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声への「集中力」が高まるイヤホンの物理特性を見出しました       九州大学芸術工学研究院とオーディオメーカーfinalの共同研究成果

九州大学大学院芸術工学研究院 河原一彦准教授とオーディオメーカー株式会社final(代表:細尾 満)は、イヤホン・スピーカの特性に関する共同研究において、「話し声を聞き取りやすくする」ことができるイヤホンの物理特性を見出しました。

河原准教授とfinalは、この共同研究の成果を、音楽を楽しむ以外の目的にも利用することで、より一層の社会貢献ができないかと検討しています。そのような中、コロナ禍により、学校の授業がオンラインで実施され、さまざまな個人学習のオンライン化も急速に拡大してきました。こういった学習環境の変化に役立つ製品を提供しようと、「話し声を聞き取りやすくする」物理特性を利用して株式会社finalが開発したのが、声への「集中力」が高まる学習専用イヤホンです。

イヤホンは、近年、音楽聴取に広く使われているデバイスですが、その特性の好みについては、嗜好品のようにも語られることが多くあります。共同研究では、音楽聴取用のイヤホンと声を聞くためのイヤホンの特性が同一で良いのか、議論を重ねてきました。特に複数の話者が異なる位置で同時に話した状態を録音し、その声のバランスを正しく再生できるようにイヤホンの特性を調整すると、声が聞き取りやすくなることがわかりました。また実際に機器として設計できるようになりました。 人の聴き取りへの効果を測定する実験の結果、学習専用イヤホンでは、「会話をどれだけ正しく聞き取れたかの正答率」が、他社の音楽用イヤホンに比べて有意に高いことが確認されました。

学習専用イヤホンでは、人の話し声が聞き取りやすい音響設計により、オンライン授業や外国語会話レッスンなどで、学習への集中力を高めることができます。