるようにした音響信号を音楽作品として解釈したもので、コンサートホールと2015年に初めて重力波を音響信号に変換したLIGO科学研究所(レーザー干渉計重力波天文台)の間で展開されています。
Le Chant des Maisons (2022)
第16回リヨン・ビエンナーレのために制作されたビデオインスタレーション『Le Chant des Maisons』(2022年)では、リヨンの俗化した教会であるサン・ベルナール教会において、さまざまな音楽家と数人の大工によって構築と解体の音響的・視覚的プロセスが展開されます。家の骨組みを組み立てるパフォーマンス、または教会の中に透明な新しい空間を創り出す行為とも言えるこのパフォーマンスは、さまざまな音が響き、反響し、その影響を広げるための新しい空間を見つけ、創り出す果てしないプロセスを表現しています。
アニカ・カース(1984年ドイツ、アヒム市生まれ。ベルリンを拠点に活動)
現在「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」のフェローとして東京のAIT(アーツイニシアティヴトウキョウ)レジデンスに滞在中。Hamburger Bahnhof(ベルリン、ドイツ)、第5回Thessaloniki現代美術ビエンナーレ(ギリシャ)、Kunsthalle Bremerhaven(ドイツ)、Savvy Contemporary(ベルリン、ドイツ)、On the Road展示プロジェクト(Santiago de Compostela、スペイン)、Bienal Internacional de Curitiba(ブラジル)、Hamburger Kunsthalle(ドイツ)、KW Institute for Contemporary Art(ベルリン、ドイツ)、Gropius Bau(ベルリン)、Kunstverein(ハンブルク、ドイツ)、Flat Time House London(イギリス)、Velada de Santa Lucia Festival(マラカイボ、ベネズエラ)、MONA Foma(タスマニア、オーストラリア)、LAXART(ロサンゼルス、アメリカ)、第16回リヨン・ビエンナーレ(フランス)など、国内外で展覧会を開催。Villa Aurora(ロサンゼルス、アメリカ)、Casa Baldi – Villa Massimo(イタリア)、VILA SUL(ブラジル)、Max-Pechstein賞、Kunstfonds Foundation、René Block寄贈George-Maciunas賞など、数々の賞や助成金を受賞。
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