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  • 現代実践フォーラム アーティスト・トーク #19 ダニエル・ヤング「アート制作における7つの試み」

現代実践フォーラム アーティスト・トーク #19 ダニエル・ヤング「アート制作における7つの試み」

九州大学大学院芸術工学研究院では、以下のとおりアーティストトークおよび映画上映を行います。

◇アーティスト・トーク #19 ダニエル・ヤング「アート制作における7つの試み」
 ▪日時:2025年4月14日(月)19時00分-20時30分
 ▪会場九州大学大橋キャンパス 音響特殊棟録音スタジオ
 ▪使用言語:英語
 ▪参加費:無料
 ▪定員:50名
 ▪お申し込み:以下リンクのフォームより、事前にお申し込みください。
 ▪主催:九州大学大学院芸術工学研究院
 令和3年度大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
 令和4年度大学改革活性化制度「日本デザインを創造し国際発信できる人材育成のための教育プログラムの構築」

◇映画上映《Every Building, or Site, that a Building Permit was Issued for a New Building in Toronto in 2006》(2008年、13分)
 ▪会期:2024年4月10日(木)~18日(金)
 ▪会場:九州大学大橋キャンパス 芸術工学図書館1階 VAラウンジ


ダニエル・ヤング(1981年、カナダ・オンタリオ州トロント生まれ)は、トロント大学で学際的地理学を学びました。2002年以降、彼は彫刻家クリスチャン・ジルー(1971年、カナダ・オンタリオ州キングストン生まれ)と協働し、ビジュアル・アーティストとして活動してきました。

「アート制作の7つの試み」と題されたこのアーティスト・トークでは、ヤング&ジルーによる7つの作品について、初期のものから最近のものまで時系列に沿って紹介します。これらの作品は、映画インスタレーション、パブリック・アート、彫刻、書籍など多岐にわたります。

ヤング&ジルーの多くのプロジェクトは、建築、都市構造、インフラ、風景、照明を中心に展開されます。客観的でコンセプチュアル、かつ淡々としたアプローチをつうじて、私たちが作り上げた環境の現実を検証・記録する彼らの作品は、現代の建造物の多くの平凡かつ慣例化した外観に注意を促します。

彼らの映画作品《Every Building,or Site,that a Building Permit was Issued for a New Building in Toronto in 2006》(2008年、13分)は、4月10日から18日まで、芸術工学図書館VAラウンジにおいて上映されます。この作品は、建築を主題とした二人による映画作品シリーズの第1作で、後には《Infrastructure Canada》(2010–12年、三面ビデオインスタレーション)や《Berlin 2013/1983》(2016年、二面ビデオインスタレーション)などが続きます。

《Every Building…》は、トロント市内において、新たに建築許可が出された130の住所リスト(戸建住宅を除く)に基づいて制作されました。ヤング&ジルーは動画を媒体としていますが、この作品のコンセプトとタイトルは、エド・ルシャの象徴的な写真集《Every Building on the Sunset Strip》(1966年)を参照しています。各建物は、35mmフィルムの固定カメラによって8秒間の単一ショットとして提示され、いつも同じアングルから撮影されています。それぞれのショットは、建築許可の承認日時に対応して時系列に編集されています。13分の間、ある特定の時点における都市の見えざるポートレートが展開されるのです。

「要するに、この映画はアーティストたちが身を置く環境の変化に反応したものなのだ。ヤングが指摘するように、『もし都市のうちの他の部分が消滅し、これらの建物だけが残されたとすればどうだろうか?』。《Every Building…》は、最近の当地の建造物にかんする現在進行形の調査であって、トロントという都市の未来を告げると同時に、市民の生活の質に避けがたい影響をもたらす諸々の事実を包括的に組み合わせている。この映画は、言葉による説明よりも事例によって伝えようとする理想主義者たちの作品である。(デジタル録画ではなく)セルロイドを彼らが選択したことでさえ、伝統や職人技や歴史への、そして束の間の記録よりも手にとれる記録への賛同を表しているのである」──ペギー・ゲイル(2009年)

ダニエル・ヤングとクリスチャン・ジルーの個展は、Prefix Institute for Contemporary Art(トロント)、Musée d’art contemporain(モントリオール)、Künstlerhaus Bethanien(ベルリン)、The Rooms(セントジョンズ)などで開催されてきました。クリスチャン・ジルーは、グエルフ大学の美術音楽学部で教授を務めています。ダニエル・ヤングは、ベルリンとトロント、バンクーバーを拠点に活動しており、アーティストブック《Berlin 2013/1983》は2017年にARCH+より出版されました。

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