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ソーシャルアートラボの活動成果が書籍として出版されました

2021年7月15日に、芸術工学研究院附属ソーシャルアートラボ(*)の取り組みをまとめた書籍が、2冊同時に水曜社から発行されました。
(*)ソーシャルアートラボは2021年4月に「社会包摂デザイン・イニシアティブ」の内部組織へと移行しました。

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【アートマネジメントと社会包摂:アートの現場を社会にひらく(SAL BOOKS 2)】
九州大学ソーシャルアートラボ(編)村谷つかさ・長津結一郎(企画・構成)

社会包摂につながる芸術活動への関心は高まり、法整備も進められている。一方ではいまだ広く社会的認識を得ているとは言えない状況が続く。複雑な課題、入りくんだ利害関係など多くの要素が現場の個別性を高めていることもあるが「社会包摂」と「アート」「アートマネジメント」などの用語が、漠然とした概念にとどまって受容されている背景もあげられよう。
本書は、災害復興支援、福祉、地域づくりなどの領域でそれぞれの専門性をもつ人々が集まり、芸術のもつ方法論や技術を用いて実践に臨んだ数々の現場から放たれる表現…言葉、肉体、熱…磁場が生み出す一体化した世界をすくい取り、実感を伴った言葉で、社会包摂とアートのつながりを捉え直そうと試みた。
本書を社会につなぐ芸術活動を続ける方々、これから実践に踏み出そうとしているみなさんに贈りたい。

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【文化事業の評価ハンドブック 新たな価値を社会にひらく(SAL BOOKS 3)】
文化庁×九州大学 共同研究チーム(研究代表者:中村美亜)(編)

面接試験、人事査定など「評価」は上の立場から一方的に判定するというイメージがある。最初から基準が定められ、マニュアルに従っていればよいという印象すらある。
しかし公的な文化事業で補助金や助成金が投じられる委託事業、とくに文化事業では最初に目標を設定すること自体が困難だったり、長期の目的は変わらなくても短期的な目標が途中で変更されるということが少なくない。これらの場合手順に沿うだけでは十分な評価はできず、事業の企画運営と評価を切り離さず、相互に調整しながら弾力的に柔軟に進めていく必要がある。
本書は主に社会包摂につながる文化事業をテーマに、事業目的にかなう評価基準の導入から、具体的な評価の基礎と実践を多数の図解と実践事例の紹介により解説。アートを学ぶ学生、ホール・劇場運営者、自治体の文化事業担当者に最適、最強のガイドとなるだろう。

*2018年に出版した「ソーシャルアートラボ:地域と社会をひらく」とあわせてお読みください。
http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp/publication/socialartlab/

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