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Susan Philipsz: アーティストトークを3/2に開催

九州大学大学院芸術工学研究院では、ビジュアルアーティストのスーザン・フィリップス氏をお迎えし、トークイベントを開催します。

開催日時】2024年3月2日(土)17:00~19:00
会  場】九州大学大橋キャンパス 音響特殊棟 録音スタジオ
言  語】英語
お申込み】イベント参加ご希望の方は、下記のフォームよりお申し込みください。
      https://forms.office.com/r/Xt0Uq6LniR

定  員】50人

スーザン・フィリップスは、主にサウンドインスタレーションを手がけるビジュアルアーティストです。
フィリップスは、自身のアカペラによる伝統的なフォークソング、ポップソング、または政治的賛歌の録音を使った作品で広く認知されるようになりました。彼女の作品は、音の感情的および心理的な特性とならんで、音と建築、自然環境、および場所性との相互作用を探求しています。2010年には、「サウンドアーティスト」として初めてイギリス現代美術の最高峰、ターナー賞を受賞しています。過去10年間、場所そして音楽作品の歴史性、または歴史的人物に関する詳細な研究を含むサウンドインスタレーションを制作してきました。2012年のdocumenta 13で発表した「Study for Strings」は、カッセルのユダヤ人が1940年代に強制収容所に送還されたカッセル中央駅のプラットフォームに設置され、そこで流れるのはパヴェル・ハースが1943年にテレジエンシュタット強制収容所での収監時(後に殺害された)に作曲した管弦楽曲です。テート・ブリテンで発表されたマルチチャンネルのサウンドインスタレーション「War Damaged Musical Instruments」(2015年)は、過去200年間の戦争で損傷を受けた英国とドイツの金管楽器や木管楽器の録音を収録しています。日本においては、屋外インスタレーション「wind wood」(2020年)が箱根のポーラ美術館森の遊歩道で恒久展示されています。

今回のトークでは、過去25年間の彼女の作品の選り抜きを紹介し、一部の録音のサンプルを再生します。トークの後は、英語での質疑応答を行います(質問は日本語でも可能です)。



スーザン・フィリップス(1965年、スコットランド・グラスゴー出身、ドイツ・ベルリン在住)
スコットランド・ダンディーのダンカン・オブ・ジョーダンストン・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインおよび北アイルランド・ベルファストのアルスター大学で美術を学ぶ。現在、ドレスデン美術大学教授(彫刻と空間概念)。フィリップスの作品は国際的に広く展示されており、最近の個展に「Study for Strings Sokol Terezin」(ARoS、オーフス、デンマーク、2023)、「Songs Sung in the First Person on Themes of Longing, Sympathy and Release」(サンフランシスコ近代美術館、サンフランシスコ、2022)、「The Wind Rose」(クレーラー・ミュラー美術館、オランダ、2021)、「War Damaged Musical Instruments」(Aukland Art Gallery、オークランド、ニュージーランド、2020)などがある。フィリップスの作品を収蔵したコレクションとして、バイエラー財団(バーゼル)、リヴォリ城(イタリア)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ソフィア王妃芸術センター(マドリッド)、ルートヴィヒ美術館(ケルン)、テート美術館(ロンドン)、ウォーカーアートセンター(ミネアポリス)、ポーラ美術館(箱根)など、ほか多数。

下記のリンクからアメリカPBSが制作した「Art:21 – 21世紀の芸術」シリーズからスーザン・フィリップスを取り上げた第9シーズン「ベルリン」エピソードをご覧いただけます。