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知的障害を有する人との映画制作プロジェクトpart2 第1回「映画とは何か&撮影」ワークショップを実施しました

九州大学大学院芸術工学研究院の教員が中心となり取り組む本プロジェクトは、知的・精神障害当事者が、クリエイターの支援を受けて、被写体ではなく「自分で」映画を創るために、映画を構成する撮影・編集・脚本作り等のプログラムを実行し、創作した映像作品とそのプロセスのドキュメンタリーをあわせて、広く発信することを目指しています。
7/21(金)は、知的障害、自閉スペクトラム症を有する成人7名の方を対象に、
日本を代表する映画監督 瀬々敬久監督が第1回目のワークショップを行いました。

ワークショップは、以下の3パートで行われました。
1. 映画とはなにか
リュミエール兄弟「ラ・シオタ駅への列車の到着」(1895,仏)を鑑賞
8mm,16mm映写機での映画の鑑賞
フィルムに近づいて歓声をあげる皆さん
回転するフィルムの動きと、投影される映像を見て、映画の原理は1枚1枚の絵がつなぎあわされた、パラパラ漫画と同じであることを体感し、大変驚いた様子でした。

2. スマフォを使って撮影
最初に、スマフォでの動画撮影の方法を確認しました。参加した知的障害、自閉スペクトラム症当事者7名は、スマフォ所持率100%でしたが、初めてスマホ動画を撮る人もいました。

某公園をロケ地とし、「好きなように、撮りたいものを撮影してよい」「時間は、1カット(1本につき)3分程度」という瀬々監督からの教示を受け、一斉に撮影を開始しました。

3. 7名が撮影した映像を鑑賞
自分の人生を語るようにナレーションを入れる人、木や岩の表面、葉の葉脈を追ってミクロコスモスを表現した人、レンズに映り込む光の屈折を追いながら撮影する人、時間に厳密に3分間3本撮影した人・・・etc
それぞれが持つ思考の指向性や経験のストーリーが反映された、多様な映像が発表されました。
次回9月にはこの映像を1人ずつ編集するワークショップを開催する予定です。


お問い合わせ先:九州大学大学院芸術工学研究院 助教 工藤真生
m-kudo@design.kyushu-u.ac.jp
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